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工場建物の改築における基礎と土台、断熱に関するQ&A
築年数の経った工場を子供部屋として改築されるご計画、素晴らしいですね!しかし、既存構造に不安を感じられるのも当然です。一つずつ丁寧に見ていきましょう。
基礎と土台について
基礎と土台の間にパッキン(通気層)を設けるのは、土台の木材の腐朽を防ぎ、シロアリの侵入を防ぐためです。ベタ基礎に直接土台を施工した場合、湿気や結露による腐朽リスクが高まります。特に工場のような換気のない環境では、そのリスクはさらに高まります。10年以上経過して問題がないように見えるのは、幸いですが、内部の腐朽は目視では判断できません。
現状の確認と対策:
- 専門家への相談:まず、建築士や構造設計士に現状の確認を依頼することを強くお勧めします。目視検査だけでなく、必要に応じて非破壊検査などを行い、土台の腐朽状況を正確に把握する必要があります。
- 土台交換:もし腐朽が確認された場合は、土台を交換する必要があります。ベタ基礎の場合、土台を上げるには、基礎にアンカーボルトを新たに埋め込むなど、専門的な知識と技術が必要です。
- 通気確保:土台と基礎の間に隙間を作ることは、湿気対策として非常に重要です。パッキン材は数ミリから数センチの厚さのものがありますので、専門家と相談して適切なものを選択しましょう。
- 床下換気:基礎をハツリ、網を入れる計画は有効です。しかし、ハツリ作業は、基礎の強度を低下させる可能性があるため、専門家の指導の下で行う必要があります。
外壁と断熱について
現在の外壁は防水シート、断熱材がない状態なので、雨漏りや結露による劣化が進行している可能性が高いです。サッシ回りのみ防水処理を行うのは、一時的な対策にしかなりません。将来的に、より大きな問題を引き起こす可能性があります。
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改修案について:
- サイディングの全面剥がし:時間と費用がかかりますが、サイディングを全面的に剥がして、防水シートと断熱材を適切に施工することが、長期的な視点では最適です。子供部屋として快適に利用するためには、断熱性能の向上は必須です。
- 断熱材の選定:外壁の断熱材には、グラスウール、ロックウール、発泡ウレタンなど様々な種類があります。地域の気候や予算に合わせて最適なものを選びましょう。専門家と相談して、適切な厚さを決定することが重要です。
- 施工方法:防水シートの施工には、重ね貼りやシール処理など、適切な方法があります。専門業者に依頼し、丁寧な施工を行うことが重要です。施工不良は、雨漏りの原因となります。
床の断熱について
コンクリート直床の上にスタイロフォーム3cm+コンパネ12mmでは、寒冷地では不十分な可能性があります。床下の冷気を遮断するには、より厚い断熱材が必要です。
より効果的な断熱:
- スタイロフォームの厚さ:寒冷地では、スタイロフォームは5cm以上が推奨されます。地域や建物の構造によって必要な厚さは異なりますので、専門家のアドバイスを受けるのが確実です。
- 断熱材の種類:スタイロフォーム以外にも、高性能な断熱材があります。例えば、発泡ウレタンや、断熱性能の高い硬質ウレタンボードなども検討できます。
- 床暖房の検討:より快適な床を実現したい場合は、床暖房の導入も検討しましょう。床暖房は、床下の断熱と併用することで、より高い効果を発揮します。
専門家の意見
古い工場を住宅として改修する際には、構造上の安全性を最優先する必要があります。専門家(建築士、構造設計士、施工業者)に相談し、適切な調査・診断、改修計画を立ててもらうことが不可欠です。安易な判断による改修は、将来、大きな問題につながる可能性があります。
特に、基礎と土台の状況、外壁の防水・断熱、床の断熱は、居住空間の快適性と建物の寿命に大きく影響します。専門家のアドバイスを参考に、安全で快適な子供部屋を実現してください。