競売物件の賃貸・定借契約:リスクと対策、賢い選択肢とは?

知り合いAが所有するアパートなのですが、Aさんの会社が傾き、アパート本体のローンが払えなくなり、近々競売の流れにする方向になるよう動き始めています。現在8世帯が住んでいて4世帯空いています。ここからが質問なのですが、競売になるなら今の段階で空き部屋を激安で賃貸契約か定借契約で20年の契約を交わしても今後問題ないのかを教えてほしいと思います。賃貸契約と定借契約の効力の違いもよくわかりません。最悪一部屋だけでもただ同然で残せる方法があれば重ねて教えてほしいと思います。

競売物件における賃貸契約・定借契約のリスク

競売物件において、現状の賃貸契約や新たに締結する賃貸契約、定借契約が、競売後も有効に継続するとは限りません。これは、競売によって所有権が移転するためです。新しい所有者(落札者)は、既存の賃貸契約を承継する義務を負いません。つまり、競売開始決定後、新たな賃貸契約や定借契約を結んだとしても、落札者がその契約を承認しない限り、契約は解除される可能性が高いのです。

賃貸契約と定借契約の違い

賃貸借契約と定期借地借家契約(定借)は、期間と更新の点で大きく異なります。

  • 賃貸借契約:期間の定めがない限り、原則として当事者の一方から解約の申し入れがあれば、一定の期間(普通賃貸借の場合、原則として1ヶ月)後に解約できます。更新は、更新の意思表示が必要となります。
  • 定期借地借家契約:契約期間が予め定められており、その期間満了をもって契約は終了します。契約期間中は、原則として解約できません。ただし、契約に特別な条項がない限り、期間満了後の更新はできません。

競売においては、賃貸契約よりも定借契約の方が、契約期間内であれば、落札者に対して一定の権利を主張できる可能性がありますが、落札者が契約を承継しない可能性は依然として高いです。

競売物件の入札と契約承継の可能性

競売物件の落札者は、物件の現状を承継します。既存の賃貸契約や定借契約についても、落札者は承継するか否かを自由に選択できます。

落札者が契約を承継する可能性を高めるには?

落札者が契約を承継する可能性を高めるためには、以下の点を考慮する必要があります。

  • 賃料の適正性:市場価格よりも大幅に低い賃料では、落札者にとって魅力が低くなります。適正な賃料設定が重要です。
  • 契約期間:短い契約期間よりも、比較的長い契約期間の方が、落札者にとって安定した収入が見込めます。ただし、非常に長期の契約はリスクも伴います。
  • 物件の状態:物件の状態が良いほど、落札者にとって魅力が高まり、契約承継の可能性も高まります。修繕が必要な場合は、事前に修繕計画を提示することも有効です。
  • 入札参加者への情報提供:競売の情報サイトや不動産会社を通じて、入札参加者に空き部屋の賃貸状況を積極的に伝えることで、落札者にとってメリットのある情報として認識される可能性があります。

最悪の場合、一部屋だけでも残せる方法

競売において、既存の賃貸契約や定借契約が継続する保証はありません。しかし、落札者と直接交渉することで、契約の承継を交渉する余地はあります

落札者との交渉

競売物件の落札後、落札者と直接交渉し、現状の賃貸契約を継続するか、新たな賃貸契約を結ぶことを提案することができます。この際、賃料の適正性や物件の状態、契約期間などを考慮した上で、交渉を進める必要があります

専門家への相談

競売は複雑な手続きを伴います。弁護士や不動産専門家などの専門家のアドバイスを受けることが非常に重要です。専門家は、競売の流れやリスク、最適な戦略などをアドバイスしてくれます。

まとめ:競売物件における賃貸・定借契約はリスクが高い

競売物件において、賃貸契約や定借契約を結ぶことは、大きなリスクを伴います。契約が継続する保証はなく、落札者との交渉が必要となる可能性が高いです。専門家のアドバイスを受けながら、状況を的確に判断し、対応することが重要です。 激安での契約は、逆に落札者にとって魅力が低く、契約を承継されない可能性を高めます。 現実的な賃料設定と、落札者へのメリットを提示することで、契約継続の可能性を高める努力が必要です。 最悪の場合、一部屋も確保できない可能性も考慮し、他の住居確保策も検討しておきましょう。

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