Contents
社宅退去時の修繕費請求の内訳と妥当性の検証
ご状況を拝見すると、急な退職と転職による引っ越し、そして予想外の修繕費請求と、非常に辛い状況にあることが伺えます。まずは、請求内容を一つずつ検証し、妥当性を確認していきましょう。
クロス張替え(47㎡×1000円=47,000円)
タバコのヤニ汚れによるクロス張替え費用47,000円についてですが、1日1箱程度の喫煙で、換気扇を使用していたとしても、半年間でクロスにヤニ汚れが付着するのは十分考えられます。しかし、47㎡全てを張替えなければならないほどの汚れなのかがポイントです。部分的な補修で済む可能性もあります。写真や動画で証拠を提示し、交渉の余地を探りましょう。ハウスクリーニングでは落ちない程度の汚れだったとしても、部分的な補修を提案することで費用を抑えられる可能性があります。
扉の凹み(3,000円)
入居時の状態が不明なため、現状回復費用として3,000円を請求されている可能性があります。入居時に既に凹みがあった場合は、請求は不当です。入居時の写真や、入居時に作成した状態確認書があれば、それを証拠として提示しましょう。もし、そのような記録がない場合は、交渉が難しくなります。
襖の張替え(7枚×4,500円=31,500円)
子供の落書きによる襖の張替え費用は、部分的な補修で済む可能性があります。落書きの箇所の写真を提示し、張替えではなく補修で対応できないか交渉してみましょう。また、和室の襖の裏面が青い裏紙であることからも、入居時から経年劣化が進んでいた可能性があります。この点も交渉材料になります。
畳表替え(6枚×6,000円=36,000円)
畳の表替え費用は、入居時から日焼けしていた点を考慮すると、全額負担を求めるのは難しいかもしれません。入居時の状態を証明できる写真や報告書があれば、それを提示し、費用負担の軽減を交渉しましょう。チェストによる凹みについても、写真で状況を明確に示すことが重要です。
室内クリーニング(37,200円)
退去時の清掃が不十分だったため、ハウスクリーニング費用を請求されているようです。しかし、退去期限が急だったこと、会社都合での退去であることなどを考慮し、費用の軽減を交渉してみましょう。
交渉方法と具体的なアドバイス
まず、全ての修繕箇所の状態を写真や動画で記録しましょう。これは、交渉において非常に強力な証拠となります。
次に、不動産会社や管理会社に、請求内容の明細と根拠を明確に説明するよう求める必要があります。曖昧な説明では納得できません。
そして、個々の項目について、部分的な補修や費用軽減を提案します。例えば、クロスは部分的な張替え、襖は補修、畳は部分的な表替えなどです。
さらに、会社の倒産寸前であったこと、急な退職と転職による経済的な負担などを説明し、事情を理解してもらうよう訴えましょう。
最後に、書面で交渉内容を記録し、合意に至った内容を明確に記載した文書を作成しましょう。
専門家の意見
弁護士や不動産会社に相談することで、より効果的な交渉を行うことができます。特に、請求金額が妥当かどうかを判断してもらうことは非常に重要です。
交渉例
「クロスについては、写真の通り、ヤニ汚れは一部に集中しており、全面的張替えは不要と考えております。部分的な補修で対応可能かご検討ください。」
「畳については、入居時から日焼けしていた点、また、チェストによる凹みは軽微なもので、表替えではなく、部分的な補修で対応できないかご検討ください。」
まとめ
社宅退去後の修繕費請求は、状況によっては高額になる可能性があります。しかし、適切な証拠を準備し、冷静に交渉することで、費用負担を軽減できる可能性があります。焦らず、一つずつ問題点を整理し、対応していくことが重要です。