相続放棄と賃貸物件の家財道具:高齢の大家さんとの対応と相続財産管理

相続放棄について 賃貸に住んでいた場合、家財道具(財産管理)をどうしたらいいですか? 先月父が急逝しました。負債があったため相続放棄の申述をしたところです。 借家に住んでいたため大家から早く家財道具を撤去するように求められています。 家財道具を片づけてしまうと、法定単純承認(民法921条①)の相続人が相続財産の全部又は一部を処分した時に該当してしまうため、片づけられないと司法書士さんに言われており、大家さんには現在相続放棄の手続きをしているので勝手に片づけられない旨話をしたのですが、大家さんはご高齢のため、何度言っても理解してもらえません。 また、相続放棄をしても、相続財産管理人が選定されるまで相続財産の管理義務が生じると知りました。 そこで質問です。 ① もし大家さんが勝手に家財道具を処分してしまった場合はどうなるのでしょうか? ② 相続財産の管理義務があるとのことですが、お金がないので相続放棄するため、新たに部屋を借りて相続財産(家具・家電・車)を管理するということは不可能なのですが、どうすればいいのでしょうか? ご存知の方がいらっしゃいましたらよろしくお願いいたします。

相続放棄と家財道具の撤去:難しい状況への対応

ご父君の急逝、相続放棄の手続き、そして高齢の大家さんとのやり取りと、大変な状況におかれていることと思います。心よりお悔やみ申し上げます。 相続放棄と家財道具の管理は、複雑な問題です。一つずつ丁寧に解決策を探っていきましょう。

①大家さんが勝手に家財道具を処分した場合

大家さんが相続放棄申述中の家財道具を勝手に処分した場合、大家さんには不法行為の責任を問うことができます。具体的には、処分によって被った損害(家財道具の価値)の賠償請求が可能です。ただし、証拠の確保が重要です。処分された家財道具の写真、動画、証言など、処分された事実を証明できる証拠を集めておく必要があります。 また、弁護士や司法書士に相談し、法的措置を検討することも可能です。

②相続財産の管理義務と現実的な解決策

相続放棄をしても、相続財産管理人が選任されるまでは、相続人にも管理義務があります。しかし、ご質問にあるように、経済的な余裕がない状況で新たな保管場所を確保することは現実的ではありません。このような場合、以下の方法を検討してみてください。

現実的な相続財産管理の方法

  • 大家さんとの丁寧な交渉:再度、状況を丁寧に説明し、相続放棄手続きが完了するまでの猶予期間を交渉します。書面でお願いし、内容を記録しておくことが重要です。 高齢の大家さんへの対応には、ご近所の方や地域の福祉関係機関に協力を仰ぐのも有効な手段です。第三者を通じて状況を理解してもらうことで、交渉がスムーズに進む可能性があります。
  • 一時的な保管場所の確保:親戚や友人宅に一時的に保管してもらう、トランクルームを短期間利用するなどの方法を検討します。費用を抑えるために、無料期間のあるサービスなどを利用するのも良いでしょう。
  • 不要な家財道具の処分:相続放棄手続きに支障がない範囲で、明らかに価値のない、または処分費用の方が高い家財道具については、写真や動画を記録した上で処分することを検討できます。処分する際には、必ず記録を残し、処分した事実を証明できるようにしておきましょう。
  • 司法書士・弁護士への相談:専門家に相談することで、法的観点からのアドバイスを受け、最適な解決策を見つけることができます。相続放棄手続きや大家さんとの交渉、家財道具の管理方法など、具体的な問題解決に役立ちます。費用はかかりますが、状況を鑑みると、専門家のサポートを受けることが最善策となる可能性が高いです。
  • 行政への相談:お住まいの地域の市町村役場や法律相談窓口などに相談することで、無料または低料金で法律相談を受けることができます。相続や家財道具の管理に関する相談に対応してくれる可能性があります。

専門家の視点:相続放棄と財産管理

相続専門の弁護士や司法書士は、相続放棄の手続きや相続財産の管理に関する豊富な知識と経験を持っています。彼らに相談することで、状況に最適な解決策を提案してもらい、安心して手続きを進めることができます。特に、高齢の大家さんとの交渉や、家財道具の処分に関する法的リスクを回避するためには、専門家のアドバイスが不可欠です。

具体的な手順と注意点

1. **大家さんとの交渉記録を残す:** 日付、時間、内容を詳細に記録し、できれば録音・録画も検討しましょう。
2. **家財道具のリストを作成:** 写真付きで、価値のあるものから順にリスト化し、保管場所を明確にしましょう。
3. **相続放棄申述書提出後も、定期的に大家さんと連絡を取り合う:** 手続きの進捗状況を伝え、理解を得る努力を継続しましょう。
4. **専門家への相談:** 状況を説明し、適切なアドバイスを受けましょう。

相続放棄は、期限内に手続きを完了することが非常に重要です。 手続きが遅れると、相続財産の管理責任が継続し、かえって負担が増える可能性があります。

まとめ

相続放棄と家財道具の管理は、複雑で困難な問題です。しかし、適切な対応と専門家のサポートを受けることで、解決への道筋を見つけることができます。焦らず、一つずつ問題に対処し、安心して手続きを進めていきましょう。

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