相続放棄された物件の遺品処分費用請求について

相続放棄申述受理証明書が郵送されてきました。部屋の遺品処分代だけは支払っていただきたいのですが。。。お部屋を貸していた1人住まいのおばあさんが亡くなりました。そのおばあさんには、離婚して父方に引き取られた娘さんがいることが判明し、その娘さんにご遺体を引き取っていただきました。(きいたところ、7年ほど前からそのおばあさんと何の連絡も取り合っていなかったとのことでした)その後、その娘さんからはなんの連絡もなく、こちらから何度か電話するも出ることもありませんでした。「久しぶりに再会したのが、母親の死ということで動揺しているのだろう。。。」くらいに思い、娘さんからの連絡を待っておりました。そして死亡してから45日が過ぎた頃、突然その娘さんから郵送で「相続放棄申述受理証明書」が送付されてきました。「ご不便をおかけいたしますが、よろしくお願い致します」というような丁寧な文面のお手紙を同封されておりました。正直な話、亡くなる数ヶ月前より家賃の滞納もあったのですが、その家賃滞納分を娘さんに支払ってもらおうとは一切思っておりません。ですが、せめて部屋の遺品処分代くらいは支払っていただきたいのですが、法律的に可能なんでしょうか?※リフォーム代などは私どもで負担いたします。皆さまのご意見、聞かせていただければと思います。追記:そのおばあさんには身内となる方はその娘さん1人しかおりません。また、連帯保証人も現時点で存命しておりません。

相続放棄と遺品処分費用の請求:法律的な観点

相続放棄とは、相続人が相続開始があったことを知った時から3ヶ月以内に家庭裁判所に申述することで、相続財産の一切を放棄できる制度です。 ご質問の場合、娘さんが相続放棄をされたことで、おばあさんの債権・債務は、娘さんには一切移転しません。つまり、家賃滞納分はもちろん、遺品処分費用についても、娘さんに請求することは法律上できません

相続放棄の申述が受理された以上、娘さんはおばあさんの債務を負う義務がありません。これは、民法の規定に基づくものであり、裁判所によって正式に認められた事実です。 そのため、遺品処分費用を請求することは、残念ながら不可能です。

遺品処分費用の負担:現実的な解決策

では、遺品処分費用はどうすれば良いのでしょうか? 残念ながら、相続人が相続放棄した場合、費用負担は基本的に家主であるあなたが負うことになります。 これは、賃貸借契約に基づく責任であり、物件の管理責任は家主にあるからです。

しかし、完全に諦める必要はありません。いくつか現実的な解決策を検討してみましょう。

1. 遺品整理業者との交渉

遺品整理業者に依頼する際には、見積もりを複数社から取ることを強くお勧めします。 業者によって料金体系やサービス内容が大きく異なるため、比較検討することで費用を抑えることができます。 また、遺品の価値によっては、買取をしてもらえる可能性もあります。 不要な遺品を処分するだけでなく、費用の一部を回収できるかもしれません。

2. 賃貸借契約書の確認

賃貸借契約書に、「原状回復義務」に関する条項がないか確認してみましょう。 もし、原状回復義務に関する具体的な記述があり、かつ、その範囲内に遺品整理費用が含まれると解釈できる場合、費用の一部を負担してもらえる可能性があります。 ただし、この解釈は非常に難しい場合が多く、弁護士などの専門家に相談することをお勧めします。

3. 保険の活用

家主に加入している火災保険賃貸総合保険などに、遺品整理費用に関する補償が含まれている可能性があります。 保険証券をよく確認し、該当する補償があれば、保険会社に相談してみましょう。

4. 滞納家賃との相殺

家賃滞納分と遺品処分費用を相殺することは、法律上できません。 しかし、交渉次第では、娘さんが相続放棄したとはいえ、道義的な責任を感じて、一部負担してくれる可能性もゼロではありません。 ただし、期待しすぎず、あくまで交渉の余地として考えておきましょう。

専門家への相談

相続や賃貸借契約に関する法律的な問題については、弁護士や司法書士に相談することを強くお勧めします。 専門家のアドバイスを受けることで、最適な解決策を見つけることができるでしょう。 特に、賃貸借契約書の内容や、原状回復義務に関する解釈など、複雑な問題については、専門家の意見が不可欠です。

まとめ:グレーゾーンの対応

相続放棄された場合の遺品処分費用負担は、法律上家主が負担するのが一般的です。 しかし、遺品整理業者との交渉、賃貸借契約書の確認、保険の活用など、費用を軽減するための手段はあります。 また、専門家への相談も有効な手段です。 今回のケースは、法律的に明確な答えがないグレーゾーンです。 冷静に状況を判断し、適切な対応を検討することが重要です。 焦らず、一つずつ解決策を探っていくことで、最善の結果を得られる可能性が高まります。

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