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盛岡の気候とローコスト住宅の結露問題
盛岡市は、冬期間の厳しい寒さと多湿な気候が特徴です。特に、内陸部であるため、気温差が激しく、結露が発生しやすい環境と言えます。ローコスト住宅では、断熱性能や窓の性能が価格を抑えるために、高価格帯の住宅と比べて劣る場合があります。そのため、結露問題が発生しやすい傾向があります。 今回のケースでは、二階部屋の結露が深刻な状況で、窓に氷が張るほどです。これは、通常の状況ではありません。
結露の原因究明:室温、湿度、換気、窓の性能
ご質問の状況を整理すると、以下の点が考えられます。
* **室温差:** 一階と二階で室温に大きな差がある(一階22~23℃、二階15~17℃)。これは、熱が上に逃げる性質と、二階の蓄熱暖房の設定温度が低いことによるものと考えられます。
* **湿度:** 二階個室の湿度は30~40%と低めですが、窓付近の湿度は60%後半~90%と非常に高い。これは、室内の暖かい空気が窓ガラスで冷やされ、水滴となる結露現象を示しています。
* **換気:** 換気状況が不明ですが、十分な換気が行われていない可能性があります。特に、個室のドアを閉めている状態では、空気の循環が悪くなり、結露しやすくなります。
* **窓の性能:** トステムのサーモスHは、比較的性能の良い窓ですが、設置状況や施工不良、あるいは他の部位の断熱性能とのバランスが悪ければ、結露が発生する可能性があります。特に、窓枠周辺の気密性が低いと、結露が発生しやすくなります。
* **洗濯物の乾燥:** 2階ベランダの手前で洗濯物を干していること。湿気が発生し、それが個室に流れ込んでいる可能性があります。
窓の性能に関する疑問への回答
「窓の性能に問題があるとするならば、家全体の窓に結露が生じるのでは?」というご質問についてですが、必ずしもそうとは限りません。結露の発生は、室温、湿度、空気の流れ、窓の性能、そして窓周辺の断熱状況など、複数の要因が複雑に絡み合って起こります。 今回のケースでは、二階と一階の室温差が大きく、二階の窓周辺の湿度が極端に高くなっていることから、窓の性能の問題だけでなく、室温管理や換気の問題も大きく影響していると考えられます。 つまり、特定の部屋に結露が集中しているのは、その部屋特有の条件(例えば、外壁との接触、窓の配置、空気の流れなど)が結露を促進している可能性が高いということです。
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具体的な対策とアドバイス
以下の対策を試みてください。
1. 二階の室温を上げる
蓄熱暖房の設定温度を70~80%に上げて、二階の室温を少なくとも18℃以上に保ちましょう。室温差を小さくすることで、結露を抑制する効果が期待できます。
2. 換気を改善する
* **窓の開閉:** 1日に数回、窓を開けて換気をしましょう。特に朝と夜に行うと効果的です。
* **24時間換気システムの確認:** 24時間換気システムが正しく機能しているか確認し、必要に応じてフィルターの清掃やメンテナンスを行いましょう。
* **ドアの開放:** 個室のドアを時々開けて、空気の循環を良くしましょう。
3. 除湿対策
* **除湿機:** 二階に除湿機を設置することを検討しましょう。特に、結露が酷い部屋に設置すると効果的です。
* **換気扇:** 浴室やキッチンなどの換気扇をこまめに使用し、湿気を排出しましょう。
* **洗濯物の干し方:** 洗濯物を室内で干す場合は、浴室乾燥機を使用するか、扇風機などで乾燥を促進しましょう。ベランダで干す場合は、風の通りが良い場所に干すことが重要です。
4. 窓の断熱対策
* **窓ガラスフィルム:** 窓ガラスに断熱効果のあるフィルムを貼ることで、結露を抑制する効果が期待できます。
* **カーテン:** 厚手のカーテンを使用することで、窓からの熱の逃げを防ぎ、結露を抑制する効果があります。
* **窓枠の隙間埋め:** 窓枠と壁の間に隙間があれば、隙間テープなどで塞ぎましょう。
5. 専門家への相談
HMやサッシ屋さんに再度相談し、状況を詳しく説明しましょう。必要に応じて、専門業者による調査や対策を検討しましょう。 結露は住宅の性能に問題がある場合もありますので、HMにクレームを申し立てることも検討しましょう。
専門家の視点:建築士からのアドバイス
建築士の視点から見ると、今回の結露問題は、室温差、湿度、換気、窓の性能、そしてそれらの相互作用が複雑に絡み合った結果であると考えられます。 サーモスHは高性能サッシですが、それだけでは十分でないケースもあります。 特に、外壁の断熱性能が低い場合、窓の性能がいくら高くても、結露が発生する可能性があります。 そのため、HMに断熱性能に関する資料の開示を求め、必要であれば、専門家による住宅診断を依頼することをお勧めします。
まとめ
結露問題は、快適な住環境を大きく損なう問題です。 上記の対策を一つずつ試しながら、状況を改善していきましょう。 それでも改善が見られない場合は、専門家への相談を検討することをお勧めします。 ご自身の努力と専門家の知見を組み合わせることで、快適な住まいを実現できるはずです。