病院健診部門更衣室の居室扱いと建築基準法:改修案と代替案

居室に関する定義の質問です。 病院の健診部門における更衣室のドアを鍵付きにしたら、居室扱いだと建築指導課から指導されました。更衣室は室扱いではないのでしょうか? 質問内容の追記を致します。 更衣室はスチールパーテーションとし高さは2000mmです。上部は排煙目的時の風洞目的のためH=500mm欄間部を開放にしております(天井仕上げ高さCH=2500です)。 居室扱いということで具体的な指導は ①開放になっている欄間部分を塞ぐ。構造は不燃材もしくは網入りガラス。 ②排煙開口が無いので、設備排煙を要求されています。 CT・レントゲン等の検査のための更衣が使用目的です。 更衣室は合計3室 時間にして5分/人程度の入れ替わり 一日で3部屋合計で最大30人~40人程度にて計画してます。 個人的な考えでは ①にすることで排煙窓の面積が狭くなります。(更衣室を経由し排煙窓H=500の半分がかかっており、上部の開放をなくすと排煙面積が狭くなる。 ②排煙設備が設けられなければ、煙感知器ではだめなのか? と考えております。

更衣室が「居室」と判断された理由

建築基準法では、「居室」の明確な定義は定められていませんが、一般的に人が一定時間滞在し、休息や着替えなどを行う空間を指します。今回のケースでは、鍵付きの更衣室がCT・レントゲン検査のための着替えに使用されることから、一定時間以上人が滞在する空間と判断され、「居室」とみなされたと考えられます。 スチールパーテーションであっても、一定のプライバシーが確保され、人が休息・着替えを行う空間であることが、居室扱いと判断された要因です。高さ2000mmのパーテーションに、さらに500mmの開放部がある状態では、完全に独立した空間とはみなされず、建築基準法上の解釈によっては居室として扱われる可能性があります。

建築指導課からの指導内容への対応策

建築指導課からの指導内容である①と②について、それぞれ具体的な対応策を検討します。

① 欄間部分の閉鎖

欄間部分の開放を塞ぐことは、排煙経路の縮小につながるため、代替案を検討する必要があります。

* 不燃材または網入りガラスによる閉鎖:指導どおり、不燃材や網入りガラスで欄間を塞ぐのが最も確実な方法です。しかし、これによって排煙経路が狭くなるという懸念は妥当です。 塞ぐ前に、建築基準法に準拠した排煙計画の見直しを行い、十分な排煙能力を確保できるか確認することが重要です。専門の建築士や消防設備士に相談し、適切な設計変更を行うことを強く推奨します。

* 代替案:より広い排煙開口の確保:現状の排煙開口が不足している可能性があります。欄間を塞ぐ代わりに、別の場所に、より広い排煙開口を設けることを検討しましょう。既存の建築構造や周辺環境を考慮し、適切な場所とサイズを専門家に相談して決定する必要があります。

② 設備排煙の設置

設備排煙は、自然排煙だけでは不十分な場合に必要となる、機械的な排煙システムです。

* 設備排煙システムの導入:これは、費用がかかりますが、安全性を確保する上で最も確実な方法です。システムの選定、設置場所、メンテナンスなどを考慮し、専門業者に相談して計画を立てましょう。

* 煙感知器だけでは不十分:煙感知器は火災の早期発見に役立ちますが、排煙を促進するものではありません。居室とみなされた以上、設備排煙システムの設置が求められる可能性が高いです。

更衣室の設計見直しと改善点

現状の更衣室設計を再検討し、建築基準法に適合させ、かつ実用的な空間とするための改善点を提案します。

更衣室の設計変更

* パーテーションの材質と高さ:スチールパーテーションの代わりに、不燃性の素材を使用し、天井まで届く高さにすることで、より独立した空間を形成し、「居室」とみなされる可能性を減らすことができます。

* 換気システムの導入:更衣室内の換気を改善することで、室内の空気を常に新鮮に保ち、火災時の煙の滞留を防ぐことができます。

* 避難経路の確保:更衣室から避難経路へのアクセスを容易にし、緊急時でもスムーズに避難できるよう設計する必要があります。

専門家への相談

建築基準法の解釈や適切な改修方法については、建築士や消防設備士などの専門家に相談することが重要です。彼らは、法令に基づいた適切なアドバイスと設計変更案を提供し、安全で快適な空間を実現するお手伝いをしてくれます。

まとめ:安全と法令遵守の両立

病院の健診部門における更衣室の設計は、利用者の安全と建築基準法の遵守の両立が不可欠です。建築指導課からの指導を真摯に受け止め、専門家のアドバイスを参考に、適切な改修計画を立て、安全で快適な更衣室を実現しましょう。 今回のケースでは、排煙計画の再検討と、設備排煙システムの導入が重要なポイントとなります。 費用はかかりますが、利用者の安全を確保し、法令遵守を実現するためには、必要な投資です。

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