畳を綺麗にしたいけれど、以前の経験から化学物質による不快感が心配…というお気持ち、よく分かります。 新畳の特有の臭いや刺激で、鼻や目がチクチクしたり、痛んだりするのは、接着剤や畳表の加工処理に使われている化学物質が原因であることが多いです。 しかし、ご安心ください。 そのような症状を防ぐ表替え方法はあります。今回は、健康に配慮した畳表替えについて、詳しく解説します。
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畳の臭いの原因と健康への影響
畳の臭いの主な原因は、畳表の接着剤や、畳表そのものの加工処理に使われる化学物質です。 これらの化学物質には、ホルムアルデヒドやトルエン、キシレンなど、人体に悪影響を与える可能性のあるものが含まれている場合があります。 これらの物質を吸い込むことで、鼻や目の刺激、頭痛、吐き気、ぜんそくの発作などの症状を引き起こす可能性があります。特に、小さなお子さんや、喘息などの呼吸器系の疾患をお持ちの方には注意が必要です。
シックハウス症候群との関連
新築住宅やリフォーム直後などに、これらの化学物質によって引き起こされる健康被害を「シックハウス症候群」と呼びます。 畳も、シックハウス症候群の原因となる可能性があるため、素材選びには十分な注意が必要です。
健康に配慮した畳表替えの方法
では、どのようにすれば、鼻や目の不快感を伴わずに、綺麗に畳を張り替えられるのでしょうか? ポイントは、以下の3点です。
1. 天然素材の畳表を選ぶ
最も重要なのは、畳表の素材です。 化学物質を多く含む合成樹脂製の畳表ではなく、天然素材のい草を選びましょう。 い草は、自然の香りでリラックス効果も期待でき、化学物質の心配も少なく、呼吸器への負担も軽減されます。 い草の品質にも違いがありますので、産地や品質表示を確認し、信頼できる業者から購入することが大切です。 例えば、熊本県八代産のい草は品質が高いことで知られています。
2. 接着剤に配慮する
畳表を畳床に接着する際に使用する接着剤も重要です。 ホルムアルデヒドなどの有害物質をほとんど含まない、ホルムアルデヒド放散量が少ない接着剤を使用している業者を選びましょう。 業者に使用する接着剤の種類を尋ね、資料などを提示してもらうと安心です。 近年では、環境に配慮した接着剤が普及してきています。
3. 換気をしっかり行う
表替え後、部屋の換気を十分に行うことも重要です。 窓を開け放ち、扇風機や空気清浄機などを活用して、室内の空気を循環させましょう。 特に、梅雨時期や冬場など、換気が難しい時期は、より注意が必要です。 数日間は、こまめな換気を心がけ、化学物質をできるだけ早く拡散させることが大切です。
畳表替え業者選びのポイント
安心して表替えを依頼するためには、業者選びも重要です。 以下の点をチェックしましょう。
1. 経験と実績
長年の経験と実績を持つ業者を選びましょう。 ホームページや口コミサイトなどで、業者の評判を確認するのも良い方法です。
2. 使用する材料の説明
使用する畳表や接着剤について、きちんと説明してくれる業者を選びましょう。 材料の産地や品質、安全性に関する情報などを確認し、納得してから契約しましょう。
3. 費用と保証
費用や保証内容についても、事前に確認しておきましょう。 不透明な料金体系の業者には注意が必要です。
4. アフターサービス
アフターサービスについても確認しておきましょう。 何か問題が発生した場合でも、迅速に対応してくれる業者を選びましょう。
具体的な事例:アレルギー体質の家族が安心して暮らせる畳へ
私の知人は、アトピー性皮膚炎を持つお子さんのために、畳の表替えを検討していました。 複数の業者に相談した結果、天然い草を使用し、ホルムアルデヒド放散量の少ない接着剤を使用する業者を選びました。 表替え後、お子さんの肌の状態に変化はなく、安心して暮らせるようになりました。 この事例からも分かるように、素材選びと業者選びが非常に重要です。
専門家のアドバイス:インテリアコーディネーターの視点
インテリアコーディネーターの視点から見ると、畳の表替えは、単なる修繕ではなく、空間全体の雰囲気を変える大きなチャンスです。 天然素材のい草は、ベージュやアイボリーなど、様々な色合いのものがあります。 お部屋のインテリアに合わせて、最適な色を選ぶことで、より快適で美しい空間を演出できます。 例えば、ベージュの畳は、どんなインテリアにも合わせやすく、落ち着いた雰囲気を演出します。
まとめ
畳の表替えで、鼻や目の不快感を防ぐためには、天然素材のい草を使用し、ホルムアルデヒド放散量の少ない接着剤を使用する業者を選ぶことが重要です。 また、表替え後には、十分な換気を心がけましょう。 信頼できる業者を選び、快適で健康的な空間を実現してください。