生活保護受給者である高齢者の連帯保証人責任と自己破産について

知人の事で相談します。生活保護者の知り合い(老人)が、七年ほど前に娘さんの借りた部屋の連帯保証人になっていたのですが、娘さんがその部屋で亡くなり大家さんが滞納家賃や部屋のリフォーム代を保証人である知人(娘さんの父親)に請求しています。生活保護者であり、収入も貯金も無いため支払うことは不可能です。大家さんは、払わないと裁判を起こすといっています。娘さんの部屋にあった賃貸契約書を確認すると、確かに連帯保証人の欄には父親の名前があるのですが、娘さんの字で名前が書かれており、父親は連帯保証人になった記憶が無いとのことです。(認知症の気があると医者に言われています)大家さんは「印鑑証明もある」と言っているので、父親には記憶が無いけれど電話確認印鑑証明などの保証人の確認を、娘さんに言われるがままにやったのだと思います。生活保護を受け始めたのがいつ頃か不明なのですが、だいたい保証人になった時期と同じ時期くらいらしいです。こういった状況で、困っているのですが、どなたが知恵をください。相続放棄はさせるつもりです。そのあとも保証人の責任が残りますが、これを逃れるには「自己破産をする」でいいのでしょうか?父親は最近、住んでいる借地の支払いを滞納していて分割の話し合いなどをしていたのですが、自己破産してもそちらには何も影響は無いのでしょうか?父親には息子もいますが、そちらは娘さんの債務を一切支払う気は無く父親に続いて相続放棄の手続きをします。

1.状況の整理と問題点

ご友人のお父様は、娘さんの賃貸借契約の連帯保証人となり、娘さんの死亡後に家賃滞納とリフォーム費用を請求されています。ご本人は生活保護受給中で支払い能力がなく、認知症の疑いもある状況です。さらに、借地代金の滞納も抱えているため、自己破産による解決を検討されています。

主な問題点は以下の3点です。

  • 連帯保証人としての責任:生活保護受給者であっても、連帯保証人としての法的責任は免れません。
  • 認知症の疑い:契約時の意思能力の有無が、法的責任に影響する可能性があります。
  • 自己破産の可否と影響範囲:自己破産が借地問題に影響するか、そして、それが適切な解決策であるか。

2.相続放棄と自己破産の検討

まず、相続放棄は、娘さんの債務を相続しないための手続きです。相続放棄が認められれば、娘さんの債務はご友人のお父様に降りかかってきません。しかし、相続放棄は、連帯保証人としての責任からは解放されません。連帯保証債務は相続財産とは別個に存在するからです。

自己破産は、債務超過の状態にある個人が、裁判所に申し立てを行い、債務を免除される手続きです。自己破産が認められれば、多くの債務から解放されますが、例外もあります。

自己破産による解決の可能性と注意点

ご友人のお父様のケースでは、自己破産が有効な解決策となる可能性はあります。しかし、自己破産には以下の注意点があります。

  • 免責不許可事由:故意または重大な過失による債務、ギャンブルや浪費による債務などは免責が認められない場合があります。今回のケースでは、ご友人のお父様は認知症の疑いがあるため、意思能力の有無が争点となる可能性があります。弁護士に相談し、適切な主張をすることが重要です。
  • 手続きの複雑さ:自己破産手続きは複雑で、専門知識が必要です。弁護士などの専門家のサポートが不可欠です。
  • 信用情報への影響:自己破産は信用情報に記録され、一定期間、融資やクレジットカードの利用が制限されます。将来的に生活に支障をきたす可能性も考慮する必要があります。
  • 借地問題への影響:自己破産は、借地契約には直接影響を与えません。しかし、借地権は所有権とは別物であり、自己破産手続きの中で、借地契約の継続や解除について裁判所と協議する必要が出てくる可能性があります。分割払いでの交渉が難しくなる可能性はあります。

3.弁護士への相談が必須

現状では、ご友人のお父様の状況を正確に把握し、最適な解決策を導き出すためには、弁護士への相談が不可欠です。弁護士は、ご友人のお父様の認知症の疑い、生活保護受給状況、契約時の状況などを精査し、法的責任の有無、自己破産の可否、手続きの方法などをアドバイスしてくれます。

弁護士選びのポイント

弁護士を選ぶ際には、以下の点を考慮しましょう。

  • 債務整理の経験:自己破産や債務整理に豊富な経験を持つ弁護士を選びましょう。
  • 高齢者への対応:高齢者の事情に理解があり、丁寧に説明してくれる弁護士を選びましょう。
  • 相談料:初回相談料が無料または低額な弁護士もいます。

4.具体的な行動ステップ

1. 弁護士への相談:まずは、債務整理に強い弁護士に相談しましょう。相談の際に、賃貸契約書、印鑑証明書、医療機関からの診断書など、関連するすべての書類を持参しましょう。
2. 証拠集め:弁護士の指示に従い、契約時の状況を証明する証拠を集めましょう。例えば、娘さんとの通話記録、娘さんの日記などです。
3. 相続放棄手続き:弁護士のアドバイスに従い、相続放棄の手続きを行いましょう。
4. 自己破産手続き(必要に応じて):弁護士の判断に基づき、自己破産の手続きを進めましょう。
5. 借地問題への対応:自己破産手続きと並行して、借地問題についても弁護士に相談し、解決策を探りましょう。

5.専門家の視点

弁護士だけでなく、司法書士や社会福祉士などの専門家も、状況に応じて相談相手として有効です。司法書士は、自己破産手続きの書類作成などをサポートしてくれます。社会福祉士は、生活保護制度に関する相談に乗ってくれます。

6.まとめ

ご友人のお父様の状況は複雑で、自己判断で解決するのは困難です。必ず弁護士などの専門家に相談し、適切なアドバイスを受けてください。早めの行動が、状況の改善につながります。

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