特別養護老人ホームにおける80代女性利用者への安心できるケアプラン作成

特養で介護職員として働いています。ケアプランの作成で悩んでいます。担当の利用者は80代女性です。入所3年程になります。ADLはほぼ自立。入所以来数回転倒があった為、車いすを使用していますが、短距離の歩行は可能です。軽度の認知があり、物忘れ等が段々と顕著に見られるようになってきています。物取られ妄想、部屋を荒らされた、洗濯物が返ってこない、そこから入浴拒否も見られます。感情の振り幅が大きく、機嫌の良い時は良いのですが何かのきっかけで不穏状態になってしまいます。自分で部屋を片づけているつもりでいじり、荒らされたと訴えたり、しまったはずの所に物がなくて取られたという訴えがよく聞かれます。不穏状態になるとこちらの話を聞く耳を持てず、うるさい!あっちにいけ!と怒鳴られてしまいます。居室のドアを叩き付けるように閉めたり、他利用者に軽く手をあげる姿も見られます。ご家族に理解はあり、週末には面会に来てくださり外に連れ出してくれたりとしてくれています。それでも帰ってしばらくすると何かしらで不穏になってしまいます。最近では丸一日落ち着いて生活することが難しいです。彼女の頭の中も混乱しているし、さみしい、構ってほしいという気持ちも感じます。けれど職員間で厄介な人と思われ、さわらぬ神に祟りなし、といった感じに避けられてしまっています。安心して不安感なく生活していただけるケアプランをたてたいのですが、何かいいアイディアはないでしょうか。また、ケアプランにあげる以外に職員間で出来ることはないでしょうか。情報不足だとは思いますが、よろしくお願いいたします。

1. 利用者の状況把握と課題の整理

80代女性、ADLほぼ自立、軽度認知症、転倒歴あり、物忘れ、物取られ妄想、入浴拒否、感情の起伏が激しい、不穏状態になりやすい、職員からの避けられ感…これらの状況を踏まえ、ケアプラン作成における課題を整理します。

* 認知症状による不安定な状態の改善:物忘れ、物取られ妄想、入浴拒否などは、認知症による不安や混乱が原因と考えられます。
* 不穏状態の抑制と対応:怒鳴ったり、ドアを叩きつけたりする行動は、周囲への安全確保と、利用者自身の精神的負担軽減が課題です。
* 職員間の連携強化:利用者を「厄介な人」と捉えるのではなく、チームとしてサポート体制を構築することが重要です。
* 居室環境の改善:居室環境が利用者の不安を増幅させている可能性があります。

2. 安心できるケアプランのポイント

2-1. 認知症への対応

* 安心できる環境づくり:居室は、明るく、清潔で、整理整頓された状態を保ちましょう。見やすいように、必要な物だけを出し、分かりやすい場所に収納します。大きな時計やカレンダーを置くことで、時間や曜日の把握を助けます。
* 生活リズムの安定規則正しい生活リズムを作ることで、認知症状の悪化を防ぎます。起床時間、食事時間、入浴時間、就寝時間を決め、可能な限り毎日同じ時間に行うようにします。
* 個別対応:利用者の個性や好みに合わせた対応が必要です。好きな音楽を聴かせたり、写真を見せたりするなど、リラックスできる工夫をしましょう。
* コミュニケーションの工夫ゆっくりと、優しく、分かりやすい言葉で話しかけることが重要です。相手の目を見て、表情を見ながら話すように心がけましょう。
* 現実療法:物取られ妄想に対しては、「どこに置いたか一緒に探してみましょう」と共感し、一緒に探すことで安心感を与えます。ただし、無理強いはせず、利用者のペースに合わせて進めます。

2-2. 不穏状態への対応

* 早期発見と対応:不穏状態になる兆候(落ち着きがない、表情が険しくなるなど)を早期に察知し、声かけや、軽いマッサージなどで落ち着かせます。
* 環境調整:騒音や刺激を避け、静かな環境を提供します。
* 代替行動の提示:怒鳴ったり、物を投げたりする代わりに、折り紙や編み物など、手の動きを伴う作業を提案します。
* 緊急時の対応:不穏状態が激しくなった場合は、他の職員に助けを求め、安全確保を優先します。

2-3. 職員間の連携強化

* 情報共有:利用者の状態や対応について、職員間で情報を共有することが重要です。日誌や記録を丁寧に記入し、共有しましょう。
* チームミーティング:定期的にチームミーティングを行い、ケアプランの見直しや、職員間の意見交換を行います。
* 役割分担:各職員が役割を分担することで、負担を軽減し、連携をスムーズに行えます。
* 研修:認知症ケアに関する研修に参加し、知識・スキルを向上させましょう。

2-4. 居室環境の改善

* 色使い:落ち着いた色調のインテリアを選びましょう。ベージュやアイボリーなどの暖色系は、リラックス効果があります。
* 照明明るすぎず、暗すぎない適切な明るさの照明を選びましょう。
* 家具の配置動きやすいように、家具の配置を工夫しましょう。
* 整理整頓物が散らからないように、整理整頓を心がけましょう。

3. ケアプラン以外に職員間でできること

* 個別対応の工夫:利用者の好きなこと、得意なこと、興味のあることを把握し、個別対応を心がけましょう。
* 共感と傾聴:利用者の気持ちに寄り添い、共感と傾聴を心がけましょう。「つらいね」「大変だったね」と共感する言葉をかけることで、安心感を与えられます。
* 積極的な関わり:利用者を避けずに、積極的に関わることが重要です。散歩やレクリエーションに誘ったり、一緒に話をしたりすることで、孤独感を軽減できます。
* 褒める:小さなことでも、褒めることで、利用者の自信を高めることができます。
* 感謝の言葉:利用者や家族への感謝の気持ちを伝えることで、良好な関係を築くことができます。

4. 専門家の活用

必要に応じて、精神科医やケアマネージャー、作業療法士などの専門家の協力を得ることも検討しましょう。

5. まとめ

80代女性利用者のケアプラン作成においては、認知症状への対応、不穏状態の抑制、職員間の連携強化、居室環境の改善が重要です。これらの点を踏まえ、利用者の安心安全を第一に考え、個々の状況に合わせた柔軟な対応を心がけましょう。職員間の連携を強化し、チームとしてサポートすることで、利用者の生活の質を向上させることができます。ベージュを基調とした落ち着いた空間づくりも、安心感を与える上で有効です。

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