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火災保険における煤被害の補償について
マンション火災による煤被害、そして保険会社とのやり取りで不安を感じられているとのこと、お気持ちお察しします。火災保険は、火災による直接的な損害だけでなく、その結果生じた間接的な損害も補償対象となるケースが多いです。煤による被害も、その一つに該当する可能性が高いです。しかし、保険会社は「拭けば使える」と判断する可能性も否定できません。そのため、適切な対応と主張が重要になります。
保険会社が「拭けば使える」と主張する理由
保険会社が「拭けば使える」と主張するのは、保険金の不正請求を防ぐためです。軽微な汚れであれば、クリーニングで修復できるため、全損扱いとする必要がないと判断するからです。しかし、ご質問の場合、煤が部屋全体に回っており、お子様もいらっしゃる状況では、健康面への影響も懸念されます。単なる汚れではなく、健康被害のリスクを伴う「生活環境の悪化」と捉えるべきです。
全損扱いと認めさせるための具体的な対策
保険金請求において、重要なのは証拠です。見た目だけでは判断されないよう、以下の点を意識しましょう。
1. 証拠写真の追加撮影と専門家の意見
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追加撮影のポイント
- 煤の付着状況がわかるよう、様々な角度から撮影する
- 特に、拭いても取れない煤の汚れ、家具の裏側、壁の内部など、普段は見えない部分も撮影する
- お子様の健康被害を懸念する点を強調できる写真(例えば、足の裏の汚れなど)も撮影する
- 撮影日時を記録し、写真の信頼性を高める
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専門家の意見の重要性
- 清掃業者や、環境衛生の専門家に依頼し、煤による健康被害のリスクや、清掃費用、そして完全な清掃が不可能である旨の報告書を作成してもらう
- 専門家の意見書は、保険会社への交渉において非常に強い証拠となります
2. 具体的な被害状況の明確化
単に「煤が付着した」と伝えるのではなく、具体的な被害状況を詳細に記述します。
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被害箇所の特定
- 壁、天井、床、家具、家電製品など、煤が付着した箇所を全てリストアップする
- それぞれの箇所の被害状況を写真付きで詳細に説明する
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清掃を試みた事実と限界
- 既に清掃を試みたこと、そしてその限界を明確に示す
- 清掃にかかった時間や費用も記録しておく
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健康被害への懸念
- 小さなお子様がいることを強調し、健康被害への懸念を訴える
- 具体的な症状があれば、医師の診断書などを提出する
3. 保険会社との交渉
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冷静な対応
- 感情的にならず、冷静に事実を説明する
- 専門家の意見書や写真などの証拠を提示する
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書面でのやり取り
- 電話でのやり取りだけでなく、重要なことは書面で残す
- 内容証明郵便を利用することで、証拠として有効となります
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必要であれば弁護士に相談
- 交渉が難航する場合は、弁護士に相談することを検討する
事例:煤被害による全損扱いの事例
過去には、マンション火災で部屋全体に煤が付着し、徹底的な清掃を行っても除去できないケースで、全損扱いと認められた事例があります。この事例では、専門家の調査報告書と詳細な写真、そして健康被害への懸念が認められたことが、保険金支払いの決め手となりました。
まとめ:諦めずに粘り強く交渉を
火災による煤被害は、見た目だけでは判断できない複雑な問題です。証拠をしっかりと準備し、冷静に、そして粘り強く保険会社と交渉することが重要です。専門家の意見を積極的に取り入れることで、より有利な交渉を進めることができます。諦めずに、ご自身の権利を主張してください。