法定地上権のある競売物件購入と土地分筆に関するQ&A

法定地上権のある物件について 共同住宅の競売物件で土地約300坪の一部に売却対象外(平屋の一軒家)の建物があり、法定地上権が成立していると記載があります。所有者の亡父の名義の建物で現在は競売物件の所有者が第三者に賃貸しています。この建物は土地の端の部分にあり、面している道から5Mほど奥にあります。 質問が5点あります。 ①この競売物件の所有者は亡父から相続したと記載がありました。売却対象外の物件についての話し合いは、亡父のご子息で現在の競売物件の所有者とでいいのでしょうか。現在の家族構成は不明です ②法定地上権のある土地区分はどの程度になりますか。希望は必要最小限として、人が通れる建物まで歩道、建物が建っている部分です。(図の斜め部分) ③法定地上権の区分けが売却対象外の所有者(ご子息?)と合意できた場合、その土地を分筆して共同住宅のある土地と完全に分けたいと考えていますが可能でしょうか。その場合、どのような契約を結べばいいですか。 ④売却対象外(平屋の一軒家)の建物はかなり古いものですが、建て替えは自由なのでしょうか。 ⑤現在共同住宅には6部屋中5部屋に入居中です。希望の方とは以前結ばれていた条件での賃貸契約を結びたいと思います。(現在は「賃貸権は抵当権に後れる。ただし代金納入付日から6ヶ月間引き渡しが猶予される。または、賃貸権は差し押さえ後に期限が経過している」という状態です)不動産屋に管理、手続きを依頼する予定です。なにか注意点はあるでしょうか。 ⑥一番の希望は売却対象外物件を売却してもらう事ですが、現在は現所有者の亡父名義となっています。いったん名義を第三者(現所有者など)に変更後の売買となるのでしょうか。 以上5点が質問ですが、何か気になる点がありましたら合わせてご指導お願いします。

法定地上権と競売物件購入に関する疑問点への回答

競売物件の購入、特に法定地上権が絡むケースは複雑で、専門家のアドバイスが不可欠です。以下、質問への回答と注意点、具体的なアドバイスを提示します。

① 相続人との交渉について

競売物件の所有者が亡父から相続したと記載されている場合、売却対象外の物件(平屋の一軒家)に関する話し合いは、相続人全員と行う必要があります。相続人の特定は、戸籍謄本などの公的書類を確認することで可能です。所有者とされるご子息以外にも相続人がいる可能性があり、全員の同意を得なければ、法定地上権の処理や土地の分筆は困難です。不動産会社や弁護士に相談し、相続人の特定と交渉を進めることを強くお勧めします。

② 法定地上権の範囲について

法定地上権の範囲は、建物の存続に必要な最小限の土地とされています。具体的には、建物の占有部分と、その建物の利用に必要な通路部分などが含まれます。質問にある図の斜め部分も、建物の利用に必要であれば法定地上権の範囲に含まれる可能性があります。しかし、その範囲は裁判例や具体的な状況によって異なり、専門家(測量士や弁護士)による判断が必要です。

③ 土地の分筆について

法定地上権の範囲が確定し、売却対象外の所有者と合意できれば、土地の分筆は可能です。分筆には、測量を行い、登記手続きを行う必要があります。契約としては、土地の境界確定に関する合意書分筆登記に関する委任状などを締結する必要があります。この手続きは複雑なため、不動産会社や司法書士に依頼することをお勧めします。

④ 建物の建て替えについて

法定地上権が設定されている場合、建て替えは原則として自由ではありません。建て替えを行うには、地主(共同住宅の土地の所有者)の同意が必要となります。ただし、建物の老朽化が著しい場合などは、地主の同意を得られる可能性もあります。この点についても、弁護士に相談し、法的な手続きを踏まえる必要があります。

⑤ 賃貸契約に関する注意点

競売物件の賃貸借契約は、競売手続きの影響を受ける可能性があります。競売開始決定後、賃貸借契約は抵当権に劣後するため、競売によって賃貸借契約は解除される可能性があります。質問にある「賃貸権は抵当権に後れる。ただし代金納入付日から6ヶ月間引き渡しが猶予される。または、賃貸権は差し押さえ後に期限が経過している」という記述は、この点を示しています。入居者との賃貸契約更新や新たな契約締結にあたっては、競売手続きの状況を十分に把握し、不動産会社と連携して対応する必要があります。

⑥ 売却対象物件の売却について

売却対象物件の所有者が亡父名義であるため、相続手続きを経て名義変更を行う必要があります。相続手続き完了後、相続人(ご子息など)が売却することになります。不動産会社は、この手続きをサポートできますが、相続関係が複雑な場合は、弁護士に相談することをお勧めします。

専門家への相談の重要性

法定地上権、競売物件、土地分筆、相続など、今回のケースは非常に複雑な法的・不動産に関する問題を含んでいます。不動産会社、弁護士、司法書士など、複数の専門家への相談を強くお勧めします。専門家のアドバイスを受けることで、リスクを最小限に抑え、円滑な手続きを進めることができます。

  • 弁護士:法的な問題、交渉、契約書の作成など
  • 司法書士:土地の登記、分筆登記など
  • 不動産会社:物件の査定、売買交渉、賃貸管理など
  • 測量士:土地の境界確定、面積測定など

これらの専門家と連携することで、スムーズな取引を進めることができます。

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