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ブレーカーが落ちる可能性と対策
お母様の心配はもっともです。複数の電化製品を同時に使用し、消費電力がブレーカーの許容値を超えると、ブレーカーは安全装置として作動し、電気を遮断します。これは、火災などの事故を防ぐための重要な機能です。 水槽のフィルターを追加することで、ブレーカーが落ちる可能性は十分にあります。 特に、電気コタツやヒーターなど、消費電力の大きい電化製品と同時に使用する場合、リスクが高まります。
ブレーカー容量の確認
まず、ご自宅のブレーカーの容量を確認しましょう。ブレーカーには、通常10A、15A、20Aなど、許容電流が記載されています。これは、そのブレーカーが一度に何アンペアまでの電流を流せるかを示しています。アンペア(A)とワット(W)の関係は、電圧(V)によって異なります。日本の家庭用電源は100Vなので、W = V × A より、W = 100A × A となります。例えば、15Aのブレーカーであれば、1500Wまで使用できます。
各機器の消費電力の確認
次に、現在使用している電化製品と追加予定の水槽フィルターの消費電力(W)を確認します。各製品に記載されているはずです。もし記載がない場合は、製品の取扱説明書を確認するか、メーカーに問い合わせてください。 消費電力の合計がブレーカーの許容電力(W)を超えている場合は、ブレーカーが落ちる可能性が高いです。
具体的な計算例
例えば、以下の様な状況を想定してみましょう。
- ブレーカー:15A (1500W)
- 電気コタツ:1200W
- 水槽ヒーター:300W
- 蛍光灯:40W × 2個 = 80W
- 部屋の電気:100W
- 水槽フィルター:20W
冬の状況では、1200W + 300W + 80W + 100W + 20W = 1700W となり、ブレーカーの許容電力1500Wを超えています。この場合、ブレーカーが落ちる可能性が高いです。
対策:安全に水槽を楽しむために
ブレーカーが落ちるリスクを軽減するためには、以下の対策が有効です。
1. コンセントを増設する
最も確実な方法は、コンセントを増設することです。電気工事士に依頼して、安全にコンセントを増設してもらいましょう。これは、蛸足配線による火災リスクを軽減する上でも非常に重要です。
2. 電力消費の少ない機器を選ぶ
水槽フィルターを選ぶ際には、消費電力の少ない省エネタイプを選びましょう。 LED照明など、消費電力の低い代替品も検討してみましょう。 また、不要な電化製品の電源を切ることで、消費電力を抑えることができます。
3. 分電盤の増設を検討する
部屋の電気容量が不足している場合は、分電盤を増設するのも一つの方法です。これは専門業者に依頼する必要があります。費用はかかりますが、将来的な電気容量不足の心配を解消できます。
4. タイマーの使用
水槽のフィルターやヒーターにタイマーを取り付け、使用時間を調整することで、同時に使用している電化製品の消費電力を抑えることができます。
5. 消費電力の見える化
家庭用電力モニターを使用することで、各機器の消費電力をリアルタイムで確認できます。これにより、電力消費量を把握し、節電対策を立てることができます。 また、電気代の節約にも繋がります。
専門家の意見:電気工事士の視点
電気工事士の視点から見ると、複数の電化製品を一つのコンセントからタコ足配線で使用する事は非常に危険です。発熱による火災の危険性が高まります。 コンセントを増設するか、ブレーカー容量の変更を検討することを強くお勧めします。 安全な電気環境を確保するために、専門業者への相談が不可欠です。
まとめ
水槽を増設したい気持ちと、ブレーカーが落ちる不安はどちらも大切です。 安全に熱帯魚と暮らすためには、消費電力の確認と適切な対策が不可欠です。 コンセントを増設したり、省エネ製品を選ぶなど、いくつかの選択肢があります。 不安な場合は、電気工事士などの専門家に相談し、安全で快適な環境を整えましょう。 電気代の変化が少ないというご経験は、水槽の消費電力が比較的少ないことを示唆していますが、安全面を軽視せず、適切な対策を講じることをお勧めします。