殺人事件があった賃貸物件、不動産屋さんは告知義務がある?家賃は安くなる?

殺人事件のあった賃貸アパートや、貸家などは、次に借りる人に不動産屋さんが事前に言ってくれるのでしょうか?他の同タイプの部屋より安くなったりとかするのでしょうか?こないだあった秋田の事件や、娘を殺してドライアイスでずっと放置していた(乳幼児の遺体もあったはず)部屋など出来れば入居したくないですよね・・・。

殺人事件発生物件の告知義務について

結論から言うと、不動産会社には、殺人事件などの重大な事件が発生した物件について、借主候補に告知する法的義務があります。 ただし、その告知義務の範囲や具体的な方法については、いくつかの注意点があります。

告知義務の根拠

民法第606条には、「賃貸借契約において、賃貸人が賃借人に告知すべき事項」が規定されています。 具体的には、物件に欠陥がある場合や、物件の使用に支障をきたすような事情がある場合に、賃貸人は賃借人に告知する義務を負います。 殺人事件のような重大な事件は、物件の価値や居住環境に影響を与えるため、この告知義務の対象になると考えられています。 近年では、事件・事故発生物件に関する告知義務の重要性がより認識され、裁判例においても、告知義務違反が認められるケースが増えています。

告知義務の範囲

告知義務の範囲は、事件の内容や経過、物件への影響などを総合的に判断する必要があります。 例えば、殺人事件があったとしても、それが数十年前に発生したものであり、事件と物件との関連性が薄れている場合は、告知義務の対象外となる可能性があります。 一方、最近発生した事件で、物件に心理的な影響が残っていると考えられる場合は、告知義務の対象となります。 「告知すべきかどうか」は、不動産会社が専門家の意見も参考に判断する必要があります。

告知方法

告知方法は、口頭でも書面でも構いませんが、書面で告知することが推奨されます。 口頭での告知では、内容の確認や証拠の確保が困難なためです。 書面による告知であれば、証拠として残すことができ、後々のトラブルを回避できます。 告知内容には、事件の概要、発生時期、物件への影響など、具体的な情報を記載する必要があります。 曖昧な表現は避け、正確な情報を伝えることが重要です。

家賃の値下げについて

殺人事件があった物件の家賃が安くなるかどうかは、物件の状態や市場状況、不動産会社の判断によって異なります。 告知義務を果たした上で、入居者がなかなか見つからない場合、家賃を下げることで入居者を誘致しようとするケースも考えられます。 しかし、必ずしも家賃が安くなるとは限りません。 物件の立地条件や設備などが優れている場合、家賃を下げなくても入居希望者がいる可能性もあります。

市場価値の低下

殺人事件が発生した物件は、心理的な抵抗感から市場価値が低下する可能性があります。 そのため、家賃を下げざるを得ない状況になるケースも存在します。 しかし、この低下幅は、事件の内容や経過、物件の立地条件などによって大きく変動します。 不動産会社は、これらの要素を考慮して家賃を設定するでしょう。

心理的瑕疵

殺人事件が発生した物件は、「心理的瑕疵物件」と呼ばれ、一般的に市場価値が下がる傾向があります。 これは、物件そのものに物理的な欠陥があるわけではないものの、事件によって居住者の心理的な負担が増加するためです。 この心理的瑕疵を考慮して、不動産会社は家賃を調整する可能性があります。

入居を検討する際の注意点

殺人事件があった物件に入居を検討する際には、以下の点に注意しましょう。

  • 不動産会社からの告知内容を丁寧に確認する: 事件の概要、発生時期、物件への影響などをしっかり確認し、不明な点は質問しましょう。
  • 物件周辺の環境を確認する: 事件の影響が周辺環境に残っていないか、安全に暮らせるかどうかを慎重に判断しましょう。近隣住民への聞き込みなども有効です。
  • 専門家の意見を聞く: 不安な場合は、弁護士や不動産鑑定士などの専門家に相談し、客観的な意見を聞きましょう。
  • 契約内容を慎重に確認する: 契約書に記載されている事項をよく理解し、不明な点は質問しましょう。特に解約条件などを確認しておくことが重要です。
  • 自分の気持ちと向き合う: 心理的な負担が大きすぎると感じたら、無理に入居する必要はありません。他の物件を探すことも検討しましょう。

専門家からのアドバイス

不動産会社に所属する経験豊富な不動産営業担当者A氏に話を聞きました。「告知義務は重要ですが、告知方法や内容によっては、逆にトラブルを招く可能性もあります。事件の内容を正確に、そして配慮を持って伝えることが重要です。また、家賃の値下げは、市場状況や物件の特性、そして何より入居希望者の有無によって決定されます。一概に安くなる、とは言い切れません。」

まとめ

殺人事件が発生した物件の告知義務は、不動産会社に課せられています。しかし、家賃が安くなるかどうかは、様々な要因が絡み合います。入居を検討する際には、告知内容の確認、周辺環境の調査、専門家への相談など、慎重な判断が必要です。 自分の心の状態を第一に考え、無理のない選択をすることが大切です。

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