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1.現状の整理と問題点
ご質問の内容を整理すると、ご主人の実家の新築に1500万円を負担し、建物の3分の1の権利を取得したものの、土地の名義はご主人の両親のまま、同居解消後も建物はご主人の両親や兄弟が自由に使用している状況です。 現在、建物は築20年以上経過しており、価値が大きく減価償却されていると懸念されています。相続時において、3分の1の権利が有効に機能するのか、また、過去の出資分を取り戻す方法があるのかがご心配な点です。 さらに、義弟が土地の名義変更を行い、有利な立場にあることへの不満も抱かれています。
2.3分の1の権利の有効性
ご主人が支払った1500万円は、建物の3分の1の権利を購入したという事実を証明する必要があります。 これは、住宅ローンの契約書、支払明細書、あるいは、ご主人の両親との間の契約書などによって裏付けられます。これらの書類を保管し、整理しておくことが重要です。
建物の価値は、築年数や建物の状態、土地の場所などによって大きく変動します。築20年以上経過し、減価償却されているとしても、建物には依然として一定の価値はあります。 相続時には、不動産鑑定士による鑑定を行い、建物の時価を正確に評価する必要があります。 たとえ建物が老朽化していても、更地にする場合の解体費用などを考慮すると、必ずしも150万円の価値しかないとは限りません。
相続時の対応
相続が発生した際には、以下の点に注意が必要です。
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- 遺産分割協議:相続財産である土地と建物の分割方法について、相続人全員で協議を行う必要があります。この際、ご主人が支払った1500万円と、建物の3分の1の権利を主張することが重要です。 鑑定書などの証拠を提示し、公平な分割を目指しましょう。
- 特別受益:ご主人が生前に1500万円を支払っていることは、相続開始前に既に財産を受け取っている「特別受益」とみなされる可能性があります。 特別受益を考慮した上で、相続財産の分割が行われます。 これは、ご主人にとって有利に働く可能性があります。
- 弁護士への相談:相続問題は複雑なため、弁護士に相談することを強くお勧めします。弁護士は、ご主人の権利を守るための適切なアドバイスとサポートを提供してくれます。
3.お金を取り戻す方法
過去に支払った1500万円を取り戻す方法としては、以下の可能性が考えられます。
1.金銭の返還請求
ご主人の両親との間で、建物の3分の1の権利取得に対する金銭の貸借関係があったと主張し、返還請求を行うことが考えられます。 しかし、これは、ご主人の両親との間の契約内容や、証拠書類の有無によって大きく左右されます。 契約書や領収書などの証拠がなければ、請求は困難です。
2.建物の売却
相続時に、建物を売却し、売却代金を相続人全員で分割する方法もあります。 この場合も、建物の時価を正確に評価することが重要です。
3.借用書の作成
過去に支払った1500万円について、ご主人の両親から借用書を作成してもらっていれば、相続時に返済を請求できます。 しかし、既にローンを完済し、抵当権を抹消している状況では、借用書を作成することは難しいでしょう。
4.義弟の土地名義変更について
義弟が土地の名義変更をしている点については、その経緯を詳しく調査する必要があります。 もし、不正な行為があった場合は、法律的な対応も検討する必要があるでしょう。
5.専門家への相談
相続問題や不動産に関する専門家のアドバイスを受けることが重要です。 弁護士や税理士、不動産鑑定士などに相談し、具体的な状況を説明することで、最適な解決策を見つけることができます。
6.まとめ
ご主人の実家への出資と相続に関する問題は、複雑で、感情的な側面も大きく関わってきます。 しかし、冷静に現状を整理し、適切な証拠を収集し、専門家のアドバイスを受けることで、ご自身の権利を守り、納得のいく解決を導き出すことが可能です。 早いうちに弁護士や税理士などの専門家に相談し、今後の対応について検討することを強くお勧めします。