日本の玄関ドアはなぜ外開き?内開きとの違いと、その理由を徹底解説

どうして日本の玄関のドアは外開きなんですか?以前、海外では基本的に玄関も内開きであると何かの本で読んだ気がします。決して海外にあわせるべきだと言っているわけではありませんが、例えば日本でも部屋のドアなんかは基本内開きですよね?しかし玄関やトイレを敢えて内開きに統一しないのには、日本独自の理由があるのでしょうか?

日本の玄関ドアが外開きである理由

日本の住宅において、玄関ドアが外開きであることは、古くから続く伝統と、日本の気候や文化、そして防災対策といった複数の要因が複雑に絡み合っている結果です。海外、特に欧米では内開きが主流であるのに対し、日本は外開きが一般的です。その背景には、以下のような理由が考えられます。

1. 防犯対策

最も大きな理由の一つが防犯対策です。 外開きドアは、ドアノブを内側から施錠すれば、外から容易にこじ開けられる可能性が低くなります。特に、一人暮らしの女性や高齢者のいる家庭では、この防犯面での安心感は非常に重要です。内開きドアの場合、ドアノブをこじ開けられたり、ドア自体を破壊されたりすると、容易に侵入されてしまう危険性があります。

2. 避難経路の確保

地震などの災害発生時、玄関ドアが開かないと避難が困難になります。外開きドアであれば、地震で家が傾いたり、家具が倒れてドアが開かなくなっても、外に押し出すことで避難経路を確保しやすくなります。これは、内開きドアに比べて大きなメリットと言えるでしょう。特に、密集した住宅地では、この避難経路の確保は生命に関わる重要な問題となります。

3. 風雨からの保護

日本の気候は、台風や豪雨などの自然災害が多いことが特徴です。外開きドアは、雨風が直接室内に吹き込むのを防ぎやすく、玄関周りの防水性を高める効果があります。内開きドアだと、風雨によってドアが勢いよく開いてしまい、室内に雨水が吹き込む可能性が高くなります。特に、玄関前に庇(ひさし)がない住宅では、この効果は顕著です。

4. 空間効率の観点

内開きドアは、ドアを開けた際に室内にスペースが必要になります。狭い玄関では、このスペースが確保できない場合があり、動線を阻害する可能性があります。外開きドアであれば、ドアを開けても室内にスペースを取らないため、狭い玄関でもスムーズに動けるというメリットがあります。

5. 伝統的な建築様式との関連

日本の伝統的な建築様式においても、玄関は外開きが一般的でした。これは、日本の気候風土や生活習慣に適した設計であり、長年受け継がれてきた結果と言えるでしょう。

海外と日本の玄関ドアの違い:内開きのメリット

一方、海外で主流の内開きドアにも、もちろんメリットがあります。

1. 省スペース

内開きドアは、ドアを開ける際に玄関の外側にスペースが必要ありません。そのため、玄関が狭くても問題なく設置できます。

2. デザイン性の高さ

内開きドアは、デザインのバリエーションが豊富です。スタイリッシュなデザインから、クラシックなデザインまで、様々な選択肢があります。

3. 開閉のしやすさ

風のある日でも、内開きドアは比較的簡単に開閉できます。外開きドアは、風が強いと開閉しにくい場合があります。

日本の玄関ドア選び:外開きと内開きの選択基準

では、実際に玄関ドアを選ぶ際に、外開きと内開き、どちらを選べば良いのでしょうか? それは、住宅の構造、立地条件、そして個々のニーズによって異なります。

以下に、選択基準をまとめました。

  • 防犯性を重視するなら:外開き
  • 地震などの災害が多い地域に住んでいるなら:外開き
  • 玄関が狭く、スペースを有効活用したいなら:内開き
  • デザイン性を重視するなら:内開き(ただし、外開きでもデザイン性の高いものは増えています)
  • 風雨の影響を受けやすい地域に住んでいるなら:外開き

専門家への相談も有効です。建築士や工務店などに相談することで、最適な玄関ドアを選ぶことができます。

まとめ:日本の玄関ドア事情と賢い選択

日本の玄関ドアが外開きである理由には、防犯、避難、気候、空間効率、伝統など、様々な要因が絡み合っています。一方、内開きにもメリットはあります。最適な選択をするためには、自身の住宅状況やライフスタイルを考慮し、専門家の意見も参考にしながら、慎重に検討することが重要です。 この記事が、皆様の玄関ドア選びの一助となれば幸いです。

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