日本のフローリングが光沢のある理由|海外インテリアとの違いと、理想の床選び

なぜ日本のフローリングは基本的に光沢があるのでしょうか? 引越しを検討するにあたり、都内中のさまざまな家を見てるのですが、感覚的に9割は床がツヤツヤです。 安い家に多い傾向はありますが、家賃8万のアパートは当然ながら、300万の六本木ヒルズレジデンスもツヤツヤでした。 家具選びなどの参考にしている海外のオシャレなインテリアアカウントを見る限り、大抵は非光沢もしくは他の素材で、光沢のあるフローリングを見たことがありません。 ワックスがかかってるのはわかりますが、艶消しのワックスもありますよね? あらためて、なぜ日本の住宅は床が基本的にツヤツヤなのでしょうか?

日本のフローリングが光沢のある理由:歴史、文化、そして実用性

日本の住宅で光沢のあるフローリングが多いのは、単なる好みや流行ではなく、歴史的、文化的背景、そして実用的な理由が複雑に絡み合っているためです。海外、特に欧米のインテリアと比較することで、その違いが見えてきます。

1. 歴史と伝統:畳文化からの影響

日本の伝統的な住宅では、畳が床材として広く用いられてきました。畳は、その美しい光沢と、清潔感、そして落ち着きのある雰囲気から、日本人にとって特別な存在でした。フローリングが普及し始めた際、畳の持つ「光沢」というイメージが、無意識のうちにフローリングの選択にも影響を与えた可能性があります。 光沢のあるフローリングは、畳の持つ上品さを現代風にアレンジしたとも言えるでしょう。

2. 清潔感とメンテナンスの容易さ

光沢のあるフローリングは、汚れが目立ちやすく、こまめな掃除が必要となります。しかし、一方で、汚れが目立つ分、掃除の頻度が高まり、結果として清潔さを保ちやすいという側面もあります。これは、日本の清潔さを重視する文化と合致しています。また、光沢のある表面は、ワックスがけなどのメンテナンスによって、より長く美しい状態を保つことができます。特に、賃貸物件では、入居者への負担を軽減するため、メンテナンスが容易な光沢のあるフローリングが選ばれる傾向があります。

3. 耐久性と傷つきにくさ(表面加工技術との関連)

最近の光沢のあるフローリングは、単なるワックスによるものではなく、UV塗装や耐摩耗性の高い特殊なコーティングが施されていることが多く、傷つきにくく、耐久性に優れています。特に、マンションなどの集合住宅では、多くの人の生活空間を支える必要があり、耐久性が高いことが重要視されます。光沢のある仕上げは、こうした耐久性向上のための表面加工技術と密接に関連しています。

4. 広々とした空間の演出

光沢のあるフローリングは、光を反射するため、部屋を広く見せる効果があります。これは、特に日本の住宅において、限られた空間を有効に活用したいというニーズと合致しています。特に、マンションなどの比較的狭い空間では、光沢のあるフローリングによって、空間の広がりを感じさせることができます。

海外インテリアとの違い:素材と仕上げの違い

欧米のインテリアでよく見られる無垢材やマットな仕上げのフローリングは、日本のものとは異なる価値観を反映しています。

1. 自然素材へのこだわり

欧米では、無垢材のフローリングが好まれる傾向があります。これは、自然素材へのこだわりや、環境への配慮といった意識の高まりを反映しています。無垢材は、経年変化による風合いを楽しむことができ、独特の温かみがあります。光沢のないマットな仕上げは、自然な木の質感を強調し、よりナチュラルな雰囲気を演出します。

2. 個性的な空間づくり

欧米のインテリアでは、個性を重視した空間づくりが好まれます。そのため、フローリングにも、様々な素材や色、仕上げが用いられます。光沢のないフローリングは、様々なインテリアスタイルに合わせやすく、個々の好みに合わせた空間づくりを可能にします。

3. メンテナンスに対する考え方

欧米では、フローリングのメンテナンスに対する考え方が、日本とは異なる場合があります。無垢材は、定期的なメンテナンスが必要ですが、その手間を惜しまない人が多くいます。また、傷や汚れも、住まいの歴史の一部として受け入れる傾向があります。

理想の床選び:自分のライフスタイルに合った素材と仕上げを選ぼう

日本の住宅で主流の光沢のあるフローリングと、海外で人気のあるマットなフローリング、どちらが良いか?それは、あなたのライフスタイルや好みによります。

1. 自分のライフスタイルを分析する

* 清潔さを重視する?:光沢のあるフローリングは汚れが目立ちますが、掃除をこまめに行うことで、常に清潔な状態を保てます。 * メンテナンスの手間をどれくらいかけられる?:無垢材は定期的なメンテナンスが必要ですが、その手間を惜しまないなら、自然な風合いを楽しめます。 * どんな雰囲気の部屋にしたい?:光沢のあるフローリングはモダンで洗練された印象、マットなフローリングはナチュラルで温かみのある印象を与えます。 * ペットを飼っている?:ペットの爪による傷が目立ちにくいのは、光沢のあるフローリングです。

2. 具体的な素材と仕上げの選択肢

* 光沢のあるフローリング:傷つきにくく、お手入れが簡単。ただし、汚れが目立ちやすい。 * マットなフローリング:自然な風合いがあり、落ち着いた雰囲気。傷や汚れが目立ちにくい。 * 無垢材フローリング:自然素材の温かみと経年変化を楽しめるが、メンテナンスが必要。 * 複合フローリング:無垢材と合板を組み合わせたもので、コストパフォーマンスが良い。

3. 専門家への相談

インテリアコーディネーターや建築士などに相談することで、あなたのライフスタイルや好みに合った床材を選ぶことができます。彼らから、具体的な素材や仕上げ、メンテナンス方法などのアドバイスを受けることができます。

まとめ:光沢のあるフローリングは日本の住宅文化の一部

日本の住宅で光沢のあるフローリングが多いのは、歴史的背景、文化的価値観、そして実用的な理由が複雑に絡み合っているためです。しかし、海外のインテリア事情を参考に、自分のライフスタイルや好みに合った床材を選択することが大切です。 光沢のあるフローリングが必ずしも「正解」ではなく、マットな仕上げや無垢材など、様々な選択肢があります。 理想の住空間を実現するためには、様々な情報を集め、専門家のアドバイスも参考にしながら、じっくりと検討しましょう。

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