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新築建売のフローリングのへこみと隙間:売主の対応について
新築住宅の引き渡し前に、フローリングのへこみや巾木との隙間を発見されたとのこと、ご心配ですね。結論から言うと、発見された不具合は、売主(大手パワービルダー)に修理を依頼できる可能性が高いです。 しかし、対応の可否やその範囲は、いくつかの要素に依存します。
① 引渡しの内覧会での指摘と売主の対応
引渡し内覧会で不具合を指摘することは、非常に重要です。 多くの売買契約では、内覧会での指摘事項は、引き渡し後の瑕疵担保責任の対象となる可能性が高いためです。 つまり、内覧会で指摘しなかった不具合は、後からクレームをしても対応してもらえない可能性が高いのです。
指摘する際には、具体的な状況を写真や動画で記録しておくことが大切です。 へこみの深さ、隙間の幅、場所などを明確に記録することで、売主との交渉を有利に進めることができます。 また、平行器を使った傾斜の測定結果なども記録しておきましょう。
売主は、一般的に住宅瑕疵担保責任保険に加入しています。この保険は、住宅の重要な部分の瑕疵(欠陥)に対して、一定期間修理費用を補償するものです。フローリングのへこみや隙間が、この保険の対象となるかどうかは、その程度や原因によって判断されます。
② 「素材の特性」や「施工上の問題」による対応の違い
「人間の手で作っているから」「素材により致し方ない」といった理由で対応されないケースも、残念ながら存在します。 しかし、これは不具合の程度や原因が明確でない場合に起こりやすい傾向があります。
例えば、ごくわずかなへこみや隙間が、木材の収縮や膨張によるものであれば、対応されない可能性があります。 一方、施工不良によるへこみや隙間であれば、売主は責任を負う必要があります。
重要なのは、不具合の原因を特定することです。 わずかな隙間であれば、木材の自然な収縮の可能性もありますが、明らかに施工不良によるものと判断できる場合は、売主は対応せざるを得ません。
③ 専門家同行による指摘の効果
内覧に専門家(建築士や住宅検査会社など)を同行させることは、非常に有効な手段です。 専門家は、素人が気づかないような細かい不具合を発見し、その原因や対応策を的確に指摘できます。
専門家同行によって、売主との交渉がスムーズに進む可能性が高まります。 専門家の意見は、売主にとっても説得力があり、対応を促す効果があります。 ただし、専門家への依頼費用は自己負担となることを考慮する必要があります。
具体的なアドバイス:フローリングのへこみと隙間への対処
では、具体的にどのような対応をとるべきでしょうか?
1.写真・動画による記録
まず、へこみと隙間を様々な角度から撮影し、記録しましょう。 特に、へこみの深さや隙間の幅がわかるように、定規などを一緒に写すと効果的です。 動画を撮影する場合は、平行器を使って傾斜を確認する様子も記録しましょう。
2.内覧会での丁寧な指摘
内覧会では、冷静に、そして具体的に不具合を指摘しましょう。 感情的になるのではなく、事実を淡々と説明することが重要です。 記録した写真や動画を提示しながら、問題点を明確に伝えましょう。
3.売主との交渉
売主が修理を拒否した場合、書面で交渉内容を記録しましょう。 メールや手紙で、不具合の内容、修理の要望、そして売主の回答を記録しておくことで、後のトラブルを回避できます。
4.必要であれば専門家の意見を聞く
売主との交渉が難航する場合は、専門家(建築士や住宅検査会社)に相談しましょう。 専門家は、客観的な視点から問題点を指摘し、売主との交渉をサポートしてくれます。
5.最終手段:弁護士への相談
それでも解決しない場合は、弁護士に相談することを検討しましょう。 弁護士は、法律的な観点から問題点を分析し、適切な解決策を提案してくれます。
事例:専門家による指摘で解決したケース
筆者が知る事例では、新築マンションのフローリングに小さなへこみがあったケースがあります。 購入者は、内覧会で指摘しましたが、売主は「素材の特性」を理由に修理を拒否しました。 そこで、購入者は建築士に依頼し、専門家の立会いのもとで再度指摘したところ、施工不良の可能性が高いと判断され、最終的に修理が認められました。
この事例からもわかるように、専門家の意見は非常に有効です。 特に、売主との交渉が難航する場合は、専門家の力を借りることを検討しましょう。
まとめ: proactive な対応が重要
新築住宅のフローリングのへこみや隙間は、早期発見と適切な対応が重要です。 内覧会での丁寧な指摘、写真や動画による記録、そして必要であれば専門家の活用によって、問題をスムーズに解決できる可能性が高まります。 早期に問題を解決することで、快適な新生活を送ることができるでしょう。