廊下と部屋で床の色を変えるのはおかしい?
結論から言うと、廊下と部屋で床の色を変えること自体は、決して「おかしい」わけではありません。むしろ、空間の個性や広がりを演出する効果的な手法として、近年注目されています。ただし、昨年家を建てた方から「つぎはぎみたい」と言われたように、色の組み合わせや施工方法によっては、統一感のない印象を与えてしまう可能性も否定できません。
「つぎはぎ」に見えるかどうかは、色の選び方と、床材の種類、そしてドアや巾木などの建具との調和が大きく影響します。例えば、廊下と部屋で全く異なる色(例えば、濃いブラウンと明るいベージュ)を使用すると、確かに境目が目立ち、「つぎはぎ」のような印象を与えてしまう可能性があります。
しかし、色調を揃えつつ、明度や彩度を微妙に変えることで、自然な変化を演出することができます。例えば、廊下に濃いブラウンの床材を使用し、部屋には少し明るめのブラウンの床材を使用するといった方法です。これにより、空間の繋がりを保ちながら、それぞれの部屋に個性を与えることができます。
洋室ドアの縁と床の色分け
洋室ドアの下にはレールは付きませんが、ドア枠と床の間に「巾木(はばき)」と呼ばれる縁が通常取り付けられます。この巾木は、床と壁の境目を保護する役割だけでなく、床の色分けを目立たなくする効果も期待できます。
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巾木の色を廊下と部屋の床材の中間色にすることで、色の切り替わりを自然に見せることができます。例えば、廊下と部屋の床材がブラウン系で、明度が異なる場合、巾木を中間的なブラウンの色にすることで、色の変化がスムーズになり、つぎはぎ感を軽減できます。
ただし、巾木だけでは完全に境目を目立たなくすることは難しい場合もあります。特に、色のコントラストが強い場合は、巾木の効果だけでは不十分かもしれません。
工務店が部屋ごとの床の色分けを嫌がる理由
工務店が部屋ごとに床の色を変えることをあまり良く思わない理由としては、以下の点が挙げられます。
1. 施工の複雑さ
部屋ごとに床の色を変えるには、それぞれの部屋で床材の施工を行う必要があり、作業工程が複雑になります。これは、工期を延ばし、人件費を増やすことに繋がります。
2. 材料のロス
複数の種類の床材を使用する場合は、材料のロスが発生する可能性が高くなります。特に、特殊な色や柄の床材を使用する場合は、ロス分を考慮した発注が必要となり、コスト増加に繋がります。
3. 現場での調整の難しさ
異なる床材を繋ぎ合わせる際には、色の違いや段差などが発生しないよう、細心の注意を払って施工する必要があります。現場で調整が必要となる場合もあり、工期やコストに影響が出ることがあります。
4. 見た目の統一感
工務店によっては、住宅全体の統一感を重視し、床の色を統一することを推奨している場合があります。部屋ごとに異なる色を使用すると、まとまりのない印象を与えてしまう可能性があるためです。
具体的なアドバイス:床の色選びと施工
廊下と部屋で床の色を変える際に、より自然で美しい仕上がりを実現するための具体的なアドバイスです。
1. 床材のサンプルを比較する
複数の床材サンプルを、実際に廊下と部屋に並べて比較してみましょう。異なる照明条件下で見てみると、色の見え方が変わることがわかります。
2. 色のトーンを揃える
廊下と部屋の床材の色は、同じ色相(例えば、ブラウン)で、明度や彩度を調整することで、自然な繋がりを作ることができます。
3. 巾木の色を効果的に使う
巾木の色は、廊下と部屋の床材の中間色を選ぶことで、色の変化をスムーズに見せることができます。
4. 専門家への相談
インテリアコーディネーターや設計士などに相談することで、最適な床材の選び方や施工方法についてアドバイスを受けることができます。
5. 他のインテリアとの調和を考える
床の色は、壁の色、家具の色、照明など、他のインテリアと調和させることが重要です。全体的なバランスを考えて色を選びましょう。
事例紹介
例えば、リビングは明るいブラウン、寝室は落ち着いたダークブラウン、廊下は中間色のブラウンと、グラデーションのように色を変化させることで、空間の広がりと奥行きを演出することができます。また、白い壁と明るい床材の組み合わせは、広く明るく感じさせる効果があります。逆に、濃い色の床材は、落ち着いた雰囲気を演出します。
まとめ
廊下と部屋で床の色を変えることは、決して不可能ではありません。しかし、色の組み合わせや施工方法によっては、見た目のバランスが崩れてしまう可能性もあります。専門家のアドバイスを受けながら、慎重に検討することが重要です。 今回のQ&Aが、皆様の新築計画のお役に立てれば幸いです。