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廻り縁とは? その役割とデザインへの影響
廻り縁とは、壁と天井の接合部、あるいは壁と壁の接合部に取り付けられる、幅の狭い装飾材のことです。主に木材や集成材で作られており、建物の意匠性を高める役割を果たします。デザイン性だけでなく、壁と天井の繋ぎ目を隠すことで、仕上がりの美しさを向上させ、建物の強度を高める効果も期待できます。
しかし、近年はシンプルでモダンなインテリアが好まれる傾向があり、廻り縁がない方が空間が広く感じられる、という意見も多く聞かれます。 廻り縁の有無で、空間の印象は大きく変わるため、好みやインテリアスタイルとの調和を考えることが重要です。
廻り縁ありとなしで、壁と天井の構造は本当に違うのか?
結論から言うと、廻り縁の有無によって、壁と天井の構造が異なるケースはあります。 建築業者の方が「廻り縁あり仕様と廻り縁なし仕様では天井や壁の作りが違う」と言われたのは、必ずしも嘘ではありません。
廻り縁がない場合の施工
廻り縁がない場合、壁と天井の接合部は、より精密な施工が求められます。 特に、クロスや塗装の仕上がりを美しく見せるためには、下地処理を丁寧に行う必要があり、継ぎ目の処理にも高度な技術が求められます。 下地処理の不備は、ひび割れや隙間、仕上がりの悪さにつながるため、熟練の技術が必要となるのです。 また、壁と天井の接合部をきれいに仕上げるために、専用の材料や技術が必要になる場合もあります。
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廻り縁がある場合の施工
一方、廻り縁がある場合は、壁と天井の接合部の仕上げが比較的容易になります。廻り縁が、壁と天井の繋ぎ目の不完全な部分を隠してくれるからです。 そのため、下地処理の精度が多少低くても、廻り縁によって目立たなくすることができ、施工の手間やコストを削減できる場合があります。 ただし、廻り縁自体が追加の費用や施工時間を必要とするため、トータルコストは必ずしも安価になるとは限りません。
建築業者の発言の裏にあるもの
建築業者が廻り縁を外すことを断ったのは、単に「外すのが面倒」という理由だけではない可能性が高いです。
施工上の問題
* 既存の構造への影響: 廻り縁は、壁や天井の構造に密接に関係している場合があります。 後から取り外すと、壁や天井にダメージを与えたり、構造上の問題を引き起こす可能性があります。特に、既にクロスや塗装が施されている場合は、廻り縁を取り外す際に壁や天井を傷つけるリスクが高まります。
* 補修費用: 廻り縁を取り外した後に、壁と天井の接合部をきれいに仕上げるには、追加の補修工事が必要になる可能性があります。これは、追加費用と時間が必要になることを意味します。
* 保証の問題: 廻り縁を取り外すことで、建物の構造や仕上がりに問題が発生した場合、建築業者の保証が受けられなくなる可能性があります。
コミュニケーションの問題
建築業者とのコミュニケーション不足も考えられます。 廻り縁を取り外したいという要望を、事前に明確に伝えなかったり、その理由を十分に説明しなかったりすると、業者は要望を理解しにくいかもしれません。 そのため、建築業者としっかりと話し合い、要望を伝え、その理由を説明することが重要です。 図面や写真などを提示して、具体的なイメージを共有することも有効です。
廻り縁の撤去を検討する際の注意点
廻り縁の撤去をどうしても希望する場合は、以下の点を考慮する必要があります。
* 建築業者との丁寧な協議: 廻り縁撤去による費用、工期、リスクについて、建築業者と十分に話し合う必要があります。 撤去後の補修費用や、保証の範囲なども確認しましょう。
* 専門家の意見: 必要に応じて、建築士やインテリアコーディネーターなどの専門家の意見を聞き、最適な解決策を見つけることが重要です。
* 代替案の検討: 廻り縁を撤去する代わりに、より細い廻り縁に交換したり、塗装の色を変えるなど、代替案を検討することも可能です。
まとめ:廻り縁の有無は慎重に検討しよう
廻り縁の有無は、空間の印象だけでなく、壁や天井の構造、施工方法にも影響します。 建築業者との丁寧なコミュニケーションを図り、専門家の意見も参考にしながら、最適な選択をしてください。 安易に廻り縁の撤去を希望するのではなく、メリット・デメリットを比較検討し、後悔のない選択をすることが大切です。 最終的には、ご自身の好みと予算、そして建物の構造を考慮して、最適な判断を下してください。