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ニットの石油臭の原因と対処法
新品のニットから石油臭がするのは、製造工程で使用する溶剤や油分が完全に除去しきれていないことが原因です。特に、化学繊維を多く含むニットや、低価格帯のニットで発生しやすい傾向があります。 洗濯だけでは完全に臭いを落とすのは難しく、適切な対処が必要です。
1. 徹底的な洗濯と乾燥
- 洗濯方法の見直し: エマールを使ったドライ洗いでは、油分を完全に落とすのが難しい場合があります。中性洗剤を使用し、ぬるま湯で丁寧に手洗いすることをお勧めします。洗濯ネットを使用し、優しく押し洗いしましょう。脱水は短時間で行い、絞らずに形を整えて陰干しします。
- 乾燥方法の改善: 室内干しでは湿気がこもり、臭いが抜けにくい傾向があります。風通しの良い場所で、直射日光を避け、十分に乾燥させましょう。天気の良い日は、外干しを積極的に行いましょう。扇風機などを活用して、空気の循環を良くすることも効果的です。
- 複数回洗濯: それでも臭いが残る場合は、数回に渡って洗濯を繰り返してみましょう。毎回、洗剤の種類を変えてみるのも効果的です。例えば、酸素系漂白剤を併用することで、より効果的に臭いを落とせる可能性があります。
2. 換気と日光浴
- 十分な換気: ニットを干す場所の換気を徹底しましょう。窓を開けて風通しを良くし、湿気を溜めないように心がけましょう。可能であれば、除湿機を使用するのも効果的です。
- 日光消毒: 天候の良い日には、ニットを直射日光に当てて日光消毒を行いましょう。紫外線には殺菌効果があり、臭いの原因となる菌を減らす効果が期待できます。ただし、長時間直射日光に当てると、ニットが傷む可能性があるので注意が必要です。数時間程度を目安にしましょう。
3. 消臭剤・吸着剤の活用
- 重曹: 重曹は、消臭・脱臭効果の高い天然素材です。ニットをビニール袋に入れ、重曹を適量加えて数時間置いておくと、臭いが軽減される場合があります。その後、よく振ってから重曹を取り除き、風通しの良い場所で乾燥させましょう。
- 炭: 竹炭や備長炭などの活性炭は、優れた吸着力を持つため、臭いを取り除くのに効果的です。ニットと一緒に密閉容器に入れて数日間置いておくと、臭いが吸収されます。炭は定期的に天日で干して再生させることで、繰り返し使用できます。
- 消臭スプレー: ファブリーズ無香料タイプでは効果が薄かったとのことですが、他の消臭スプレーを試してみるのも良いでしょう。ただし、使用前に目立たない部分で試してから使用してください。また、天然成分配合の消臭スプレーを選ぶと、衣類への負担も軽減できます。
4. 専門業者への依頼
- クリーニング店: 上記の対策でも臭いが取れない場合は、クリーニング店に相談してみましょう。専門的な知識と技術を持つクリーニング店では、特殊な洗浄方法で臭いを除去してくれる可能性があります。特に、高級なニットやデリケートな素材のニットの場合は、専門業者に依頼するのが安心です。
5. 保管方法
- 通気性の良い袋: ニットを保管する際は、通気性の良い布製のカバーや袋を使用しましょう。密閉された状態だと、臭いがこもりやすくなります。防虫剤を使用する場合は、ニットに直接触れないように注意してください。
- 乾燥剤: 乾燥剤と一緒に保管することで、湿気を吸収し、臭いの発生を抑えることができます。シリカゲルなどの乾燥剤を使用しましょう。
- 清潔な場所: 保管場所は、清潔で風通しの良い場所を選びましょう。クローゼットの中は、湿気がこもりやすいので注意が必要です。定期的にクローゼットの扉を開けて換気を行うと良いでしょう。
専門家のアドバイス
クリーニング業界に10年以上携わるベテランクリーナーである山田さんに、今回のケースについてアドバイスをいただきました。
「新品のニットから石油臭がするというのは、残念ながらよくあるケースです。洗濯だけでは完全に臭いを落とすのは難しい場合があり、特に化学繊維の割合が多いニットは注意が必要です。 今回のように、様々な方法を試しても臭いが残る場合は、専門業者に相談することをお勧めします。適切な洗浄方法と乾燥方法で、臭いを完全に除去できる可能性があります。また、保管方法にも注意することで、臭いの再発を防ぐことができます。」
まとめ
新品のニットの石油臭は、適切な対処法を行うことで軽減、または除去できます。上記の方法を参考に、一つずつ試してみて下さい。それでも臭いが残る場合は、クリーニング店などの専門業者に相談することをお勧めします。 大切なニットを長く着るためにも、適切なケアを心がけましょう。