敷金返還請求における訴訟手続きとポイント:個人大家vs不動産会社

内容証明 → 支払督促申立 → 異議申立 → 裁判(簡易or通常) → 強制執行の流れの中でわからないことがあります。 敷金返還で争っております。 こちらが(元)入居者で、個人大家ではなく不動産が直接所有・管理している物件です。 敷金返還の色んなサイトを参考にしながら自分での解決も考えましたが、内容証明だけの早期決着に掛けて、代理人(弁護士)に依頼しました。相手は完全にこっちを舐めきっている態度なので弁護士に依頼したのですが、内容証明も完全に無視されました。 ここから訴訟となると、さらに費用がかかりますので、ここからは個人でやります、と弁護士さんに伝えました。 その後の可能性や、訴訟で争うポイントやアドバイス、参考にすべき法律や条例・判決なども教えていただき、依頼したこと自体はよかったと思っています。 で、次は支払督促申立書を書く準備段階なのですが、ここで疑問です。 ①内容証明ではこちらの訴外交渉の条件で折れた部分もありました。支払督促申立も訴訟の一歩手前ではありますが、訴訟ではありませんよね?訴外交渉の条件を内容証明と同じように書いておき、相手が異議申し立てをして裁判になったら、全額返還請求に切り替えればいいのでしょうか?それとも支払督促申立の請求額と、訴訟時の請求額はイコールではなくてはいけませんか? ②また、こちらが簡易訴訟を起こしても、そのまま簡易訴訟か通常訴訟かは、相手が決めれますよね? 支払督促の場合は、どちらがどのタイミングで通常か簡易か選ぶのですか? ③あと、判決には裁判長の心象が大きいと聞きましたが、相手が法人にも関わらず内容証明を無視したことは影響しますか?全く関係ありませんか? ④強制執行とは、相手の口座から強制的にお金を引き出すと聞きましたが、直前にお金を引き出されていたらどうなるのですか?相手は法人ですが、とても小さいところです。代表以外見たことありません。 ⑤宅建協会?宅地建物取引業免許を与えた管轄は、「法律順守せよ」「ガイドラインを守りたまえ」などという指導はしないものなのでしょうか?許可を与えるだけですか? ちなみに敷金返還どことか、最初は大リフォームを行えるくらいの金額を相手から請求されました。退去時の部屋の内部の写真と、請求書の内訳を弁護士さんに見せましたが「全部払う必要がないものな上敷金も全額返ってくるべき」と言われました。

敷金返還請求における訴訟手続きと注意点

敷金返還請求において、内容証明郵便の無視、そして個人での訴訟手続きを進めることになった状況ですね。弁護士に依頼したことで、既に重要な証拠(退去時の写真、請求書の内訳)の確認と法的アドバイスを受けているのは心強いことです。以下、ご質問にお答えしていきます。

1.支払督促申立と訴訟における請求額

① 支払督促申立と訴訟における請求額の整合性

支払督促申立書に記載する請求額と、裁判における請求額は必ずしも一致する必要はありません。 支払督促は、訴訟よりも簡易な手続きです。内容証明で譲歩した点を支払督促申立書にも反映させ、相手が異議を申し立てて裁判になった際に、改めて全額返還請求に切り替えることは可能です。ただし、裁判では、主張を裏付ける証拠を提示する必要があります。内容証明での譲歩が、裁判において不利に働く可能性も考慮しましょう。

  • 戦略: 支払督促では譲歩した金額を請求し、異議申立てがあった場合、裁判で改めて全額返還を請求する戦略も有効です。ただし、裁判では、証拠に基づいた主張が重要になります。
  • リスク: 裁判で全額返還を請求する際には、損害賠償請求の根拠となる証拠(写真、見積書など)を十分に準備する必要があります。

2.簡易訴訟と通常訴訟の選択

② 簡易訴訟と通常訴訟の選択

簡易訴訟は、訴額が140万円以下の場合に選択できる手続きです。 訴額が140万円を超える場合は、通常訴訟となります。 どちらの訴訟を選択するかは、原告(あなた)が決定します。 相手(不動産会社)は、簡易訴訟でも通常訴訟でも異議を申し立てることができますが、訴訟の種類を変えることはできません。支払督促の場合は、異議申立てがあった場合、簡易訴訟または通常訴訟に移行します。

  • 手続き: 訴状に訴額を明記することで、簡易訴訟か通常訴訟かが決定します。
  • 費用: 簡易訴訟の方が、印紙代や弁護士費用など、訴訟費用が抑えられる傾向があります。

3.裁判における裁判官の心象と内容証明の無視

③ 裁判官の心象と内容証明の無視

相手方の内容証明への対応(無視)は、裁判官の心象に影響を与えます。 法人であるにも関わらず、内容証明を無視したことは、誠意のない対応として捉えられ、裁判官の判断に影響する可能性があります。特に、証拠が揃っている場合、相手方の対応は不利に働く可能性が高いです。

  • 証拠: 内容証明の送付記録、配達証明などを証拠として提出しましょう。
  • 印象: 相手方の対応は、裁判官に「交渉に応じない」「誠意がない」という印象を与え、不利な判決につながる可能性があります。

4.強制執行と相手の資金移動

④ 強制執行と資金移動

強制執行は、判決確定後に行われます。 相手方の口座からお金を引き出す手続きですが、相手が事前に資金を引き出していたとしても、執行不能になるわけではありません。 相手方が法人である場合、代表者個人の口座だけでなく、法人の口座やその他の資産に対しても強制執行を行うことができます。ただし、小さな不動産会社の場合、執行可能な資産が少ない可能性も考慮する必要があります。

  • 調査: 強制執行の前に、相手方の財産状況を調査することが重要です。弁護士に相談し、適切な方法で調査を行いましょう。
  • 対策: 強制執行の前に、相手方の財産を隠匿する可能性を考慮し、弁護士と連携して対応策を検討しましょう。

5.宅建協会の役割

⑤ 宅建協会の役割

宅地建物取引業法に基づき、宅建協会は、宅地建物取引業者の業務に関する苦情処理や指導を行う機関です。しかし、宅建協会による指導は、あくまで勧告であり、強制力はありません。 免許の取消や業務停止命令などの行政処分は、国土交通省などの行政機関が行います。

  • 苦情申告: 宅建協会に苦情を申し立てることは可能です。ただし、法的強制力はないことを理解しておきましょう。
  • 行政機関: より強い法的措置を望む場合は、国土交通省などの行政機関に相談する必要があります。

まとめ

敷金返還請求は、証拠の収集と適切な手続きが重要です。弁護士のアドバイスを参考に、一つずつ丁寧に手続きを進めていきましょう。 裁判官の心象や相手方の対応も考慮し、戦略的に訴訟を進めることが大切です。 不明な点があれば、弁護士に相談することをお勧めします。

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