敷金返還トラブルと解決策:家主側の立場から

長文です。敷金の返却について、困っています。当方、家主側です。2年半前、マンションの1室を相続しました。2LDK、築約20年です。両親が暮らしていたわけではなく、賃貸にしていた部屋で、既に居住者がいる状態での相続でした。その際は、家賃収入があるからと、家のローンの一部にでもなれば、と思って受け取ってしまいました。一月前、以前から借りていたご家族が退去することとなりました。七年前に入居したときと同じ不動産屋さんにお願いし手続きしてもらいました。相続したマンションは、今私たち家族が住んでいる町から離れた場所にあるためです。その後、業者さんの方から「困ったことになっている」と連絡が入りました。①退去者が、ハウスクリーニングは次に住む人のためのものだから、家主が払うべきと主張している。②原状回復した箇所は、すべて経年劣化だから、負担はすべて家主が持つべきだと主張している。(タバコのヤニだとかお子さんのつけたシミだとか、明らかにそのご家族が汚した部分も経年劣化で押し通されたそうです。)③ハウスクリーニング代も修理代も一切かからないのだから、敷金を家主はすべて返金するよう主張している。①~③で、約60万円ほどになります。部屋の原状回復修理代だけで30万円以上ですので・・・。私どもは普通の会社員家庭ですので、当たり前ですが、約60万円という額をいっきに出すことは無理です。退去した方に、分割でのお支払いをお願いしたのですが、ひどい言葉で罵られて話し合いにもなりませんでした。それどころか、ネットに実名を書き込むとか国交省に訴えるとかまで言われました。部屋を修理してくださった業者さんのほうは、こちらの味方をしてくれて、事情が事情だからと分割でのお支払いをこころよくOKしてくださいました。もちろん、2年半前に相続した部屋ですから、私のほうには敷金は入っておりません。ですが、返すのが決まりですから、何とか返金しなければ・・・と思っています。でも、こちらも、経済的にかなり難しい状況です。このような相談は、どこに(誰に)すべきなのでしょうか。(退去者の態度があまりに怖かったので、第三者に入ってもらいたい、と言うのも実情です。)不動産屋さんも割って入ってくれましたが、埒が明かない状態(罵り)でした・・・。ちなみに、不動産屋さんはネットに悪徳業者として名前を書かれてしまったそうで、申し訳ないことをしました。補足:退去者が請求してくる以前に、不動産屋さんからの精算書が届いており、回復工事に30万円ほどかかった旨と、退去者への敷金返却分として12万円が必要であるということでした(12万なら何とかすぐに都合がつくのですが)。その後、退去者から直接私に連絡があり、敷金全額+クリーニング代合計30万円を請求されました。驚いて不動産屋さんに連絡を取り、退去者と話し合ってもらったところ、悪徳業者扱いされてしまいました。

問題の概要:高額な原状回復費用請求と脅迫的な態度

賃貸マンションの敷金返還をめぐり、家主であるあなたが、前借主から高額な費用請求を受け、脅迫的な言動に苦慮されている状況です。具体的には、ハウスクリーニング費用、原状回復費用を家主負担とする主張、経年劣化を借主の責任とする主張、そして敷金全額返還要求など、家主にとって不当な要求がなされています。 現状では、約60万円(原状回復費用30万円以上を含む)の費用負担を求められており、経済的な負担が大きいため、分割払いも検討されていますが、前借主の激しい反発に遭っているとのことです。 さらに、不動産業者も巻き込まれ、悪徳業者としてネット上に書き込まれる被害を受けているという深刻な状況です。

問題点の分析:不当な請求と対応の難しさ

このケースの問題点は以下の通りです。

  • 不当な原状回復費用請求:経年劣化と借主の故意による損傷の区別が曖昧で、借主が過剰な請求をしている可能性が高いです。タバコのヤニや子供のシミなどは、明らかに借主の責任です。
  • ハウスクリーニング費用請求:ハウスクリーニング費用は、通常、家主が負担するものではありません。次の入居者への配慮として行うものであり、借主の負担とするのが一般的です。
  • 脅迫的な態度:ネットへの書き込みや国交省への訴えなどの脅迫行為は、許される行為ではありません。
  • 不動産業者への被害:不動産業者も巻き込まれ、悪徳業者として中傷されている点は、深刻な問題です。
  • 経済的負担:家主にとって、60万円という高額な費用を一括で負担することは困難です。

専門家の視点:弁護士や不動産管理会社への相談が不可欠

このような状況では、一人で抱え込まず、専門家の力を借りることが重要です。弁護士や不動産管理会社に相談することで、法的観点からのアドバイスを受け、適切な対応策を立てることができます。弁護士は、前借主との交渉や法的措置(訴訟など)を支援し、不動産管理会社は、敷金精算に関する専門的な知識や経験に基づいた助言を提供してくれます。

具体的な解決策:ステップバイステップで対応

  1. 証拠の収集:まずは、現状の証拠をしっかりと集めましょう。写真や動画で、損傷箇所の状態を記録し、賃貸借契約書、修繕費用明細書、やり取りしたメールや手紙なども保管してください。これらの証拠は、後々の交渉や訴訟において非常に重要になります。
  2. 弁護士への相談:弁護士に相談し、現状を説明し、法的アドバイスを受けましょう。弁護士は、前借主との交渉、内容証明郵便の送付、必要であれば訴訟提起などの対応をサポートしてくれます。弁護士費用はかかりますが、不当な請求を回避し、経済的な損失を防ぐためには、費用対効果が高い投資となります。
  3. 不動産管理会社への相談:不動産管理会社に相談し、専門的なアドバイスを受けましょう。彼らは、敷金精算に関する豊富な知識と経験を持っており、交渉や紛争解決のサポートをしてくれます。特に、今回のケースのように、不動産業者も巻き込まれている状況では、中立的な立場からの助言が非常に役立ちます。
  4. 交渉の記録:前借主との交渉は、必ず記録に残しましょう。メールや手紙だけでなく、電話でのやり取りもメモに残しておくと、後々証拠として役立ちます。また、交渉の際には、冷静さを保ち、感情的な発言を避けることが重要です。
  5. 分割払いの交渉:弁護士や不動産管理会社を通して、前借主と分割払いの交渉を行うことを検討しましょう。ただし、分割払いの条件は、弁護士や不動産管理会社と相談の上、慎重に決定する必要があります。
  6. 内容証明郵便の送付:交渉がまとまらない場合は、内容証明郵便で、あなたの主張を明確に伝えましょう。内容証明郵便は、証拠能力が高いため、後々の訴訟において有利に働きます。

予防策:賃貸経営における注意点

今回のトラブルを教訓に、今後の賃貸経営において以下の点に注意しましょう。

  • 賃貸借契約書の重要性:契約書には、原状回復に関する条項を明確に記載し、経年劣化と借主の責任による損傷を明確に区別しておくことが重要です。専門家に相談し、適切な条項を盛り込むことをお勧めします。
  • 定期的な部屋の点検:定期的に部屋を点検し、損傷箇所の状況を記録しておきましょう。写真や動画で記録を残しておけば、後々のトラブル発生時に証拠として役立ちます。
  • 信頼できる不動産会社との連携:信頼できる不動産会社と連携し、入居者とのトラブル発生時の対応をスムーズに行えるようにしておきましょう。不動産会社は、専門的な知識や経験に基づいたアドバイスを提供してくれます。
  • 保険の活用:賃貸経営用の保険に加入し、リスクを軽減しましょう。火災や地震などの自然災害だけでなく、借主とのトラブルによる損害もカバーする保険もあります。

まとめ:専門家への相談が最善策

敷金返還トラブルは、家主にとって大きな負担となる可能性があります。今回のケースのように、不当な請求や脅迫的な態度に直面した場合は、一人で抱え込まず、弁護士や不動産管理会社などの専門家に相談することが最善策です。早期の対応が、トラブルの拡大を防ぎ、経済的な損失を最小限に抑えることに繋がります。

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