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敷金全額没収の理不尽さ:東京都における賃貸借契約
6年間居住した1DKアパートからの退去後、敷金6万円が全額没収されたというご相談です。大家は不動産関連資格を持つ人物で、契約途中で直接契約に切り替えた点も不審な点です。提示された14万円の見積書は、襖、畳、ガラス、トイレ扉の修繕、塗装、クリーニング、業者派遣費などを含んでいますが、地震によるガラス破損や、居住期間に伴う通常の経年劣化を理由に全額請求するのは、明らかに不当な請求と言えるでしょう。
特に、「6万円ですませてやる」という大家の発言は、不当な請求を認識している証拠と言えるでしょう。東京都における賃貸借契約では、敷金は「原状回復費用」として使用されることが一般的です。しかし、その費用は通常使用による経年劣化は含まれません。
大家を懲らしめる方法:法的措置と交渉戦略
「大家を懲らしめたい」という強い気持ちは理解できますが、まずは冷静に法的措置を検討することが重要です。感情的な対応はかえって事態を悪化させる可能性があります。
1. 証拠集めと異議申し立て
まず、大家から送られてきた見積書、賃貸契約書、写真や動画など、全ての証拠を保管しましょう。特に、入居時の状態と退去時の状態を比較できる写真や動画は重要な証拠となります。
次に、大家からの指示通り、書面による異議申し立て書を作成しましょう。その際、以下の点を明確に記載しましょう。
- 見積書の不当性:各項目の費用が高額すぎる点、通常使用による経年劣化が含まれている点などを具体的に指摘します。
- 地震によるガラス破損:地震による被害は大家の負担であることを主張します。地震保険の適用についても確認しましょう。
- 過剰な請求額:14万円という請求額が妥当でないことを、具体的な根拠を挙げて主張します。
- 過去の事例:過去の4回の引越しで敷金が返還されていることを説明し、今回の対応の不公平さを訴えます。
- 具体的な返還金額の提示:妥当な金額を提示することで、交渉の余地を残します。
異議申し立て書は、内容証明郵便で送付することをお勧めします。内容証明郵便は、送付内容が確実に相手に届いたことを証明できるため、証拠として有効です。
2. 専門家への相談
弁護士や司法書士に相談することも有効です。専門家は、法律に基づいた適切なアドバイスと、必要であれば裁判などの法的措置をサポートしてくれます。東京都には、賃貸借トラブルに関する相談窓口も多数ありますので、利用することを検討しましょう。
3. 交渉のポイント
交渉の際には、感情的にならず、冷静かつ論理的に対応することが重要です。大家の言い分を聞き、反論する際には具体的な根拠を提示しましょう。「水掛け論」と一蹴されるような言い方は避け、客観的な証拠に基づいた主張を心がけましょう。
具体的な事例と専門家の視点
過去に同様のトラブルを経験した事例として、裁判で大家の過剰な請求が認められず、敷金が返還されたケースがあります。この事例では、専門家が作成した詳細な報告書と、入居時・退去時の写真が重要な証拠となりました。
また、不動産鑑定士などの専門家の意見を参考に、客観的な修繕費用を算出することも有効です。これにより、大家の主張の不当性をより明確に示すことができます。
まとめ:冷静な対応と専門家の力を借りる
敷金全額没収という理不尽な状況ですが、感情に左右されず、冷静に対処することが大切です。証拠集め、専門家への相談、そして論理的な交渉を通して、少しでも敷金を返還してもらう努力をしましょう。大家を懲らしめるという目的も理解できますが、法的かつ合理的な手段を用いることで、より効果的な結果が得られるでしょう。