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投資用マンション購入:営業マンの主張の検証と潜在リスク
大阪市内駅近1DKの新築マンション投資、魅力的な提案ですが、安易な判断は危険です。営業マンの説明には楽観的な部分があり、見過ごしているリスクも存在します。一つずつ検証し、具体的な対策を検討しましょう。
1. 家賃下落リスクと節税効果
営業マンの主張:立地が良いので家賃は下落しない。仮に家賃が下がっても節税効果で損はしない。
現実:確かに駅近は強みですが、家賃相場は常に変動します。築30年物件の家賃が現在と変わらないのは、あくまで現状維持であって、将来も保証するものではありません。需要の変化、競合物件の増加、経済状況の悪化など、家賃下落要因は数多く存在します。
また、節税効果はあくまで税金対策であり、家賃収入の減少を完全に相殺するものではありません。計算書では節税効果を含めて黒字になっているかもしれませんが、節税効果を差し引いた純粋な収益がプラスかどうかを厳しく検証する必要があります。
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具体的な対策:
* **空室リスクを考慮したシミュレーション:** 家賃を段階的に下げていくシミュレーションを行い、空室期間を考慮した収支予測を作成しましょう。
* **周辺相場調査の徹底:** 類似物件の賃料だけでなく、築年数、設備、管理状況なども比較検討し、より現実的な家賃設定を想定します。
* **専門家への相談:** 税理士や不動産投資に詳しいファイナンシャルプランナーに相談し、節税効果を正確に把握しましょう。
2. 金利上昇リスクと売却益
営業マンの主張:金利が4%にならない限り収支はマイナスにならない。金利上昇時は売却で利益を出せる。
現実:金利上昇は確かにリスクです。現在の低金利はいつまでも続くとは限りません。仮に金利が上昇し、売却せざるを得なくなった場合、売却価格が購入価格を下回れば損失が発生します。築20年物件の価格を根拠にしていますが、市場状況や物件状態によって価格は大きく変動します。
具体的な対策:
* **金利上昇シミュレーションの精緻化:** 複数の金利上昇シナリオを想定し、それぞれのケースにおける収支をシミュレーションしましょう。変動金利と固定金利のメリット・デメリットを比較検討することも重要です。
* **売却時の市場動向調査:** 定期的に周辺の不動産市場動向を調査し、売却価格の変動を把握しましょう。
* **余裕資金の確保:** 予想外の事態に備え、ある程度の余裕資金を確保しておきましょう。
3. 修繕積立金とリフォーム費用
営業マンの主張:通常のリフォームは修繕積立金でまかなえる。
現実:修繕積立金は、建物の共用部分の修繕費用を賄うためのものです。専有部分のリフォーム費用は、原則として自己負担です。また、修繕積立金が不足するケースも考えられます。
具体的な対策:
* **修繕積立金の積立計画の確認:** 修繕積立金の積立計画書を入手し、将来的な修繕費用を具体的に確認しましょう。
* **修繕計画の現実性:** 修繕計画が現実的なものか、専門家に見てもらうことを検討しましょう。
* **修繕積立金の不足リスクへの備え:** 修繕積立金が不足するリスクに備え、追加費用を負担できるだけの資金を確保しておく必要があります。
4. その他のリスク
* **空室リスク:** 入居者が見つからない期間が発生するリスク。家賃収入が途絶えるため、ローンの返済に影響します。
* **管理会社のリスク:** 管理会社が倒産した場合、管理業務に支障をきたす可能性があります。営業マンの「他の会社が引き継ぐ」という説明は、保証ではありません。
* **税金・保険料:** 固定資産税、都市計画税、火災保険料などの費用も考慮する必要があります。
* **不動産価格の下落リスク:** 不動産市場の動向によっては、物件価値が下落する可能性があります。
5. 管理費の経費計上について
管理費を実際に支払わなくても経費になるという説明は、正確ではありません。経費として計上できるのは、実際に支払った費用です。
結論:慎重な判断と専門家への相談が不可欠
投資用マンション購入は、高額な買い物であり、大きなリスクを伴います。営業マンの説明を鵜呑みにせず、自身の判断でリスクを十分に評価し、専門家の意見も参考にしながら慎重に判断することが重要です。
Excelによるシミュレーションは有効なツールですが、それだけでは不十分です。想定外の事態も考慮し、最悪のシナリオも想定した上で、投資判断を行うべきです。