愛犬の認知症、その兆候と飼い主さんの不安への対応

飼い犬で痴呆症になってしまった方、まえぶれのようなものはありましたか? 我が家の15歳のシーズーですが、年を取ったせいか気になることがいくつかあります。 抱っこをされるのが嫌がる。小さい頃は大好きでした。 落ち着きなく廊下や部屋を歩いている。 ずっと玄関のほうを見ている。 かかりつけの病院に相談したら「年齢も高齢だから痴呆症のようなもの」と言います。 でもトイレもきちんとできているし、家に帰ったりすると反応して喜んだりなでられればしっぽも振っています。夜もちゃんと寝ています。今はできているけど、これから進行してしまうのか不安です。 飼い犬で痴呆症になってしまったかた、初めはどんな感じでしたか? 飼い主を分からなくなってしまうことが一番心配です。

愛犬の認知症(犬認知機能障害:CCD)とは?

愛犬の高齢化に伴い、心配になるのが「認知症」ではないでしょうか。正式には「犬認知機能障害(Canine Cognitive Dysfunction:CCD)」と呼ばれ、人間のアルツハイマー病と似た症状を示します。 15歳という年齢はシーズー犬にとって高齢期にあたり、CCDを発症する可能性は高くなります。 トイレができる、飼い主を認識するなど、症状は様々で、進行も個体差が大きいため、早期発見が大切です。

CCDの初期症状:あなたの愛犬は大丈夫?

ご質問にある症状は、CCDの初期症状として十分考えられます。具体的に見ていきましょう。

行動の変化

* 抱っこを嫌がるようになった: 以前は大好きだった抱っこを嫌がるようになったのは、触覚過敏や不安感の表れかもしれません。高齢犬は体の痛みや不快感を感じやすくなり、抱っこが負担になっている可能性があります。
* 落ち着きなく歩き回る: これは「徘徊」と呼ばれる症状で、CCDの代表的な兆候の一つです。場所の認識が曖昧になり、落ち着かない行動を取ることがあります。
* 玄関を見つめる: これは「見失い」という症状に関連している可能性があります。過去の記憶に囚われ、かつてよく通った場所や、家族が帰ってくるのを待ち続ける行動です。

これらの症状は、必ずしもCCDを示すものではありませんが、高齢犬においては注意深く観察する必要があります。 他の原因(痛み、聴覚・視覚の低下など)の可能性も考慮し、獣医師への相談が不可欠です。

CCDの進行と対処法

CCDは徐々に進行していく病気です。初期段階では、上記のような比較的軽微な症状が現れますが、進行すると、以下の様な症状が現れる可能性があります。

進行したCCDの症状

* 昼夜逆転: 夜に活動的になり、日中は眠っている時間が長くなる。
* 排泄の失敗: トイレを覚えているのに、場所を間違えたり、我慢できなくなったりする。
* 家の中で迷子になる: 以前はよく知っていた場所でも迷ってしまう。
* 攻撃性や不安の増大: 普段は穏やかな犬が、攻撃的になったり、過度に不安になったりする。
* 飼い主の認識の低下: 最終的には飼い主を認識できなくなるケースもある。

しかし、ご安心ください。 CCDは完全に治る病気ではありませんが、進行を遅らせ、愛犬の生活の質(QOL)を向上させるための治療やケアがあります。

具体的な対処法と獣医師との連携

愛犬の症状が気になる場合は、すぐに獣医師に相談しましょう。 獣医師は、身体検査や血液検査などを行い、CCDかどうかを診断します。 診断された場合、以下の様な治療やケアが提案される可能性があります。

獣医師による治療

* 薬物療法: 認知機能改善薬の投与により、症状の進行を遅らせる効果が期待できます。
* サプリメント: 脳の健康をサポートするサプリメントの投与。

飼い主さんによるケア

* 環境調整: 愛犬が安全で落ち着ける環境を作る。家具の配置を変えたり、滑りにくい床材を使用したりする。
* 規則正しい生活: 食事や散歩の時間を決めることで、愛犬のリズムを整える。
* 認知機能トレーニング: 簡単な訓練や遊びを通して、脳を活性化させる。
* ストレス軽減: 愛犬がリラックスできる環境を作る。優しく語りかけたり、撫でたりする。
* 食事療法: 脳の健康に良いとされる栄養素を含む食事を与える。

具体的な環境調整の例

* 夜間の照明: 夜間は薄暗い照明を点灯させて、愛犬が落ち着いて過ごせるようにする。
* トイレの場所: トイレの場所を分かりやすくする。
* 家具の配置: 家具の配置を固定し、愛犬が迷子にならないようにする。

専門家の視点:動物行動学者のアドバイス

動物行動学者によると、CCDの愛犬への接し方として、以下の点が重要です。

* 優しく、穏やかに接する: 焦らず、ゆっくりと、優しく接することが大切です。
* 無理強いしない: 愛犬が嫌がることを無理強いしない。
* 日常のルーティンを守る: 愛犬が安心できる日常のルーティンを守る。
* コミュニケーションを大切にする: 愛犬とコミュニケーションを取り、安心感を与える。

まとめ:愛犬との時間を大切に

CCDは悲しい病気ですが、適切なケアを行うことで、愛犬の生活の質を向上させることができます。 獣医師との連携を密にし、愛犬の症状に合わせた適切な治療やケアを行いましょう。 そして、何よりも大切なのは、愛犬との時間を大切に過ごすことです。 愛犬の小さな変化にも気づき、愛情をもって接することで、愛犬は安心し、幸せな時間を過ごすことができるでしょう。

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