Contents
愛犬の行動変化:老犬性認知症(CDS)の可能性と他の病気
14歳の中型犬は高齢期に差し掛かっています。 最近見られる「朝方からクゥンと鳴いて散歩をせがむ」「散歩後すぐにまたせがむ」といった行動は、老犬性認知症(Canine Cognitive Dysfunction:CDS)の可能性も考えられますが、必ずしもそれだけが原因とは限りません。 ご心配されているように、ネットの情報だけでは正確な診断は不可能です。 記載されているCDSの症状チェックリストに全て当てはまらないからといって、CDSではないと断言することはできません。 症状は犬によって異なり、進行も段階的です。
老犬性認知症(CDS)とは?
老犬性認知症(CDS)は、犬の高齢化に伴い脳の機能が低下することで起こる病気です。 人間の高齢者で起こる認知症と同様、記憶力や学習能力の低下、行動の変化などがみられます。 具体的な症状としては、質問文にも挙げられている以下のものがあります。
- 昼夜逆転
- 徘徊
- 排泄場所の失敗
- 学習能力の低下
- 飼い主への反応の低下
- 不安や恐怖の増加
- 夜間の鳴き声
しかし、これらの症状は他の病気でも見られるため、注意が必要です。
CDS以外の可能性
愛犬の症状から、CDS以外の可能性も検討する必要があります。
ネットで買うなら?いろのくにのおすすめインテリア(PR)
- 痛みや不快感:関節炎などの痛みや、膀胱炎などの泌尿器系の問題で、落ち着きがなくなり、散歩をせがむようになる可能性があります。特に、散歩中に痛みを訴えるような仕草がないか、排尿・排便の様子に変化がないかを確認しましょう。
- 不安やストレス:環境の変化、家族構成の変化、新しいペットの導入など、様々なストレス要因が行動変化を引き起こす可能性があります。 普段と違う行動がないか、環境に変化がないかを確認してみましょう。
- 聴覚・視覚の低下:高齢犬では聴覚や視覚の低下も起こりやすく、周囲の音や変化に気づきにくくなることで、不安を感じ、散歩をせがむようになる可能性があります。愛犬の五感の衰えに気づいていないかもしれません。
- その他の病気:甲状腺機能低下症、クッシング症候群など、内分泌系の病気も行動変化を引き起こすことがあります。
動物病院への受診:的確な診断と治療のために
散歩に行きたがることだけが症状だからと受診をためらわないでください。 愛犬の年齢や行動の変化を獣医に伝えることで、適切な検査と診断を受けることができます。 獣医は、問診、身体検査、血液検査、場合によってはレントゲン検査やMRI検査などを行い、原因を特定しようとします。
獣医への伝え方
獣医に相談する際には、以下の情報をできるだけ具体的に伝えましょう。
- 症状の開始時期と経過:いつから症状が出始めたのか、どのように変化してきたのかを詳しく説明しましょう。
- 症状の詳細:散歩をせがむ頻度、時間帯、その他の行動の変化などを具体的に伝えましょう。 例えば、「朝6時から1時間おきにせがみ、散歩から帰ってもすぐにせがむ」といったように、具体的な時間や頻度を伝えることが重要です。
- 普段の生活の様子:食事量、睡眠時間、排泄の様子、遊びの様子など、普段の生活の様子も詳しく伝えましょう。 体重の変化にも注意しましょう。
- 既往歴:過去の病気や治療歴があれば、それも伝えましょう。
獣医は症状を「取り合わない」ことはありません
「散歩に行きたがるだけ」という症状でも、獣医は必ず真摯に対応してくれます。 愛犬の健康状態を心配する飼い主さんの気持ちは、獣医も十分理解しています。 むしろ、早期に相談することで、病気の早期発見・早期治療につながり、愛犬のQOL(生活の質)を向上させることができます。
具体的なアドバイス:愛犬との時間を大切に
愛犬の行動変化の原因が何であれ、まずは落ち着いて観察し、獣医への相談を優先しましょう。 同時に、以下の点にも注意してみましょう。
- 規則正しい生活:食事、散歩、睡眠の時間をできるだけ一定に保ち、愛犬に安心感を与えましょう。 特に、夜間の鳴き声が気になる場合は、就寝前の散歩をしっかり行い、落ち着ける環境を整えましょう。
- 環境の整備:愛犬が安全で落ち着ける空間を確保しましょう。 滑りやすい床にはマットを敷いたり、段差を解消したりするなどの工夫も有効です。 また、視覚や聴覚の低下に対応するため、明るい照明や、愛犬が聞き取りやすい音で話しかけることも重要です。
- コミュニケーション:愛犬と積極的にコミュニケーションを取りましょう。 撫でたり、話しかけたり、一緒に遊んだりすることで、愛犬の不安を軽減し、心の繋がりを深めることができます。
- サプリメントの検討:獣医の指導の下、老犬のためのサプリメントを検討することもできます。 ただし、サプリメントは治療薬ではなく、あくまで補助的な役割です。
まとめ:早期発見、早期治療が大切
愛犬の行動変化は、老犬性認知症や他の病気のサインかもしれません。 「散歩に行きたがるだけ」と安易に考えず、獣医に相談し、適切な診断と治療を受けることが大切です。 愛犬との時間を大切に、少しでも長く健康で幸せな生活を送れるようサポートしましょう。