建築模型のボリューム模型とは?初心者向け解説と作成手順

大学の建築の授業でボリューム模型を作って持って来いとプリントに書かれていたのですが、全くの素人状態なのでボリューム模型とは何ぞやとネットで調べてみたら、家の模型の側面だけで内部は一切作ってなかったり(空洞状態)していたのですが、部屋の間取りなどに一切触れてないようなものでも外観だけ出来ていればいいのでしょうか?

ボリューム模型とは?

ボリューム模型とは、建築物の形状やボリューム感を表現するために作られる模型です。正確な間取りや内装を再現する精密模型とは異なり、建物の外形や大きさ、配置、周囲との関係性などを視覚的に捉えることを目的としています。そのため、内部構造は簡略化されることが多く、空洞になっている場合もあります。

しかし、「外観だけ出来ていれば良い」とは一概に言えません。ボリューム模型は、建物の全体像を理解し、デザインの意図を伝えるためのツールです。そのため、建物の主要な特徴プロポーション周囲の環境との調和などを的確に表現することが重要になります。

例えば、建物の高さや幅、奥行きといった基本的な寸法を正確に表現することはもちろん、建物のシルエットボリューム感素材感などを適切に表現する必要があります。また、周囲の建物や地形との関係性も考慮し、模型全体としてバランスの良い表現を目指すことが大切です。

ボリューム模型で重要な要素

ボリューム模型を作成する上で、特に注意すべき点を以下にまとめます。

1. スケールと寸法の正確性

模型のスケールを決めたら、それに基づいて正確な寸法で作成することが重要です。寸法が間違っていると、建物のプロポーションが崩れてしまい、デザインの意図が伝わらなくなってしまいます。正確な寸法を測るために、設計図や図面を参考にしましょう。

2. 形状とボリューム感の表現

ボリューム模型では、建物の形状とボリューム感を的確に表現することが重要です。建物の特徴的な部分や、デザインのポイントとなる部分を強調するように作成しましょう。例えば、建物の出入りや、屋根の形、窓の位置などを正確に表現することで、建物の個性や魅力を効果的に伝えることができます。

3. 素材の選択

模型の素材は、建物の素材感を表現する上で重要な役割を果たします。例えば、木造建築であれば木材、鉄骨造であれば金属板など、建物の素材に合った素材を選ぶことで、よりリアルな表現が可能です。また、素材の色や質感も考慮し、建物の雰囲気を効果的に表現しましょう。

4. 周囲環境との調和

ボリューム模型は、建物単体だけでなく、周囲の環境との関係性も表現することが重要です。周囲の建物や地形、植栽などを簡略化して表現することで、建物が周囲の環境にどのように調和しているのかを視覚的に理解することができます。

5. デザインの意図の明確化

ボリューム模型は、建築デザインの意図を明確に伝えるためのツールです。模型を作成する際には、デザインのコンセプトや、建物の機能、デザインの特徴などを明確に理解し、それらを模型に反映させるようにしましょう。

ボリューム模型作成の手順

それでは、ボリューム模型作成の手順をステップごとに見ていきましょう。

1. 設計図・図面の確認

まず、設計図や図面を丁寧に確認し、建物の形状、寸法、主要な特徴などを把握します。特に、建物の高さ、幅、奥行き、屋根の形、窓の位置などは正確に把握する必要があります。

2. スケールの決定

模型のスケールを決定します。スケールは、模型の大きさだけでなく、模型の精細度にも影響します。大きな模型であれば、より詳細な表現が可能になりますが、作成には時間がかかります。小さな模型であれば、作成時間は短縮できますが、表現できる情報量は限られます。

3. 材料の準備

模型作成に必要な材料を準備します。材料としては、発泡スチロール、木材、厚紙、粘土など、様々なものが利用できます。それぞれの材料の特徴を理解し、建物の素材感や表現したい雰囲気に合わせて適切な材料を選びましょう。カッター、接着剤、定規、鉛筆などの道具も忘れずに準備しましょう。

4. 模型の作成

材料をカット、接着して建物の形状を組み立てていきます。設計図を参考に、正確な寸法で作成することが重要です。複雑な形状の場合は、事前に下書きを作成し、慎重に作業を進めましょう。

5. 表面の仕上げ

模型の表面を仕上げます。表面の仕上げ方によって、模型全体の印象が大きく変わってきます。塗装、貼り付け、彫刻など、様々な仕上げ方法があります。建物の素材感や雰囲気に合わせて、適切な仕上げ方法を選びましょう。

専門家の視点:建築模型の役割

建築模型は、設計者とクライアント、そして関係者間のコミュニケーションツールとして非常に重要な役割を果たします。建築家である山田先生に話を伺いました。

「ボリューム模型は、設計の初期段階でアイデアを視覚化し、クライアントとのコミュニケーションを円滑に進めるために非常に有効です。精密な模型とは異なり、大まかな形状とボリューム感を捉えることで、デザインの全体像を把握しやすく、クライアントにも理解しやすいというメリットがあります。また、複数の案を比較検討する際にも、ボリューム模型は非常に役立ちます。」

まとめ

ボリューム模型は、建築物の形状とボリューム感を表現するための模型であり、内部構造は簡略化されることが一般的です。しかし、外観だけで良いわけではなく、建物の主要な特徴やプロポーション、周囲の環境との調和などを的確に表現することが重要です。正確な寸法、適切な素材、そしてデザインの意図を明確に表現することで、効果的なボリューム模型を作成できます。

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