建築・インテリアデザインの課題で「面白み」を出す方法:エスキスから考える創造性と独自性

建築、インテリア系の学生をしています。いつも課題が出るたび、自分の作品は面白く無いなと感じます。先生にはエスキスでも、もう少し工夫した方がいいと言われました。面白くしようとすればするほど、何も思い浮かばなくて、何かを参考にしようとすればパクリみたいな作品になってしまいます。先生から評価される子はいつも同じ子で、少し変わったデザインや、何か実用性以外で面白みのあるデザインをしています。私はどうしたらそうなれますか?

建築やインテリアデザインの学生にとって、課題作品に「面白み」を持たせることは大きな課題です。オリジナリティを追求する中で、模倣に陥ったり、アイデアが枯渇したりする経験は誰しもあるでしょう。しかし、優れたデザインは、単なる機能性だけでなく、独自の視点や発想から生まれます。この記事では、エスキス段階から工夫することで、オリジナリティあふれる、先生や周囲を魅了する作品を生み出すための具体的な方法を解説します。

1. エスキスの段階から「なぜ?」を問いかける

多くの学生がつまづくのは、デザインの「目的」を明確にせずに、形から先に考えてしまう点です。まずは、課題に対して「なぜ?」と繰り返し問いかけ、デザインの根底にあるコンセプトを明確にすることが重要です。例えば、「高齢者向け住宅のデザイン」という課題であれば、単に「住みやすい空間」を作るだけでなく、「高齢者のどのようなニーズに応えるのか」「どのような生活を提案したいのか」を深く掘り下げて考える必要があります。

  • 課題の背景を徹底的に調査する:高齢化社会の現状、高齢者の生活実態、介護の課題などを調べ、具体的な数値データや事例を収集しましょう。
  • ターゲットユーザー像を明確にする:年齢、生活習慣、価値観などを具体的に設定し、ペルソナを作成することで、デザインの方向性が定まります。
  • デザインの目的を明確にする:単なる機能性だけでなく、ユーザーの感情や生活への影響、社会的な意義などを考慮しましょう。

2. インスピレーションの源泉を広げる:日常生活からデザインを発見する

デザインのアイデアは、特別な場所から生まれるわけではありません。日常生活の中にこそ、多くのインスピレーションが隠されています。普段何気なく見ている風景、触れているもの、感じている感情など、あらゆるものをデザインのヒントとして捉えましょう。

  • 美術館やギャラリーへの訪問:様々なデザインに触れることで、感性を磨くことができます。絵画、彫刻、建築、プロダクトデザインなど、ジャンルを問わずに鑑賞しましょう。
  • 旅行や自然体験:普段とは異なる環境に身を置くことで、新鮮な刺激を受け、新しい発想が生まれることがあります。写真やスケッチを通して、感じたことを記録しておきましょう。
  • 映画や音楽、文学作品:表現方法やストーリー展開から、デザインへの着想を得ることができます。特に、空間演出や色彩表現に注目してみましょう。
  • 素材やテクスチャの観察:木、石、金属、布など、様々な素材の質感や色合いを丁寧に観察することで、新しいデザインの可能性が見えてきます。

3. 既存のデザインを「解体」し、再構築する

参考にすることは悪いことではありません。しかし、単に模倣するのではなく、既存のデザインを「解体」し、その要素を再構築することで、独自のアイデアを生み出すことができます。例えば、既存の家具のデザインを分解し、素材、形状、機能などを再考することで、全く新しい家具のデザインが生まれる可能性があります。

  • デザインの要素を分解する:既存のデザインを構成する要素(素材、形状、機能、色、空間構成など)を一つずつ分析し、それぞれの要素がどのような役割を果たしているのかを理解しましょう。
  • 要素を組み合わせる:異なるデザインの要素を組み合わせることで、新しいデザインを生み出すことができます。例えば、伝統的な建築様式と現代的な素材を組み合わせるなど、異質な要素の融合を試みましょう。
  • 要素を変化させる:既存の要素を、サイズ、形状、素材、色などを変化させることで、新しいデザインを生み出すことができます。例えば、既存の椅子を、より小さく、より軽く、よりカラフルにするなど、大胆な変化を試みましょう。

4. 専門家の意見を積極的に取り入れる

先生や先輩、他の学生など、周囲の人からのフィードバックは、デザインを改善する上で非常に重要です。積極的に意見を求め、自分の作品を客観的に評価してもらいましょう。特に、デザインのプロフェッショナルからのアドバイスは、あなたのデザインスキル向上に大きく貢献します。

  • 批評会に参加する:自分の作品を発表し、他者からの意見を聞くことで、新たな視点を得ることができます。
  • 先生に積極的に質問する:課題に対する疑問点や、デザインに関する悩みを先生に相談しましょう。具体的なアドバイスをもらえるだけでなく、デザインに対する考え方を学ぶことができます。
  • デザイン関連の書籍やウェブサイトを活用する:デザインの理論や手法、著名なデザイナーの作品などを学ぶことで、デザインスキルを向上させることができます。

5. 「面白み」とは何かを再定義する

「面白み」とは、必ずしも奇抜さや斬新さだけではありません。ユーザーにとって「便利さ」「心地よさ」「驚き」「感動」など、様々な要素が「面白み」を生み出します。あなたのデザインが、ユーザーにとってどのような価値を提供するのかを常に意識しましょう。例えば、機能性とデザイン性を両立させた、ユーザーフレンドリーなデザインは、高い評価を得る可能性があります。

6. 失敗から学ぶ:試行錯誤を繰り返す

デザインは、試行錯誤の繰り返しです。最初はうまくいかないことの方が多く、失敗から学ぶことが重要です。失敗を恐れずに、様々なアイデアを試してみましょう。そして、その過程で得られた経験や学びを、次のデザインに活かしていくことが大切です。

デザインにおける「面白み」は、一朝一夕で身につくものではありません。継続的な学習と実践を通して、独自の感性を磨いていくことが重要です。上記の方法を実践し、自分自身のデザインに対する探求心を高めていきましょう。

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