寿司屋の厨房換気扇:風量計算と適切な換気扇選び

寿司屋のフードに換気扇を取り付けましたが排気が悪いのでは?と言われました。換気扇の能力を決定するための風量計算がよくわかりませんので、ご存じの方がおられましたらわかりやすく教えていただけませんか? フードの寸法はW=3250・H=700・D=600の角型ステンレス製で天井に取り付けられてあります。 設計ではW=900・H=500・D=600の小さなフードでしたので25cmタイプの金属換気扇を取り付けてしまいました。 しかし実際の設置現場を見たらあまりの大きさにどうしたらよいものかと思案中です。フードを交換するわけにもいかないので、新規に換気扇取り付け枠部を開口して能力に見合う換気扇をとりつけたいのです。

厨房換気扇の重要性と風量計算の必要性

飲食店、特に寿司屋のような生魚を扱う店舗では、厨房の換気は衛生管理と従業員の健康、そして快適な環境維持に非常に重要です。適切な換気扇を選定しなければ、油煙や水蒸気、臭気がこもり、作業環境が悪化するだけでなく、火災リスクの増加や食中毒の原因にもなりかねません。そのため、換気扇の能力を正確に計算し、適切な機種を選ぶことが不可欠です。 設計段階と実際の設置状況にずれが生じた今回のケースでは、換気扇の能力不足が指摘されているため、早急な対策が必要です。

風量計算の手順と必要な情報

換気扇の風量計算は、いくつかの要素を考慮する必要があります。まず、以下の情報が必要です。

  • フードの寸法:今回のケースでは、W=3250mm、H=700mm、D=600mmと既に分かっています。
  • 調理機器の種類と数:ガスコンロ、フライヤー、グリルなど、それぞれの機器の熱出力(kW)が必要です。寿司屋の場合、ガスコンロ、焼き物機器などが該当します。それぞれの機器の熱出力はメーカーの仕様書を確認しましょう。
  • 換気回数:1時間に何回空気を入れ替えるかを決めます。厨房の規模や調理内容によって異なりますが、寿司屋では一般的に6回/時~10回/時程度が目安です。衛生管理基準を満たすためには、より高い換気回数を設定する必要があるかもしれません。専門業者に相談することをお勧めします。
  • 室内の容積:厨房の広さを計算します。長さ×幅×高さで算出できます。

風量計算式

風量は、以下の式で計算できます。

風量(㎥/h)= 換気回数 × 室内の容積(㎥)

具体的な計算例

仮に、厨房の容積が100㎥で、換気回数を8回/時とすると、

風量(㎥/h)= 8回/時 × 100㎥ = 800㎥/h

となります。この風量を確保できる換気扇を選ぶ必要があります。

適切な換気扇の選定

風量計算の結果に基づき、適切な換気扇を選定します。 重要なのは、計算で求めた風量を余裕を持って確保できる機種を選ぶことです。 また、以下の点にも注意しましょう。

  • 静圧:換気扇が空気を排出する能力を表します。フードの形状やダクトの長さ、抵抗などによって必要な静圧は変化します。 大きなフードや長いダクトの場合は、高い静圧の換気扇が必要です。専門業者に相談して適切な静圧を算出してもらいましょう。
  • 騒音レベル:厨房の環境に配慮し、騒音レベルの低い換気扇を選びましょう。特に、客席に近い場所への設置の場合は重要です。
  • 耐久性:油煙や水蒸気に耐えられる耐久性の高い換気扇を選びましょう。ステンレス製のものがおすすめです。
  • メンテナンス性:清掃やフィルター交換が容易な機種を選びましょう。定期的なメンテナンスは、換気扇の寿命を延ばし、効率的な換気を維持するために重要です。

専門家への相談

今回のケースのように、設計と実際の状況に大きな違いがある場合、または風量計算に自信がない場合は、専門業者への相談を強くお勧めします。 換気設備の専門業者は、適切な換気扇の選定だけでなく、設置方法やメンテナンスについてもアドバイスしてくれます。 安全で効率的な厨房環境を維持するためには、専門家の知見を借りることが非常に重要です。

既存フードへの換気扇取り付け

既存のフードに新しい換気扇を取り付ける場合は、開口部のサイズや位置、ダクトの接続方法などを慎重に検討する必要があります。 無理な取り付けは、換気効率の低下や安全上の問題につながる可能性があります。 専門業者に相談し、安全で適切な取り付け方法を検討しましょう。

まとめ:安全で快適な厨房環境のために

厨房の換気は、衛生管理や従業員の健康、そしてお店の運営に欠かせない要素です。 適切な風量計算に基づいた換気扇の選定と設置は、安全で快適な厨房環境を維持するために非常に重要です。 不明な点や不安な点がある場合は、専門業者に相談し、適切なアドバイスを受けることをお勧めします。 適切な換気システムを導入することで、より安全で快適な、そして生産性の高い厨房環境を実現できます。

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