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建蔽率と容積率:基本的な理解
まず、建蔽率と容積率の基本的な違いを理解しておきましょう。これらは、建築基準法によって定められた、土地の利用に関する重要な指標です。
* 建蔽率:敷地面積に対する建築面積の割合です。建築面積とは、建物の外壁の中心線で囲まれた面積を指します。簡単に言うと、土地に対してどれだけの面積の建物が建てられるかを表す数値です。例えば、建蔽率が60%の場合、100㎡の土地には最大60㎡の建物を建てることができます。
* 容積率:敷地面積に対する建築延床面積の割合です。建築延床面積とは、建物の各階の床面積の合計です。建蔽率と違い、建物の高さも考慮されます。容積率が200%の場合、100㎡の土地には最大200㎡の延床面積の建物が建てられます。高層建築が可能になるほど、容積率は高くなります。
造り付け本棚と建蔽率・容積率の関係
ご質問の造り付け本棚ですが、高さ140cm、面積20㎡の本棚は、建蔽率に算入されます。 これは、本棚が建築物の一部とみなされるためです。建築基準法では、建築物に含まれる部分として明確に規定されています。
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ただし、容積率については、本棚の高さが居室部分の天井高(250cm)より低い140cmであるため、本棚部分は容積率の計算には含まれません。 容積率は床面積を基準に計算されるため、140cmの本棚の上部は居住空間として認識されず、容積率には影響を与えません。
言い換えれば、本棚は床面積を増加させるものではないため、容積率には影響を与えないのです。しかし、本棚が建築物の一部である以上、その床面積は建蔽率に含まれることになります。
具体的な計算例と注意点
仮に、敷地面積が100㎡、建蔽率が60%の土地に建物を建てる場合を考えてみましょう。
* 建物本体の建築面積:100㎡ × 60% = 60㎡
* 造り付け本棚の面積:20㎡
* 建物全体の建築面積(建蔽率計算):60㎡ + 20㎡ = 80㎡
この場合、建蔽率は80%となり、建築基準法に抵触する可能性があります。 建蔽率を超えてしまう場合は、建築許可が下りない可能性が高いです。
専門家への相談が重要
建築計画において、容積率や建蔽率の計算は複雑で、土地の形状や周辺環境など様々な要因によって影響を受けます。 ご自身の計画が建築基準法に適合しているかを確認するためには、建築士や不動産会社などの専門家への相談が不可欠です。 彼らは、正確な計算を行い、法令に則った設計図の作成を支援してくれます。
インテリアデザインとの調和
容積率や建蔽率の問題は、建築計画の初期段階で解決しておくべき重要な事項です。しかし、同時に、インテリアデザインとの調和も考慮しなければなりません。 高さ140cmの本棚は、部屋の空間を圧迫する可能性があります。
空間デザインの工夫
* 色使い: 本棚の色を壁の色と近似の色にすることで、圧迫感を軽減できます。例えば、壁が白であれば、白またはオフホワイトの本棚を選ぶと良いでしょう。今回のケースでは、ブラウンの壁にブラウン系の本棚が自然に溶け込むでしょう。
* 素材感: 本棚の素材も重要です。木製の温かみのある素材や、ガラス扉を採用することで、軽やかな印象を与えることができます。
* 間接照明: 本棚に間接照明を取り付けることで、空間の奥行きを演出できます。また、読書灯としても活用できます。
* 収納方法: 本棚の収納方法も工夫することで、圧迫感を軽減できます。例えば、オープンシェルフと引き出しを組み合わせることで、収納力と視覚的な軽さを両立できます。
まとめ:計画段階での綿密な検討を
造り付け本棚の設置は、建蔽率に影響を与えます。容積率には影響しませんが、建築計画全体を考慮し、専門家と相談しながら進めることが重要です。 また、インテリアデザインの観点からも、空間の圧迫感を軽減する工夫を凝らしましょう。 計画段階での綿密な検討が、快適な住空間を実現するための鍵となります。