家賃滞納と夜逃げ、そして自力救済禁止:大家さんの行為は違法?

民法の「自力救済禁止」について教えてください。 例えなのですが 何カ月分もの家賃を払わずに夜逃げしてしまった賃借人の部屋に 大家さんが勝手に入り込んで、賃借人の荷物を回収しこれを売り払うことで 滞納していた家賃分に充てちゃって債権を回収した、という場合で教えてください。 この場合、大家さんは先取特権によって家賃債権を回収できるけども 賃借人の許可無く部屋に入り込む権利はないので、 この一連の行為はやっちゃいけない・・・ ってことで、こういうのが自力救済禁止なのでしょうか? そもそも先取特権といっても自分で即売り払うのがOKなのか、 先取特権も良く分からないので「?」状態です・・・ (夜逃げした時点で賃貸借契約が切れる(?)ので 賃借権は消えるから部屋に入るのはOKで売払うのがアウトでしょうか?) それとも大家さんがしたこの行為は自力救済に当たらず適法な行為なのでしょうか? この大家さんに限らず、他に分かりやすい例があれば教えてください。 万引きした客を防犯カメラで監視してた店員がとっさに追いかけ追いつき 無理やりバッグから商品を取り戻す・・・・ なんていうのも考えたのですがなんか違う気がします。 自力救済以前に暴行罪?とかになりそうで。上手い例えはないでしょうか。 また、行政行為の効果の「自力執行力」は 民法でいう自力救済と同じ様なものという認識でOKですか?

家賃滞納と夜逃げ:大家さんの行為は自力救済に当たるのか?

ご質問にある大家さんの行為は、残念ながら民法上の「自力救済禁止」に抵触します

まず、重要なのは「自力救済禁止」の原則です。これは、民法第188条に規定されており、自分の権利を侵害された場合でも、自ら力によって救済してはならないという原則です。裁判所などの公的機関を通さず、私的に解決しようと試みる行為は、原則として認められません。

大家さんが行った行為を具体的に見てみましょう。

1. 賃借人の部屋への無断侵入:夜逃げしたからといって、大家さんが勝手に部屋に入る権利はありません。賃貸借契約が終了したとしても、賃借人の私物がある限り、不法侵入に当たります。これは、民法上の「占有権」の侵害です。

2. 賃借人の荷物の処分:荷物を回収し、売り払って家賃に充当する行為も、自力救済にあたります。たとえ先取特権があったとしても、その行使には裁判所の判決など、法的手続きが必要です。勝手に処分することは違法です。

3. **先取特権について:** 先取特権とは、特定の債権者に対して、他の債権者よりも先に債権を回収できる権利のことです。大家さんは家賃という債権に対して、賃借人の家財道具に対して先取特権を有します。しかし、先取特権は、裁判所を通じた強制執行によって行使されるべきものであり、勝手に家財道具を処分することはできません。

分かりやすい自力救済禁止の例

ご質問にあった万引きの例は、自力救済というよりも、暴行罪や傷害罪に該当する可能性が高いです。店員が万引き犯を追いかけ、無理やり商品を取り戻す行為は、身体的制裁にあたり、犯罪行為となります。

自力救済禁止の分かりやすい例としては、以下のものが挙げられます。

* 隣家の境界線を勝手に移動する:土地の境界線が曖昧な場合、自分勝手に境界線を移動させることはできません。裁判所に訴えて、境界確定の手続きを行う必要があります。
* 借金の返済を迫るために、債務者の家を勝手に押収する:債権回収は、裁判所を通じた強制執行など、法的手続きに従う必要があります。
* 迷惑行為を行う隣人に、直接暴力を振るう:迷惑行為を受けたとしても、自ら報復することはできません。警察に通報したり、民事訴訟を起こしたりする必要があります。

行政行為の「自力執行力」と民法上の自力救済

行政行為の「自力執行力」は、民法上の自力救済とは異なります。自力執行力とは、行政機関が、法律に基づいて、自らの権限で強制的に処分を行うことができる権限のことです。例えば、税金の滞納者に対して、国税庁が強制的に財産を差し押さえる権限などがこれに当たります。

民法上の自力救済は、個人が、私的に権利を回復しようとする行為であるのに対し、自力執行力は、国家機関が法に基づいて行う公的な行為です。そのため、両者は性質が大きく異なります。

大家さんはどうすればよかったのか?具体的なアドバイス

大家さんは、家賃滞納に対して、以下の手順を踏むべきでした。

1. 内容証明郵便による催告:まずは、内容証明郵便で賃借人に家賃の支払いを催促します。この段階で、具体的な支払期日を設定し、支払いがなければ法的措置をとる旨を明記します。
2. 弁護士への相談:催告にもかかわらず支払いがなければ、弁護士に相談し、法的措置を検討します。
3. 訴訟提起:裁判所に訴訟を提起し、家賃の支払いを求めます。裁判所は、証拠に基づいて判断し、判決を下します。
4. 強制執行:判決が確定すれば、裁判所の執行官を通じて強制執行を行います。強制執行には、賃借人の財産を差し押さえる、競売にかけるなどの方法があります。

インテリアと法律:住まいのトラブルを防ぐために

インテリアを考える上で、住まいのトラブルは避けたいものです。今回のケースのように、賃貸借契約に関するトラブルは、法律の知識が不可欠です。

インテリア選びだけでなく、賃貸契約書の内容をしっかり理解し、家賃の支払いなど、契約事項を遵守することが重要です。トラブルが発生した場合は、すぐに弁護士などの専門家に相談することが大切です。

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