先生の話は本当？イラストだけで大丈夫？

家具デザイン専攻の学生さん、ポートフォリオ作成で悩んでいるんですね。先生から「手書きイラストでもいい」と言われたものの、ベクターワークスで頑張ってきただけに、不安は当然でしょう。結論から言うと、イラストだけで「ダメ」とは言えませんが、「それで十分」とも言えません。企業が求めるもの、そしてあなたの能力を最大限にアピールするためには、イラストだけでなく、他の要素も加えることが重要です。

イラストのメリットとデメリット

まず、手書きイラストのメリットとデメリットを整理しましょう。

• メリット：
  • デザインの自由度が高い
  • 手描きの温かみ、個性を表現できる
  • 制作コストが比較的低い
  • 短時間で複数の案を作成できる
• デメリット：
  • 正確な寸法や構造が伝わりにくい
  • 完成品のイメージが掴みにくい
  • プロフェッショナルな印象を与えにくい場合がある
  • 修正が困難

ベクターワークスの限界と代替案

ベクターワークスにも限界があるのは事実です。複雑な形状や質感の表現には向いていない場合もあります。しかし、完全にイラストに頼る前に、ベクターワークスの強みを活かす方法を考えてみましょう。例えば、主要な図面や断面図はベクターワークスで作成し、それをイラストと組み合わせるという方法です。イラストでデザインの雰囲気を伝え、ベクターワークスで正確な情報を補完することで、ポートフォリオの完成度を高めることができます。

企業が求めるものとは？

企業は、ポートフォリオを通じてあなたのデザイン力、表現力、そして技術力を見極めようとしています。単なるデザイン画だけでなく、以下の要素が重要になります。

• デザインコンセプト：作品に込めたアイデアやコンセプトを明確に説明しましょう。どのようなニーズを満たすデザインなのか、どのようなターゲット層を想定しているのかを具体的に記述することが重要です。
• デザインプロセス：デザインに至るまでの過程を示すことで、あなたの思考プロセスや問題解決能力をアピールできます。スケッチやラフ案、修正過程などを含めることで、より説得力のあるポートフォリオになります。
• 正確な情報：寸法、素材、仕上げなど、作品に関する正確な情報を記載しましょう。これは、あなたのプロ意識を示す重要なポイントです。イラストだけでなく、CAD図面やスペック表などを併用することで、より詳細な情報を伝えることができます。
• 多角的な視点：上下左右だけでなく、斜めや断面図など、様々な角度から作品を表現することで、より立体的なイメージを伝えられます。模型作成は、この点で非常に効果的です。
• 完成度の高さ：イラストであっても、クオリティの高い表現を心がけましょう。丁寧に描かれたイラストは、あなたの情熱とスキルを伝えます。

イラストと模型、そして詳細情報のバランスが重要

あなたの計画である「上下左右など色々な視点のイラストと実際に模型を作ってみる」というアプローチは、非常に有効です。イラストでデザインの全体像を伝え、模型で質感や立体感を表現し、詳細な情報でプロとしての姿勢を示す。この三拍子が揃うことで、企業はあなたの能力をより正確に評価できるでしょう。

専門家の意見：デザイン事務所代表　山田太郎氏

「家具デザインのポートフォリオでは、デザインの美しさだけでなく、実現可能性も重要です。イラストだけで済ませるのではなく、模型や図面で構造や機能性を示すことで、企業はあなたの設計能力をより深く理解できます。また、素材や仕上げについても、具体的な情報を加えることで、プロフェッショナルな印象を与えることができます。」

具体的なアドバイス

では、具体的なポートフォリオ作成のステップを示します。

ステップ１：コンセプトの明確化

まず、作品のデザインコンセプトを明確にしましょう。どのような家具を作りたいのか、どのようなターゲット層を想定しているのか、どのような機能やデザインが特徴なのかを具体的に書き出します。

ステップ２：スケッチとラフ案の作成

コンセプトが決まったら、様々なアイデアをスケッチやラフ案として描き出します。手書きでもデジタルでも構いません。この段階では、量を重視し、多くのアイデアを生み出すことを心がけましょう。

ステップ３：ベクターワークスとイラストの融合

最終的に採用するデザインが決まったら、ベクターワークスで正確な図面を作成します。同時に、手書きイラストでデザインの雰囲気や個性を表現します。ベクターワークスで作成した図面とイラストを組み合わせることで、正確さと表現力を両立したポートフォリオを作成できます。

ステップ４：模型の作成

可能な範囲で、模型を作成しましょう。模型は、デザインの立体感や質感、使い勝手を伝える上で非常に効果的です。材料費を抑えるために、ダンボールや木材の端材などを活用するのも良いでしょう。

ステップ５：詳細情報の追加

寸法、素材、仕上げ、コストなど、作品に関する詳細な情報を丁寧に記載します。スペック表を作成するのも有効です。

ステップ６：ポートフォリオの構成

最後に、作成したイラスト、図面、模型の写真、詳細情報をまとめてポートフォリオを作成します。デザインやレイアウトにも気を配り、見やすく、分かりやすいポートフォリオを目指しましょう。

まとめ

先生の話は、必ずしも間違ってはいません。しかし、イラストだけで十分とは限りません。企業が求めるのは、デザイン力、表現力、そして技術力のバランスです。イラスト、模型、そして正確な情報という三本柱をバランスよく組み合わせることで、あなたの能力を最大限にアピールできるポートフォリオを作成できます。自信を持って、素晴らしい作品を作り上げてください！