家のキシミ音の原因と対策:安心安全な住まいづくり

家の中にいて、ミシッとかビシッとか部屋がきしむ音は何故起きるのですか。怖い話でなく化学的な解答お願いします。

家のキシミ音の原因:木材の乾燥収縮と摩擦

家の中で聞こえる「ミシッ」や「ビシッ」といったキシミ音は、多くの場合、建物の構造材である木材の乾燥収縮と摩擦が原因です。新築時だけでなく、築年数の経った家でも発生する一般的な現象です。

木材の乾燥収縮

木材は生きている植物から作られるため、水分を含んでいます。木材が乾燥すると、水分が失われて体積が小さくなります。この収縮が不均一に起こると、木材内部に歪みが生じ、それが応力として蓄積されます。この応力が限界を超えると、木材がわずかに変形し、摩擦によって「ミシッ」という音が発生します。特に、湿度変化の激しい季節の変わり目や、暖房・冷房の使用によって室内の湿度が大きく変化する際に、このキシミ音が顕著になります。

摩擦によるキシミ音

木材の乾燥収縮以外にも、木材同士の摩擦がキシミ音の原因となることがあります。例えば、床板と根太(床を支える木材)、壁の柱と梁、天井の梁と野地板など、木材同士が接している箇所では、乾燥収縮によるわずかな動きや、建物の揺れ、人の歩行などによって摩擦が発生します。この摩擦が、キシミ音として聞こえてきます。 特に、接合部がゆるんでいる場合や、釘やビスが緩んでいる場合は、摩擦が大きくなり、キシミ音が大きくなる傾向があります。

その他の原因

木材以外にも、以下の原因でキシミ音が発生することがあります。

  • 建物の揺れ:地震や強風などによって建物が揺れると、木材同士の摩擦が増加し、キシミ音が発生します。
  • 家具の移動:重い家具を移動させたり、床に物を落としたりすると、床がわずかに変形し、キシミ音が発生することがあります。
  • シロアリ被害:シロアリが木材を食い荒らすと、木材の強度が低下し、キシミ音が発生しやすくなります。また、被害が進行すると、構造的な問題に発展する可能性があるため、注意が必要です。
  • 劣化:経年劣化によって、木材が腐ったり、接合部が緩んだりすると、キシミ音が発生しやすくなります。

キシミ音の対策:原因に応じた適切な対処法

キシミ音への対処法は、その原因によって異なります。

木材の乾燥収縮によるキシミ音の対策

木材の乾燥収縮によるキシミ音は、完全に防ぐことは難しいですが、以下の対策によって軽減することができます。

  • 室内の湿度管理:加湿器や除湿器を使用し、室内の湿度を適切に保つことで、木材の乾燥収縮による歪みを抑えることができます。特に、冬場の乾燥した時期は加湿に注意しましょう。目安として、40~60%の湿度を保つことが理想的です。
  • 定期的なメンテナンス:建物の定期点検を行い、木材の劣化や接合部の緩みを早期に発見し、適切な処置を行うことで、キシミ音を予防することができます。専門業者に依頼することをお勧めします。

摩擦によるキシミ音の対策

摩擦によるキシミ音は、以下の対策によって軽減することができます。

  • 潤滑剤の使用:キシミ音が発生している箇所に、木材用の潤滑剤を塗布することで、摩擦を減らすことができます。ただし、油性の潤滑剤は、汚れや臭いの原因となる可能性があるため、木材に適した潤滑剤を選ぶことが重要です。シリコンスプレーなどが有効です。
  • 緩みの修正:釘やビスが緩んでいる場合は、締め直すことでキシミ音を軽減することができます。ただし、無理に締めすぎると木材を傷める可能性があるため、注意が必要です。専門業者に依頼することをお勧めします。
  • 補強:接合部が弱くなっている場合は、補強材を追加することで、キシミ音を軽減することができます。専門業者に相談しましょう。

専門家の視点:建築士からのアドバイス

建築士の視点から見ると、キシミ音は必ずしも深刻な問題ではありませんが、放置すると構造的な問題につながる可能性もあります。 特に、大きな音や、特定の場所から常に音がする場合は、専門家による点検・修理を検討することをお勧めします。 早期発見・早期対応が、安心安全な住まいを守る上で重要です。 また、新築の段階で、適切な木材の選定や施工を行うことで、キシミ音を最小限に抑えることができます。

まとめ:安心安全な住まいを守るために

家のキシミ音は、多くの場合、木材の乾燥収縮や摩擦が原因です。 完全に防ぐことは難しいですが、室内の湿度管理、定期的なメンテナンス、適切な潤滑剤の使用などによって、キシミ音を軽減することができます。 大きな音や、気になる場合は、専門業者に相談し、原因を特定し、適切な対策を行うことが重要です。 安心安全な住まいを守るためにも、キシミ音への適切な対処を心がけましょう。

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