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建築基準法と天井高に関する解説
ご心配されているように、住宅の天井高には建築基準法で定められた基準があります。しかし、その基準は「居室」に限定されており、すべての部屋に適用されるわけではありません。
建築基準法では、居室の天井高は2.1m以上とされています。 居室とは、人が生活する主要な空間のことで、寝室、リビング、ダイニングなどが該当します。キッチンや廊下、洗面所などは居室に含まれません。 ご質問の物件で、キッチンと居室の天井高を平均しても2.1mに満たないとのことですが、キッチンは居室ではないため、基準に抵触するとは限りません。
しかし、居室の天井高が1.9mしかないというのは、居住性や快適性に大きく影響する可能性があります。 圧迫感を感じたり、生活しづらいと感じる方もいるでしょう。
築年数と基準法の関係
物件が築32年とのことですが、建築基準法は時代とともに改正されてきました。そのため、32年前の基準と現在の基準が異なる可能性があります。しかし、既存の建物には、原則として現在の基準は遡及適用されません。 つまり、建築当時、法令に適合していた建物であれば、たとえ現在の基準に満たなくても、違法とはみなされません。
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ただし、リフォームによって基準に適合しなくなった場合、問題となる可能性があります。 ご質問のようにリフォーム直後の物件で、床の底上げが行われた可能性がある場合は、リフォーム後の状態が基準に適合しているかどうかが重要になります。
リフォームと天井高
リフォームによって床が底上げされ、天井高が1.9mになったと仮定しましょう。この場合、基準となるのはリフォーム後の状態です。 つまり、現在の床から天井までの高さが2.1mに満たない状態であれば、居室として法令違反の可能性があります。
しかし、リフォーム業者が建築基準法に則ってリフォームを行っていれば、問題ない可能性が高いです。 もし、リフォームによって基準に満たない状態になったとすれば、それはリフォーム業者の責任となります。
敷金・礼金の返還について
もし、物件が建築基準法に違反していると判断され、解約を希望する場合、敷金・礼金の返還についてですが、状況によって異なります。
* 建築基準法違反が明らかで、居住に著しい支障がある場合: 敷金・礼金の全額返還が認められる可能性が高いです。
* 建築基準法違反が軽微で、居住に大きな支障がない場合: 敷金の一部返還となる可能性があります。
* 契約時に天井高について説明があり、それを承知の上で契約した場合: 敷金・礼金の返還は難しい可能性があります。
この判断は、専門家(弁護士など)の判断が必要となるケースが多いです。
具体的なアドバイス
1. 不動産会社に確認する: まず、不動産会社に天井高について改めて確認し、リフォームの内容(特に床の底上げの有無)を詳細に尋ねましょう。 建築基準法への適合性についても質問し、回答を得ることが重要です。
2. 建築士に相談する: 不動産会社からの回答に納得できない場合、またはより専門的な意見が必要な場合は、建築士に相談することをお勧めします。 建築士は、物件の天井高が建築基準法に適合しているかどうかを判断し、アドバイスをしてくれます。
3. 契約書を確認する: 契約書に天井高に関する記述がないか、確認しましょう。 記述があれば、契約時の認識のずれを明確にできます。
4. 写真や図面を保管する: 物件の天井高を証明する証拠として、写真や図面を保管しておきましょう。 必要に応じて、専門家に見せることができます。
専門家の視点
建築基準法に詳しい弁護士や建築士に相談することで、より正確な情報と適切なアドバイスを得ることができます。 特に、解約や敷金・礼金の返還に関する問題は、専門家の助言が不可欠です。
まとめ
天井高が190cmという物件は、居室の居住性には影響する可能性がありますが、必ずしも建築基準法違反とは限りません。 まずは不動産会社に詳細を確認し、必要に応じて専門家に相談することで、適切な対応を取ることができます。 焦らず、冷静に状況を判断し、適切な行動をとることが大切です。