多頭飼いの猫が仲良くなるためのインテリアと環境調整術

猫の多頭飼いについて質問します。猫を1匹飼っていたところに、事情がありもう1匹預かることになりました。どちらも元野良猫で去勢済み、先住猫はオスで5歳ぐらい、新入り猫はメスで17歳ぐらいです。先住猫は体が大きく気性が荒く奔放な性格で、成猫の状態で拾ってきたせいか気にいらないと人間を引っ掻きます。今新入り猫をゲージに入れて飼っていますが、先住猫がゲージの隙間から手を伸ばして新入りを引っ掻いたりゲージを叩いたりします。新入りはかなり威嚇していますが、怖いのか先住猫に何かされるとその場でウンチをしてしまいます。普段はゲージ内のトイレにしているので、多分怖いと漏らしてしまうんだと思います。家の間取りの都合上別の部屋に移せないので、今は2〜3日に一度2時間ぐらい先住猫の入れない部屋をつくりそこで新入り猫をゆっくりさせていますが、先住猫が新入りを引っ掻くのでゲージは布で覆っています。そこで質問させていただきたいのですが、2匹がうまく生活できる方法はないのでしょうか?ずっと布で覆われたゲージで新入り猫を飼って問題ないのでしょうか?一度思い切って対面させてみましたが、大喧嘩して止めに入った人間が大変な目にあいました。

多頭飼いのストレス:猫同士の縄張り争いと解決策

ご質問ありがとうございます。元野良猫同士の多頭飼い、特に年齢と性格の異なる猫の同居は、ストレスが大きく、慎重な対応が必要です。先住猫の攻撃性と新入り猫の恐怖は、お互いの安全と健康を脅かす深刻な問題です。ゲージに布を被せるのは、新入り猫の安心には繋がりますが、先住猫のストレスを増加させる可能性があり、長期的な解決策にはなりません。

まず、根本的な解決策は、猫同士が互いに認識し、徐々に慣れさせることです。いきなり対面させるのは危険で、喧嘩を招きかねません。段階的なアプローチが必要です。

安全な環境づくり:インテリアと空間配置の工夫

  • フェロモン製品の活用:猫用フェロモン製品(Feliwayなど)は、猫の安心感を高める効果があります。ゲージ内と部屋全体にスプレーすることで、新入り猫のストレスを軽減し、先住猫の攻撃性を穏やかにする可能性があります。
  • 視覚的な遮断:ゲージを布で覆う代わりに、猫が互いに見えないように、パーテーションやキャットウォーク、高い位置の棚などを活用しましょう。これにより、直接的な接触を避けつつ、お互いの存在を認識させることができます。グレーの落ち着いた色のパーテーションは、猫の視覚的ストレスを軽減する効果も期待できます。
  • 多様な隠れ家:猫は隠れ場所を好みます。それぞれの猫が安全に過ごせる隠れ家(猫ハウス、ダンボールなど)を複数設置しましょう。異なる高さや場所に設置することで、縄張り意識の衝突を軽減できます。グレーやベージュなどの落ち着いた色合いの隠れ家は、猫にとってリラックスできる空間となります。
  • 資源の分散:餌場、トイレ、水飲み場を複数個所に設置し、猫同士が資源を巡って争うのを防ぎます。場所を離すことで、競争を減らし、ストレスを軽減できます。特にトイレは、それぞれの猫が落ち着いて利用できるよう、十分なスペースを確保しましょう。
  • 香りによるマーキング:猫は匂いで縄張りを主張します。それぞれの猫の匂いのついたタオルやベッドなどを、それぞれの隠れ家に置くことで、安心感を高めることができます。

段階的な慣らし方:時間と忍耐が鍵

  • 段階的な距離の縮小:最初は完全に隔離し、数日間はゲージ越しに匂いを嗅ぎ合わせる程度にします。その後、徐々に距離を縮めていきます。例えば、ゲージを移動させ、先住猫が新入り猫を視認できる距離に配置し、様子を観察します。この段階では、先住猫が新入り猫に攻撃的な行動を示さないように注意深く見守り、必要に応じて隔離します。
  • 匂いの交換:それぞれの猫の匂いのついたものを交換し、お互いの匂いに慣れさせます。例えば、先住猫のベッドを新入り猫のゲージに、新入り猫のタオルを先住猫の寝床に置くなどです。ただし、この方法だけでは十分ではなく、視覚的な接触も必要です。
  • 短い時間での対面:数日後、安全な場所で、短い時間だけ(数分間)対面させます。この時、猫が落ち着けるように、静かな環境を用意し、監視を怠らないようにしてください。喧嘩を始めたらすぐに隔離します。この段階では、猫同士が直接接触しないように注意が必要です。
  • ゆっくりとしたペース:猫の性格や反応を見ながら、ゆっくりとペースを進めてください。焦らず、猫のペースに合わせて慣れさせていくことが重要です。数週間、場合によっては数ヶ月かかることもあります。

専門家のサポート:獣医や猫行動コンサルタントへの相談

猫同士のトラブルが解決しない場合は、獣医や猫行動コンサルタントに相談することをお勧めします。専門家は、猫の行動や性格を分析し、適切なアドバイスや解決策を提供してくれます。場合によっては、薬物療法が必要となることもあります。

インテリアと空間デザイン:猫が快適に暮らせる空間づくり

インテリアにおいても、猫が快適に過ごせる空間づくりが重要です。例えば、猫が自由に登ったり降りたりできるキャットウォークを設置したり、猫がくつろげるための様々な高さの棚やベッドを用意したりすることで、猫同士の接触機会を減らし、ストレスを軽減できます。

まとめ:時間と愛情を注いで

多頭飼いは、猫同士の性格や相性、そして飼い主の努力次第で成功も失敗もあります。今回のケースでは、先住猫の攻撃性と新入り猫の恐怖が大きな課題となっています。しかし、適切な環境調整と段階的な慣らし方、そして専門家のサポートを受けることで、猫たちが共存できる可能性は十分にあります。焦らず、時間と愛情をかけて、猫たちの様子を観察しながら、ゆっくりと進めていきましょう。

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