外壁通気工法でも結露は防げる?断熱欠損の定量的な目安と対策

断熱欠損があれば、結露を生じるとお聞きしますが、外壁通気工法であっても結露した水分は逃がせないのでしょうか?また断熱欠損についての、定量的な目安はあるのでしょうか?一般的な断熱材のグラスウールの場合、どうしても極微小なりとも断熱欠損は生じてしまうと思うので。

外壁通気工法と結露の関係性

外壁通気工法は、外壁と断熱材の間に空気層を設けることで、外壁の湿気を逃がし、結露の発生を抑制する工法です。しかし、断熱欠損があると、空気層だけでは結露を完全に防げない場合があります。

断熱欠損とは、断熱材の施工不良や隙間などによって、断熱性能が低下している状態を指します。 断熱欠損があると、室内の暖かい湿った空気が外壁に接触し、温度差によって結露が発生しやすくなります。外壁通気工法は、外壁材の表面の結露を抑制する効果はありますが、断熱材内部や壁体内での結露までは完全に防げないのです。

外壁通気工法における結露対策

外壁通気工法を採用する際、結露を防ぐためには、以下の点に注意する必要があります。

  • 適切な断熱材の選定と施工:断熱性能の高い断熱材を選び、隙間なく丁寧に施工することが重要です。グラスウールを使用する場合でも、施工精度を高めることで断熱欠損を最小限に抑えられます。
  • 通気層の確保:外壁と断熱材の間に十分な通気層を確保し、湿気をスムーズに排出できるようにします。通気層の幅や材質、通気口の位置なども重要です。
  • 気密性の確保:外壁と室内との間の気密性を高めることで、室内の暖かい湿った空気が外壁に侵入するのを防ぎます。気密シートの適切な施工が不可欠です。
  • 適切な換気:室内の湿気を排出するために、適切な換気システムを導入することが重要です。24時間換気システムなどを活用することで、室内の湿度を適切に管理できます。

断熱欠損の定量的な目安

断熱欠損の定量的な目安は、断熱性能を示す指標である熱伝導率U値を用いて判断します。 U値は、単位面積当たりの熱貫流率を表し、値が小さいほど断熱性能が高いことを示します。

一般的に、住宅の外壁のU値は1.0W/㎡K以下が推奨されています。しかし、断熱欠損があると、この値よりも大きくなってしまい、結露リスクが高まります。 断熱欠損の程度を正確に測定するには、サーモグラフィー検査などの専門的な検査が必要になります。

グラスウールにおける断熱欠損の対策

グラスウールは、施工が比較的容易でコストパフォーマンスに優れた断熱材ですが、施工不良によって断熱欠損が発生しやすいという側面もあります。

  • 隙間なく施工する:グラスウールは、隙間なく充填することが重要です。隙間があると、そこから熱が逃げやすく、結露が発生しやすくなります。施工時には、専用の道具を使用し、丁寧に隙間をなくすようにしましょう。
  • 圧縮しない:グラスウールは、圧縮すると断熱性能が低下します。施工時には、規定の厚さに合わせて施工し、圧縮しないように注意しましょう。
  • 気密シートとの組み合わせ:グラスウールと気密シートを組み合わせることで、気密性を高め、断熱性能を向上させることができます。気密シートは、隙間なく施工することが重要です。

専門家の視点:建築士からのアドバイス

建築士の視点から見ると、断熱欠損は、結露問題だけでなく、室内の温度ムラやエネルギー効率の低下にも繋がります。 そのため、設計段階から断熱性能を十分に考慮し、適切な断熱材の選定と施工を行うことが重要です。

また、施工後には、サーモグラフィー検査などによって断熱性能を確認し、問題があれば適切な対策を行う必要があります。 断熱性能の向上は、快適な住環境と省エネルギー化に大きく貢献します。

まとめ:快適な住まいを実現するための断熱対策

外壁通気工法は結露対策に有効ですが、断熱欠損があると効果が低下します。 断熱欠損を最小限に抑えるためには、適切な断熱材の選定、丁寧な施工、気密性の確保、そして適切な換気が重要です。 専門家への相談も有効な手段です。 快適で健康的な住まいを実現するためには、断熱性能の向上に積極的に取り組むことが大切です。 疑問点があれば、建築士や住宅のプロに相談することをお勧めします。

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