壁内結露の謎に迫る!湿気はどこから?関東地方でのリスクは?

壁内結露の湿気はどこからくるのでしょうか?新築にあたり壁内結露のことを気にしておりました。透湿抵抗やら防湿層やら通気層やらと色々と気にしたわけですが、現在の住まいを見ていて一つ疑問に思いました。それは壁内結露の侵入口はいったいどこなんだろう?ということです。室内は人間もおりますし、調理などでたしかに水蒸気の量はすごいと思います。でも壁は壁紙と石膏ボードで覆われ、つなぎ目は巾木、廻縁で塞がれており、相当の圧力がなければ水蒸気はそれを突破できないように思えます。そうなると考えられるのは窓などの結露なのかなと思うのですが、それも今時の窓は複合サッシや樹脂サッシが多く、ガラス面もペアガラスのものがほとんどで、窓周辺の結露も10年前と比べてとても少ないように思います。しかし、本などには今時の家は気密が中途半端に高いから壁内結露の危険性はむしろ高まっているという意見が多いです。室内にたまった水蒸気が壁内に侵入するほどまでになったらソファーなんかかなりじっとりしているように思いますし、普通、不快指数が高くて窓開けて換気するように思います。人間の出入りだけでも相当に空気が動くようにも思いますし、24時間換気システムの循環量だけでも壁内に水蒸気を侵入させない程度には問題ないように思います。(気圧は壁内→壁外にはかからない)普通に自分のいる部屋をみてリアルで考えてみると正直そんなに壁内結露の危険性なんて高くないんじゃないかな?と思うのですが、どうなんでしょうか?北海道のようなとても寒い地域で暖房ガンガンで窓も一切開けられないような地域と私が住んでいるような関東地方ではまったく理屈が違うのでしょうか?正直壁内結露の問題は少なくとも関東地方のようなどちらかというと温暖な地域ではリスクも少なく、さして問題になるようなことはないと思ったのです。程度問題としてどうなのか、教えていただいてよろしいでしょうか?補足:気密施工が不十分だと直接外気と内気が触れやすい環境となり、結露の原因になる。その緩衝材としての役割を果たし直接寒暖差を生じさせないようにしているのが断熱材。寒暖差が比較的緩やかな関東ではそのリスクが少ない。という理解になっているのがどうでしょうか?あと、透湿防水シートやダイライト部というのは本来環境としては室外環境であり室内の空気にさえ触れなければ結露しないと考えていいのでしょうか?

壁内結露の原因:意外な侵入経路と地域差

壁内結露は、住宅の壁内部で結露が発生する現象です。多くの人が「室内からの湿気」を第一に考えますが、実際はもう少し複雑です。ご質問にあるように、気密性の高い現代住宅では、その侵入経路やリスクの程度は、想像以上に微妙なバランスの上に成り立っています。

湿気の侵入経路:気密性と通気性の狭間

確かに、壁紙や石膏ボードは湿気の侵入を阻むように見えます。しかし、完全なバリアではありません。湿気の侵入経路は、以下の通りです。

  • 隙間:壁の施工上の隙間、窓枠や配管周りのわずかな隙間から湿気が侵入します。完璧な気密施工は非常に難しく、小さな隙間でも湿気の侵入経路となります。
  • 通気層の不足または不具合:適切な通気層が確保されていない場合、湿気が壁内に滞留しやすくなります。通気層の役割は、湿気を外に逃がすことです。この層に問題があれば、湿気は逃げ場を失い、結露の原因になります。
  • サッシ周りの結露:窓のサッシ周辺は、温度差が大きくなりやすく、結露が発生しやすい箇所です。たとえペアガラスや樹脂サッシであっても、施工不良や周辺の気密性不足によって結露が発生し、その水分が壁内に侵入する可能性があります。
  • 気密性の高さ:実は、気密性が高いことが壁内結露のリスクを高める一因となります。気密性が高すぎると、室内の湿気が外に排出されにくくなり、壁内に蓄積される可能性が高まるのです。24時間換気システムは有効ですが、完璧ではありません。換気システムの能力を超える湿気が発生した場合、壁内結露のリスクは高まります。
  • 施工不良:断熱材の施工不良、透湿防水シートの破れや施工ミスなども、湿気の侵入を招きます。特に透湿防水シートは、湿気を外に逃がす重要な役割を果たしています。

関東地方でのリスク:温暖な気候と寒暖差

北海道のような寒冷地と関東地方のような温暖地では、壁内結露のリスクに違いがあります。寒冷地では、外気温が非常に低いため、壁内の温度差が大きくなりやすく、結露が発生しやすいです。一方、関東地方では、寒暖差が比較的緩やかであるため、結露リスクは低くなります。しかし、これは「リスクが少ない」という意味であって、「リスクがない」という意味ではありません。

気密性が高い住宅では、関東地方でも壁内結露が発生する可能性があります。特に、換気が不十分な場合や、施工不良がある場合は注意が必要です。

透湿防水シートとダイライト:室内の空気との関係

透湿防水シートやダイライトは、本来室外環境に接する部分に施工されます。理想的には、室内の空気とは接触しないように施工されるべきです。しかし、施工不良や隙間などによって、室内の空気が侵入する可能性があります。そのため、これらの材料が室内の空気と接触しないよう、適切な施工が重要です。

壁内結露を防ぐための具体的な対策

壁内結露を防ぐためには、以下の対策が有効です。

  • 適切な換気:24時間換気システムを適切に稼働させることはもちろん、こまめな窓開け換気も重要です。特に、湿度が高い日や、調理後などは換気を心がけましょう。
  • 除湿対策:除湿機を使用したり、洗濯物を室内で干さないなど、室内の湿度を適切に管理しましょう。湿度計を使って、室内の湿度をチェックする習慣をつけると効果的です。
  • 断熱性能の向上:高性能な断熱材を使用することで、壁内の温度差を小さくし、結露のリスクを軽減できます。新築時は、断熱材の性能についてしっかりと確認しましょう。
  • 気密性の確保:適切な気密施工を行うことで、室内の湿気が壁内に侵入するのを防ぎます。施工業者に、気密性能について確認しましょう。
  • 定期的な点検:定期的に壁の状態をチェックし、異常を発見したらすぐに専門業者に相談しましょう。早期発見・早期対応が重要です。

専門家の視点:建築士からのアドバイス

建築士の視点から見ると、壁内結露は決して軽視できない問題です。特に、近年は高気密住宅が増えているため、適切な換気計画や施工が重要になっています。

「気密性と通気性のバランス」が重要です。気密性を高める一方で、適切な通気層を確保し、湿気を逃がす経路を確保しなければなりません。新築を検討する際には、建築士と十分に相談し、適切な設計・施工を行うことが大切です。

まとめ:壁内結露は地域差と施工の質が鍵

壁内結露は、地域差や住宅の気密性、そして何より施工の質に大きく左右されます。関東地方でも、気密性が高く換気が不十分な住宅では、壁内結露のリスクは高まります。新築を検討する際は、断熱材や気密性、換気システムについて、専門家と十分に相談し、適切な対策を講じることをおすすめします。

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