増築未登記の古家購入におけるリスクと注意点
増築未登記の古家購入は、様々なリスクを伴います。特に、建築基準法違反の可能性や、登記手続きの複雑さ、費用面での負担など、注意すべき点が多数あります。購入前にしっかりと調査し、専門家の意見を聞くことが重要です。
1. 建築基準法違反の確認
まず、最も重要なのは増築部分が建築基準法に適合しているかどうかを確認することです。未登記ということは、建築確認申請や検査がされていない可能性が高く、法令違反の可能性があります。具体的には以下の点をチェックしましょう。
- 構造の安全性:増築部分の構造が安全基準を満たしているか。耐震性、耐火性、基礎の強度などを確認する必要があります。専門家(建築士など)による調査が不可欠です。
- 防火規制:隣地との距離、防火壁の設置など、防火に関する規制に適合しているか。特に、既存建物との接合部や開口部などに問題がないかを確認しましょう。
- 日照・採光・通風:増築によって隣地への日照、採光、通風を妨げていないか。近隣住民とのトラブルを避けるためにも、確認が必要です。
- 建ぺい率・容積率:記載されている建ぺい率60%、容積率150%を遵守しているか。土地面積122㎡に対して、既存建物94㎡と増築部分22.5㎡を合計すると116.5㎡となり、建ぺい率は約95.5%と超過しています。これは重大な問題です。容積率も同様に確認が必要です。現状では、建築基準法違反の可能性が高いと言えるでしょう。
これらの確認には、建築士などの専門家の力を借りることが非常に重要です。専門家による調査で、違反が見つかった場合は、是正工事が必要になる可能性があり、追加費用が発生します。最悪の場合、解体が必要になるケースも考えられます。
2. 登記手続きと費用
増築部分を登記するには、以下の手続きが必要です。
- 測量:土地と建物の正確な位置や面積を測量します。費用は土地の広さや形状によって異なりますが、数万円から数十万円程度を見込んでおきましょう。
- 図面の作成:増築部分を含む建物の全体図面を作成します。建築士に依頼する必要があります。費用は図面の複雑さによって異なりますが、数万円から十数万円程度です。
- 申請書類の作成:登記申請に必要な書類を作成します。司法書士に依頼するのが一般的です。
- 登記申請:作成した書類を法務局に提出します。登録免許税などの費用が発生します。登録免許税は、建物価格の1%です。増築部分の評価額が不明なため、正確な費用は算出できませんが、数万円から数十万円程度を見込む必要があります。
これらの手続きは、専門家(建築士、司法書士)に依頼するのが一般的です。費用は、専門家の報酬や申請費用などを含め、数十万円から数百万円かかる可能性があります。
3. その他の注意点
- 売買契約:売買契約書には、増築部分に関する記述を明確に記載してもらうことが重要です。責任の所在や、登記できない場合の対応などを具体的に盛り込みましょう。
- 瑕疵担保責任:建物の瑕疵(欠陥)に関する責任の範囲を明確にしておきましょう。特に、増築部分に問題があった場合の対応について、売主としっかり話し合っておく必要があります。
- 近隣住民との関係:増築部分によって近隣住民とのトラブルが発生していないか、事前に確認しておきましょう。
専門家の意見
建築士や不動産鑑定士などの専門家に相談することで、より正確な情報を得ることができます。増築部分の構造や法令遵守状況、登記手続きに関する費用、リスクなどを専門家の視点から判断してもらうことで、より安全な取引を進めることができます。
まとめ
増築未登記の古家購入は、リスクと費用を伴う複雑な取引です。購入前に、建築基準法違反の有無、登記手続き、費用、近隣住民との関係など、様々な点を慎重に確認し、専門家の意見を聞くことが不可欠です。安易な判断は避け、十分な調査と検討の上、購入を決定しましょう。 専門家への相談は、高額な費用を避けるためにも非常に有効な手段です。