和室の長押・鴨居と廻縁の有無:現代住宅におけるデザインと機能性のバランス

和室の長押や鴨居などについて モデルハウスに行くと、和室に長押や鴨居がなく、また洋室にも廻縁がないメーカーがあります。安普請に見えて仕方ないのですが、これは予算の問題ではなく最近の流行ですか?今時、和室に長押や鴨居をつけるのはおかしい時代ですか?できれば建築関係、又は建築に詳しい方に聞きたいです。補足和室は12畳の2間続きを考えています。花瓶や掛け軸の為床の間をつける予定でした。客室にするので普段は使わず、客人の寝室は洋室にするので、テーブルを一つおくだけの部屋となります。今の流行にのっかるべきかどうかを迷っています。古臭い家だと後から後悔するのも嫌なので。

長押、鴨居、廻縁の役割と現代住宅における変化

ご質問ありがとうございます。モデルハウスで長押や鴨居、廻縁がないのは、必ずしも「安普請」や「流行」だけではありません。複数の要因が複雑に絡み合っています。まず、それぞれの部材の役割を改めて確認してみましょう。

長押の役割

長押は、古くから和室において掛け軸や飾り物を掛けるための重要な要素でした。機能性に加え、空間のアクセントとしての役割も担っていました。しかし、現代のライフスタイルでは、掛け軸などを飾る機会が減っている家庭も多いのが現状です。

鴨居の役割

鴨居は、建具(襖や障子)を取り付けるための枠です。和室の構造上、不可欠な部材でした。しかし、現代の住宅では、建具の種類やデザインが多様化しており、鴨居の存在が必ずしも必要不可欠ではなくなっています。

廻縁の役割

廻縁は、天井と壁の境目を隠す装飾的な部材です。空間の統一感を高め、美しい仕上がりに貢献します。しかし、近年は、シンプルなデザインが好まれる傾向があり、廻縁を省略するケースが増えています。

長押・鴨居・廻縁を省略する理由

長押、鴨居、廻縁を省略する理由として、以下の点が挙げられます。

  • コスト削減: これらの部材は、材料費や施工費がかかります。コストを抑えるために省略されるケースがあります。
  • デザインのシンプル化: 近年の住宅デザインは、シンプルでモダンなスタイルが主流です。長押や鴨居、廻縁は、デザインによっては古風な印象を与え、全体的なデザインとの調和が難しくなる場合があります。
  • 空間の広さ確保: 長押や鴨居は、空間を圧迫する可能性があります。特に、12畳の広い和室では、これらの部材を省略することで、より広く開放的な空間を演出できます。
  • メンテナンスの容易さ: 長押や鴨居は、埃が溜まりやすく、掃除が面倒な場合があります。省略することで、メンテナンスの手間を省くことができます。

12畳の2間続き和室における検討ポイント

12畳の2間続きの和室を客室として使用するとのことですが、床の間は設置する予定とのことですので、少なくとも床の間部分には長押は設置することをお勧めします。掛け軸を飾ることを考えると、長押は必要不可欠です。

一方で、その他の部分については、全体のデザインとのバランスを考慮する必要があります。

もし、モダンでシンプルなデザインの住宅を希望するなら、長押や鴨居を省略しても問題ありません。しかし、伝統的な和室の雰囲気を残したいのであれば、長押や鴨居を残すことを検討すべきです。

専門家の視点:建築士の意見

建築士の視点から見ると、長押や鴨居、廻縁の有無は、建物のデザインコンセプトと密接に関連しています。最近の住宅では、シンプルでモダンなデザインが好まれる傾向にあり、それらの部材を省略することで、より洗練された印象を与えることができます。しかし、伝統的な和室の雰囲気を残したい場合は、これらの部材を残すことが重要です。

最終的な判断は、ご自身の好みとライフスタイルによって決めるべきです。

後悔しないための具体的なアドバイス

* 複数のモデルハウスを見学する: さまざまなメーカーのモデルハウスを見学し、長押や鴨居、廻縁の有無による空間の印象の違いを比較検討しましょう。
* 建築士と相談する: 建築士に、ご自身の希望するデザインやライフスタイルを伝え、長押や鴨居、廻縁の有無について具体的なアドバイスを求めましょう。
* 写真や資料を参考にイメージを膨らませる: インターネットや建築雑誌などで、長押や鴨居、廻縁のある和室とない和室の写真を比較し、それぞれのメリット・デメリットを検討しましょう。
* 将来的な使い勝手も考慮する: 客室として使用するとはいえ、将来的な使い勝手を考慮し、必要に応じて長押や鴨居を追加できる設計にしておくことも検討しましょう。

まとめ

長押や鴨居、廻縁の有無は、必ずしも「安普請」や「流行」とは限りません。コスト、デザイン、空間の広さ、メンテナンス性など、様々な要因を考慮して判断する必要があります。ご自身の好みやライフスタイル、そして将来的な使い勝手などを総合的に判断し、後悔のない選択をしてください。

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