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コンセントの発火とトラッキング現象について
ご自宅で発生したコンセントの発火、大変なご心配ですね。原因として考えられるのは、トラッキング現象です。トラッキング現象とは、コンセントの差込口にホコリや汚れが付着し、そこに電圧がかかることで発生するアーク放電(小さな火花)のこと。このアーク放電が継続的に発生することで、絶縁体が劣化し、発熱、発火に至る可能性があります。
今回のケースでは、30年以上経過した古いコンセントが使用されていたことが大きな要因と考えられます。古いコンセントは、経年劣化により絶縁性が低下している可能性が高く、トラッキング現象が発生しやすくなります。そのため、必ずしもあなたの掃除不足が原因とは断定できません。
トラッキング現象の具体的な原因
トラッキング現象は、以下の要因が重なって発生することが多いです。
- 古いコンセント:経年劣化により、絶縁性が低下し、アーク放電が発生しやすくなります。
- ホコリや汚れ:コンセントの差込口にホコリや汚れが付着すると、絶縁抵抗が低下し、アーク放電が発生しやすくなります。特に、キッチンなど油汚れが多い場所では注意が必要です。
- 湿気:湿気によって、ホコリや汚れが導電性を持ちやすくなり、アーク放電が発生しやすくなります。
- プラグの抜き差し:プラグの抜き差しを繰り返すことで、コンセントの差込口が緩み、接触不良を起こしやすくなります。接触不良もアーク放電の原因となります。
修理費用負担の責任は?
賃貸マンションの場合、設備の老朽化による故障は、原則として大家さんの負担となります。30年以上経過した古いコンセントは、明らかに老朽化による故障と判断できるでしょう。エンジニアの方の意見にもある通り、普通に使用していればこのような事態にはならないはずです。
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しかし、もしあなたが故意または重大な過失によってコンセントを損傷させた場合(例えば、大量の水をこぼしたり、金属物を差し込んだりした場合)は、修理費用を負担しなければならない可能性があります。今回のケースでは、トラッキング現象が原因であれば、あなたの責任とは言い切れません。
大家さんとの交渉
修理費用負担について、大家さんとの話し合いが重要です。以下の点を伝えましょう。
- コンセントの老朽化:30年以上経過していることを明確に伝えましょう。写真や動画で証拠を残しておくことをお勧めします。
- トラッキング現象の可能性:専門家の意見を引用し、あなたの掃除不足が直接の原因ではないことを主張しましょう。
- 安全性の確保:古いコンセントが原因で火災が発生する可能性があったことを強調し、早急な修理の必要性を伝えましょう。
- 修理費用負担の請求:大家さんに修理費用負担を依頼しましょう。交渉が難航する場合は、必要に応じて弁護士に相談することも検討しましょう。
予防策と具体的な対策
将来、このような事態を防ぐために、以下の対策を行いましょう。
コンセントの定期的な清掃
コンセントの差込口は、定期的に掃除機やブラシで清掃しましょう。特にキッチンや浴室など湿気の多い場所、油汚れの付着しやすい場所では、こまめな清掃が重要です。圧縮空気を使うと、奥まった部分のホコリも除去できます。
コンセントカバーの活用
コンセントカバーを使用することで、ホコリや湿気の侵入を防ぎ、トラッキング現象の発生リスクを低減できます。様々なデザインのカバーがあるので、インテリアに合ったものを選びましょう。
古いコンセントの交換
賃貸物件であっても、大家さんに相談し、古いコンセントの交換を依頼することを検討しましょう。安全性の観点から、交換を認めてもらえる可能性が高いです。
安全なプラグの使用
プラグの抜き差しをスムーズに行うために、プラグの刃の部分に接点復活剤を塗布するのも有効です。ただし、過剰な使用は避けてください。
ブレーカーの確認
ブレーカーが適切に機能しているか確認しましょう。もし、ブレーカーが落ちない状態が続いている場合は、電気系統に問題がある可能性があります。専門業者に点検を依頼しましょう。
専門家の意見
電気工事士などの専門家に相談することで、より正確な原因究明と適切な対策を行うことができます。専門家に見てもらうことで、大家さんとの交渉にも有利に働くでしょう。
まとめ
コンセントの発火は、非常に危険な事態です。古いコンセントを使用している場合は、早急に交換を検討しましょう。今回のケースでは、大家さんとの丁寧な話し合いと、専門家の意見を参考に、修理費用負担について解決策を見出してください。 安全な住環境を確保するために、日頃からコンセントの清掃や点検を怠らないようにしましょう。