分譲マンションのバルコニー出入り口高さに関する疑問と解決策

友人が分譲マンションの購入を検討しています。ルーフバルコニー及びバルコニーが3箇所あり、そのうちの2箇所の引違戸(図面では出入り口になっている)が床から40㎝の高さについているそうです。40㎝の高さを飛び越えて出入りするのはとても不便だと思うのですが、床からそんなに高さがあっても、出入り口と表記してあって問題ないのでしょうか?(引違戸のDHは1.58m。下の階との関係で、床からの高さは変えられないとの事)なお、もう1箇所のバルコニーがおそらく避難経路で、そちらは床から13㎝~15㎝程度についているようです。(DH1.85m。ちなみに、全住居中、その1部屋のみがなぜかそういう設計になっているようです。)

40cmの高さのバルコニー出入り口は問題ないのか?

ご友人の仰る通り、40cmの段差のあるバルコニー出入り口は、一般的な設計とは異なり、不便を感じる方も多いでしょう。しかし、法律上、明確な高さの規定はありません。建築基準法では、バルコニーの出入り口の高さについて具体的な数値を定めていません。そのため、図面に「出入り口」と表記されていること自体に問題は無いと言えるでしょう。

しかし、居住性の観点からは、40cmの段差は非常に不便です。特に、小さなお子さんや高齢者がいるご家庭では、転倒などの危険性も高まります。 また、ベビーカーや車椅子の利用も困難になります。

40cmの段差を解消する対策

では、この不便さをどのように解消できるのでしょうか?いくつかの対策を検討してみましょう。

  • スロープの設置:最も効果的なのは、40cmの段差に合わせたスロープを設置することです。木材や金属製など、様々な素材のスロープが市販されています。DIYでも設置可能ですが、安全性を考慮し、専門業者に依頼するのも良いでしょう。スロープの勾配は、安全性を確保するため、緩やかな勾配にすることが重要です。一般的には、1/12(8.3%)程度が推奨されています。
  • 段差解消プレート:スロープを設置するスペースがない場合、段差解消プレートを使用することもできます。様々なサイズ、素材のものが販売されており、比較的簡単に設置できます。ただし、プレートの材質や厚さによっては、見た目や耐久性に問題が生じる可能性があります。
  • 昇降設備の検討:高齢者や体の不自由な方がいる場合は、昇降設備(リフトなど)の設置も検討できます。費用は高額になりますが、安全で快適な生活を送るためには有効な手段です。専門業者に相談し、最適な設備を選定することが重要です。
  • 家具の配置:段差を目立たなくしたり、安全性を高めるために、家具の配置を工夫することもできます。例えば、段差の前に低い家具を置くことで、転倒防止に役立ちます。

専門家の意見:建築士の視点

建築士の視点から見ると、40cmという高さの段差は、バリアフリーの観点から問題があると指摘される可能性が高いです。設計段階で考慮すべき点であり、後から対応するには費用と手間がかかります。 特に、高齢化社会においては、バリアフリー設計の重要性が高まっており、将来的な居住性を考慮した設計が求められます。

13cm~15cmの高さのバルコニー出入り口(避難経路)

一方、避難経路として確保されているバルコニーの出入り口の高さは13cm~15cmと比較的低くなっています。これは、避難の際にスムーズな移動を確保するための配慮と考えられます。しかし、全住居中、その1部屋のみが異なる設計になっている点は、設計上のミスや、当初の計画変更によるものかもしれません。

この点については、管理会社や建築会社に問い合わせ、設計意図を確認することが重要です。万が一、避難経路として機能しない設計であれば、早急に改善を求める必要があります。

購入前に確認すべき点

ご友人がマンションを購入する際には、以下の点を必ず確認しましょう。

  • バルコニーの出入り口の高さ:実際に現場を確認し、段差の高さを正確に測りましょう。写真や図面だけでは判断できない場合があります。
  • 段差解消策の費用:スロープや段差解消プレートの設置費用、昇降設備の設置費用などを事前に見積もり、予算に含める必要があります。
  • 管理規約:バルコニーへのスロープ設置や改修工事について、管理規約で制限がないか確認しましょう。
  • 避難経路の安全性:避難経路の設計に問題がないか、管理会社や建築会社に確認しましょう。

まとめ:快適な生活のための事前確認が重要

40cmの段差は、居住性を大きく損なう可能性があります。購入前に、段差解消策を検討し、費用や管理規約などを確認することが重要です。また、避難経路の安全性についても、念入りに確認しましょう。 快適で安全な生活を送るためにも、事前にしっかりと確認し、納得した上でマンションを購入することをお勧めします。

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