冬の着物保管、暖房と加湿器は本当に敵?着物へのダメージと対策を徹底解説

夏のジメジメより、冬のほうが着物に良くない、と聞いたことがあります。暖房が良くないとか、暖房+加湿器なんて最悪、とかいうことを、ある着物業界の方がおっしゃっていました。これは本当なんでしょうか?加湿器や暖房なしなら、あるときよりどれくらいマシなんでしょうか?また、暖房や加湿器をつけている部屋で保存せざるを得ない場合、どれくらいの頻度で干したりすべきでしょうか?ご存知の方、教えてください。ちなみに、普通の条件(冷暖房、加湿器なしの部屋、桐のたんすの中で保管する)の場合、年に2回ほどは陰干しするのがいい、と聞いて、最低でもそれは実践しています(^^;)

冬の着物保管における暖房と加湿器の影響

結論から言うと、着物業界の方がおっしゃるように、冬の暖房と加湿器は着物にとって良くない影響を与える可能性があります。これは、夏の湿気とは異なる種類のダメージを引き起こすためです。夏の湿気はカビの発生を招きますが、冬の乾燥した暖房と加湿器の組み合わせは、着物の素材の劣化を促進する可能性があるのです。

暖房によるダメージ

暖房器具、特にエアコンやストーブからの直接的な熱風は、着物の絹や綿などの天然繊維を乾燥させ、脆くします。乾燥によって繊維が傷み、強度が低下し、シワになりやすくなったり、破れやすくなったりするリスクが高まります。また、高温多湿の環境下では、カビが発生するリスクも高まります。

加湿器によるダメージ

加湿器は、乾燥を防ぐために有効な手段ですが、使い方を間違えると着物に悪影響を及ぼす可能性があります。加湿器から出る水蒸気は、着物の繊維に付着し、湿気を帯びさせます。これが、カビやシミの原因となる可能性があります。特に、加湿器の近くに直接置いて保管すると、湿気が集中し、ダメージが大きくなります。

暖房・加湿器ありの部屋での着物保管方法

暖房や加湿器を使用せざるを得ない環境下では、以下の対策を講じることで、着物へのダメージを最小限に抑えることができます。

1. 適切な保管場所の確保

* 直射日光や熱風を避ける:暖房器具から離れた、温度変化の少ない場所に保管しましょう。できれば、クローゼットの中など、比較的温度が安定している場所が理想的です。
* 湿度管理:加湿器を使用する場合は、湿度を50~60%に保つように心がけましょう。湿度計を使用し、常に湿度を確認することが重要です。
* 通気性の良い収納:桐箪笥などの通気性の良い収納容器を使用しましょう。密閉された容器は、湿気を閉じ込め、カビの発生リスクを高めます。

2. 定期的な陰干し

* 頻度:暖房や加湿器を使用する場合は、月に1~2回程度の陰干しを行うことをお勧めします。
* 方法:風通しの良い日陰で、着物に直接日光が当たらないように注意しながら陰干しを行いましょう。長時間日光に当てると、色褪せの原因となるため注意が必要です。
* 注意点:陰干しする際は、着物全体に空気が当たるように広げ、ハンガーなどに吊るすのではなく、平らに置くようにしましょう。

3. 防虫対策

* 防虫剤の使用:天然成分の防虫剤を使用し、虫食いから着物を守りましょう。
* 定期的なチェック:定期的に着物に虫食いがないかチェックし、必要に応じて防虫剤を交換しましょう。

4. 着物専用のカバーを使用

* 通気性の良いカバー:綿や麻などの通気性の良い素材のカバーを使用することで、湿気やホコリから着物を守ることができます。
* 防カビ効果のあるカバー:防カビ効果のあるカバーを使用することで、カビの発生リスクを軽減できます。

暖房・加湿器なしの場合との比較

暖房や加湿器を使用しない場合、着物の劣化は緩やかになります。しかし、それでも定期的な陰干しは必要です。年に2回程度の陰干しは、最低限必要なメンテナンスと言えるでしょう。

専門家の意見

着物専門のクリーニング業者や保管業者に相談することで、より具体的なアドバイスを得ることができます。彼らは、着物の素材や状態に合わせた適切な保管方法を提案してくれるでしょう。

まとめ

冬の着物保管において、暖房と加湿器は着物に悪影響を与える可能性があります。しかし、適切な保管方法と定期的なメンテナンスを行うことで、ダメージを最小限に抑えることができます。上記の方法を参考に、大切な着物を長く大切に保管しましょう。

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