Contents
誤嚥とは?その危険性とサイン
誤嚥とは、飲み込むべきものが気管支や肺に入ることを指します。唾液や食べ物が誤って気管に入ると、窒息や肺炎などの重篤な事態につながる危険性があります。特に高齢者や嚥下機能が低下している方は、誤嚥のリスクが高まります。
重要なのは、誤嚥は必ずしもむせることでしか判断できないわけではないということです。質問者さんのケースのように、むせずに「エライエライ」と落ち着きのない様子を示すことも、誤嚥のサインの一つとなり得ます。他のサインとしては、以下のものがあります。
- 食事中に何度も咳き込む
- 食事後、痰が増える
- 呼吸が苦しそうになる
- 顔が青くなる
- 食事中に声がかすれる
- 食欲不振や体重減少
- 発熱や肺炎症状
- 繰り返す誤嚥性肺炎
これらのサインは、単独で現れることもあれば、複数同時に現れることもあります。一つでも気になる症状があれば、すぐに医療従事者に報告することが重要です。
むせない誤嚥:気づきにくい危険性
むせは誤嚥のサインの一つではありますが、むせがなければ誤嚥していないとは限りません。特に、嚥下機能の低下が進んでいたり、麻痺などがある場合は、むせ反射が弱まっている可能性があります。そのため、むせがないからといって安心せず、他のサインにも注意深く観察する必要があります。
ネットで買うなら?いろのくにのおすすめインテリア(PR)
介護現場における誤嚥予防と対応:具体的な対策
誤嚥を予防し、安全な食事介助を行うためには、以下の点に注意しましょう。
1. 適切な姿勢と環境
- 食事中は、背筋を伸ばした正しい姿勢を保たせることが重要です。猫背になっていると、誤嚥のリスクが高まります。
- 落ち着いて食事ができる環境を整えましょう。騒がしい場所や急かされる状況は、誤嚥のリスクを高めます。
- 適切な照明を確保し、食べ物がよく見えるようにしましょう。
2. 食材の工夫
- 食べやすい形状と硬さに工夫しましょう。一口サイズに小さく切り分けたり、とろみをつけるなど、個々の状態に合わせて調整することが大切です。ペースト状にする、柔らかく煮込むなど、工夫が必要です。
- 水分量にも注意しましょう。水分が多すぎると誤嚥しやすくなります。
- 温度も重要です。熱いものは火傷の危険性があり、冷たいものは誤嚥しやすいため、適温で提供しましょう。
3. 丁寧な口腔ケア
口腔ケアは、誤嚥予防に非常に効果的です。食べカスや細菌を除去することで、口腔内の清潔を保ち、誤嚥性肺炎のリスクを軽減できます。質問者さんの施設では看護師さんが担当とのことですが、口腔ケアの方法や頻度について、改めて確認しておくと安心です。
4. 適切な食事介助
- ゆっくりと時間をかけて食事介助を行いましょう。焦らず、落ち着いて、本人のペースに合わせて食事を進めましょう。
- こまめな水分補給を促しましょう。ただし、一気に大量に飲ませるのではなく、少量ずつ、ゆっくりと飲ませるようにしましょう。
- 食事中の様子を注意深く観察しましょう。「エライエライ」といった発言や、表情の変化、呼吸の変化などに注意を払いましょう。
- 必要に応じて、医療従事者への相談を躊躇しないようにしましょう。不安な点があれば、すぐに相談することが大切です。
5. 専門家への相談
嚥下機能に問題がある場合は、言語聴覚士に相談することをお勧めします。言語聴覚士は、嚥下機能の評価を行い、適切な食事形態や食事介助方法をアドバイスしてくれます。また、必要に応じて、嚥下リハビリテーションを行うこともあります。
まとめ
誤嚥は、高齢者や嚥下機能が低下している方にとって、非常に危険な状態です。むせだけが誤嚥のサインではないことを理解し、他のサインにも注意を払い、適切な予防策と対応を行うことが重要です。不安な点があれば、医療従事者や専門家に相談しましょう。