介護日誌の書き方:グループホームでの記録のポイントと具体的な事例

グループホームに勤務しています。介護日誌について教えて下さい! 利用者さんの1日の様子を記録するんですが、主にどんな事を書けば良いのですか? 私は例えば ・帰宅願望あったが「~にしましょうか」と声をかけたらお部屋に戻られた ・昔の歌を口ずさみながら料理を作り、とても手際よかった ・口数がいつもより少なく寂しそうにしていた 等を記入していますが、こんな事は書かなくて良いのでしょうか? 職員によっては、健康状態や排泄、食事の様子を書けばよいと言う人もいて統一されてません…

介護日誌の目的と重要性

介護日誌は、利用者さんの状態を正確に記録し、継続的なケアを提供するために不可欠なツールです。単なる出来事の羅列ではなく、利用者さんの心身の状態、変化、そしてそれに対するケアの記録を通して、より質の高い介護を提供するための重要な情報源となります。 日々の記録を積み重ねることで、利用者さんの状態を長期的に把握し、変化に迅速に対応できるようになり、より適切なケアプランの作成や見直しにも繋がります。 また、チーム全体で情報を共有することで、円滑な連携を図り、利用者さんにとってより安心・安全な環境を築くことができます。

介護日誌に書くべきこと:身体面、精神面、そして社会面

介護日誌には、利用者さんの身体的、精神的、社会的な状態を包括的に記録することが重要です。職員によって記録内容にばらつきがあるとのことですが、施設全体で統一された基準を作ることで、より効果的な情報共有と質の高いケア提供に繋がります。

1. 身体面

* 健康状態:体温、血圧、脈拍などのバイタルサイン、痛みや不快感の有無、排泄状況(回数、量、状態)、食欲や食事量、睡眠時間、体重の変化など。具体的な数値や観察結果を記録しましょう。例えば、「体温36.5℃、食欲良好、排泄回数は3回」のように具体的に記述します。
* 身体機能:歩行能力、着替え、食事、排泄などのADL(日常生活動作)の状況。具体的な支援内容も記録します。「車椅子を使用し、介助にてトイレへ移動」のように記述することで、支援内容が明確になります。
* 服薬状況:服用した薬の種類、時間、量、副作用の有無などを記録します。

2. 精神面

* 気分や感情:笑顔が多かったか、落ち込んでいたか、不安そうだったかなど、具体的な行動や言葉に基づいて記録します。「午前中は元気に過ごしていたが、午後は静かに過ごしていた。好きな音楽を流すと笑顔を見せた。」のように記述することで、感情の変化がわかります。
* 認知機能:会話の内容、記憶力、判断力、見当識など。会話の内容を具体的に記録することで、認知機能の変化を把握できます。例えば、「今日の出来事を尋ねると、昨日の出来事を話した。」のように記録します。
* 精神症状:不安、焦燥、幻覚、妄想などの症状の有無、程度、対応などを記録します。

3. 社会面

* コミュニケーション:他の利用者や職員との関わり方、会話の内容、コミュニケーションの取りやすさなどを記録します。
* 社会参加:レクリエーションへの参加状況、外出状況、ボランティア活動への参加状況など。
* 家族との関係:面会状況、連絡事項などを記録します。

質問者様の例:「・帰宅願望があったが「~にしましょうか」と声をかけたらお部屋に戻られた ・昔の歌を口ずさみながら料理を作り、とても手際よかった ・口数がいつもより少なく寂しそうにしていた」などは、非常に重要な記録です。これらの記録は、利用者さんの精神状態や、その背景にあるニーズを理解する上で非常に役立ちます。帰宅願望、過去の思い出、寂しさといった感情は、ケアプランの見直しや、より適切な対応を考える上で重要な情報となります。

具体的な記述例とポイント

以下に、具体的な記述例を示します。

* 良い例:「10時30分、朝食摂取。食欲旺盛で完食。その後、庭で散歩を楽しんでいた。11時15分、少し疲れた様子で休憩。好きな音楽を聴きながらリラックスしていた。」
* 悪い例:「朝食食べた。散歩した。疲れた。」

良い例では、時間、行動、状態が具体的に記述されており、状況を把握しやすいです。悪い例は、情報が少なく、状況を把握することが困難です。

ポイント:

* 客観的な事実を記述する:主観的な意見や解釈は避け、事実を正確に記録しましょう。
* 具体的な行動や言葉を用いる:抽象的な表現ではなく、具体的な行動や言葉を用いることで、状況をより詳細に把握できます。
* 時間軸を意識する:出来事を時間順に記録することで、一日の流れが分かりやすくなります。
* 対応と結果を記録する:問題行動や変化に対してどのような対応を行い、どのような結果になったかを記録します。
* 写真や動画の活用:状況をより分かりやすく伝えるために、写真や動画を活用することも有効です。

介護日誌のフォーマットと共有方法

介護日誌のフォーマットは、施設によって異なりますが、基本的には、日付、利用者名、時間、出来事、対応、担当者名などを記載する欄があります。施設で統一されたフォーマットを使用し、記録内容を明確にすることが重要です。また、記録された情報は、チーム全体で共有することが重要です。電子カルテシステムを利用することで、情報共有が容易になり、リアルタイムでの情報共有も可能になります。

専門家への相談

介護日誌の書き方や記録内容に不安がある場合は、上司や先輩職員、ケアマネジャー、または専門機関に相談しましょう。

まとめ:質の高い介護のための記録

介護日誌は、利用者さんの状態を正確に記録し、継続的なケアを提供するために不可欠なツールです。身体面、精神面、社会面を包括的に記録し、客観的で具体的な記述を心がけましょう。チーム全体で情報を共有し、より質の高い介護を目指しましょう。 日々の記録は、利用者さんの生活の質を高めるだけでなく、介護の質を向上させるための重要な基盤となります。

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