介護しやすい住まいづくり:間取りと家具選びのポイント

介護をされている方に質問です。どのような家具、間取りが最適ですか? 来年春から老人ホームに入居していた祖母が自宅で一緒に暮らせることになりました。 今祖母の部屋を作っているのですが、どのような間取りが過ごしやすいのか、またどのような家具を用意すればいいのか、現在介護している方、関係者の方にお知恵を拝借できれば幸いです。 また、介護をしている際苦労していることも合わせて教えてください。 よろしくお願いします

高齢者と暮らすための最適な間取り

高齢者と暮らす上で、安全で快適な生活を送れる間取りは非常に重要です。特に、介護が必要な場合は、動線やバリアフリー設計が不可欠です。

1. 広々とした空間と適切な動線

  • 廊下は広く、車椅子でもスムーズに移動できる幅(90cm以上)を確保しましょう。段差は極力避け、スロープを設置するなど、バリアフリー設計を心掛けてください。
  • 寝室、トイレ、浴室は近い場所に配置することで、移動による負担を軽減できます。可能な限りワンフロアに生活に必要な空間を集約することが理想的です。
  • ドアの幅は広めに(80cm以上)し、引き戸にすることで、車椅子での移動を容易にします。また、ドアノブは握りやすい形状のものを選びましょう。
  • 家具の配置は、移動スペースを十分に確保し、転倒防止にも配慮が必要です。家具の角は丸みを帯びたもの、または角カバーを使用するのも有効です。

2. バリアフリー設計のポイント

  • 床材は滑りにくい素材を選びましょう。フローリングの場合は、滑り止めマットなどを活用するのも効果的です。また、段差のある場所には、滑り止めテープを貼るなど工夫が必要です。
  • トイレは、手すり付きの便器を選び、床は滑りにくい素材を使用しましょう。また、ウォシュレット機能は、介護する側にもされる側にも快適さを提供します。
  • 浴室は、手すりや滑り止めマットを必ず設置しましょう。浴槽への出入りが困難な場合は、手すり付きの浴槽や、浴室乾燥機付きの浴室リフォームも検討しましょう。
  • 照明は、明るすぎず暗すぎず、目に優しいものを選び、スイッチは押しやすい位置に配置しましょう。

介護しやすい家具選び

家具選びも、介護のしやすさや高齢者の快適性を考慮することが重要です。

1. 寝具

  • 高さのあるベッドは、介護する側もされる側も負担が軽減されます。ベッドサイドテーブルも設置し、必要なものを手の届く範囲に置くことが大切です。
  • マットレスは体圧分散性の高いものを選びましょう。体への負担を軽減し、床ずれ予防にも繋がります。
  • 寝具は通気性の良い素材を選び、清潔に保ちやすいものを選びましょう。

2. その他の家具

  • 高さ調節可能なテーブルや椅子は、高齢者の体格や状態に合わせて調整できるため便利です。座面の高さが調整できる椅子は、立ち上がりやすさにも繋がります。
  • 収納家具は、使いやすい高さに配置し、必要なものがすぐに取り出せるようにしましょう。引き出しはスムーズに開閉できるものを選びましょう。
  • 手すり付きの椅子やソファは、立ち上がりをサポートし、転倒防止にも役立ちます。
  • 車椅子がスムーズに移動できるスペースを確保し、家具の配置を工夫しましょう。

介護における苦労と対策

介護は、肉体的にも精神的にも負担が大きいものです。

1. 肉体的な負担

  • 腰痛:重いものを持ち上げたり、長時間同じ体勢でいることで腰痛になりやすいです。腰痛対策ベルトの使用や、こまめな休憩を心がけましょう。
  • 肩こり:介護動作は、肩や首への負担が大きいです。定期的なストレッチやマッサージでケアしましょう。
  • 疲労:介護は24時間体制で行うことも多く、常に疲労が蓄積されます。十分な睡眠と休息をとり、無理をしないことが大切です。

2. 精神的な負担

  • ストレス:介護は、常に緊張を強いられるため、ストレスが溜まりやすいです。ストレス解消のための趣味を持つなど、気分転換を心がけましょう。
  • 孤独感:介護をしていると、社会との繋がりが薄れがちです。介護者同士の交流会に参加したり、相談窓口を利用するなど、積極的に社会との繋がりを保つことが大切です。
  • イライラ:介護をしていると、どうしてもイライラすることがあります。感情をコントロールする練習や、専門家への相談も有効です。

3. 専門家への相談

介護に関する悩みや不安は、一人で抱え込まずに、専門家へ相談しましょう。ケアマネージャーや医師、相談窓口などを活用することで、適切なアドバイスやサポートを受けることができます。

まとめ

高齢者と暮らすための住まいづくりは、安全で快適な生活を送れるよう、細やかな配慮が必要です。間取りや家具選びだけでなく、介護における肉体的・精神的な負担軽減にも意識を向け、専門家の力を借りながら、安心して暮らせる環境を整えましょう。 適切な環境づくりは、介護する側とされる側、双方のQOL(生活の質)向上に繋がります。

ネットで買うなら?いろのくにのおすすめインテリア(PR)