中古住宅の傾斜：危険性と対処法

中古住宅を購入する際、構造上の問題、特に建物の傾斜は非常に重要なチェックポイントです。今回のケースのように、リップクリームが転がるほどの傾斜は、居住性や安全性を大きく損なう可能性があり、軽視できません。 早急に不動産会社に報告し、状況を詳しく説明することが重要です。

傾斜の原因と危険性

建物の傾斜は、様々な原因で発生します。

• 地盤沈下：建物の基礎が弱く、地盤が沈下することで傾斜が生じます。これは、特に古い住宅で起こりやすく、深刻な問題となる可能性があります。
• 不同沈下：基礎の一部だけが沈下することで、建物全体が傾きます。地盤の性質や基礎の施工不良などが原因です。
• 地震被害：地震によって基礎や構造材に損傷を受け、傾斜が発生することがあります。目に見える損傷がない場合でも、内部構造に歪みが生じている可能性があります。
• シロアリ被害：シロアリによって建物の土台や柱が腐食すると、建物の強度が低下し、傾斜につながることがあります。
• 老朽化：建物の経年劣化によって、構造材が弱くなり、傾斜が発生することがあります。

これらの原因によって建物が傾くと、以下の様な危険性があります。

• 居住性の低下：傾斜によって、家具が倒れたり、ドアや窓が開閉しにくくなったりします。精神的なストレスも大きくなります。
• 安全性の低下：ひどい傾斜は、建物全体の構造に影響を与え、倒壊の危険性も高まります。特に地震発生時は危険です。
• 修繕費用の高騰：傾斜の修正には、高額な費用がかかる可能性があります。地盤改良や基礎補強などが必要になるケースもあります。

不動産会社への報告：適切な対応と手順

リップクリームが転がるほどの傾斜は、明らかに問題があります。購入を断念する意思を明確にした上で、不動産会社に報告することが重要です。 報告する際には、以下の点を意識しましょう。

• 具体的な状況の説明：いつ、どこで、どのような状況で傾斜を確認したかを具体的に説明します。「2階の○○部屋で、リップクリームを置くと壁に向かって転がった」など、客観的な事実を伝えましょう。
• 写真や動画の撮影：傾斜の様子を写真や動画で記録しておきましょう。証拠として非常に有効です。水平器を使って傾斜角度を測るのも良いでしょう。
• 専門家の意見の提示：可能であれば、建築士や不動産鑑定士などの専門家に相談し、意見を聞いておきましょう。専門家の意見は、不動産会社との交渉において強い味方になります。
• 書面での報告：口頭での報告だけでなく、内容を記録した書面を提出しましょう。メールや手紙で記録を残すことで、後々のトラブル防止に繋がります。
• 冷静な対応：感情的にならず、冷静に事実を伝えましょう。相手を非難するのではなく、問題解決に向けて協力的な姿勢を示すことが重要です。

専門家の視点：建築士からのアドバイス

建築士の視点から、中古住宅の傾斜についてアドバイスします。 リップクリーム程度の小さなものでも転がるということは、相当な傾斜があると考えられます。これは、単なる見た目だけの問題ではなく、建物の構造的な問題を示唆している可能性が高いです。 早急に専門家による調査が必要です。 調査では、傾斜の角度、原因、修繕費用、安全性の評価などが行われます。 この調査結果を元に、購入するかどうかの判断をすべきです。 安易な判断は、後々大きな後悔につながる可能性があります。

安心安全な住まい選び：チェックポイント

中古住宅を購入する際には、傾斜以外にも様々な点に注意が必要です。

• 建物の外観：ひび割れ、腐食、雨漏りの跡などがないか確認しましょう。
• 内装：カビ、湿気、害虫の被害がないか確認しましょう。壁紙や床材の状態もチェックしましょう。
• 設備：給排水設備、電気設備、ガス設備などが正常に機能するか確認しましょう。
• 周辺環境：騒音、日当たり、交通の便など、生活環境に問題がないか確認しましょう。
• 瑕疵担保責任：売買契約における瑕疵担保責任の内容を確認しましょう。重大な欠陥が見つかった場合の対応が明確にされているか確認しましょう。

これらの点をしっかりチェックし、必要であれば専門家（建築士、不動産鑑定士など）に相談することで、安心して暮らせる住まい選びができます。 今回のケースのように、少しでも不安を感じたら、すぐに不動産会社に相談し、適切な対応をしてもらうようにしましょう。

まとめ：迅速な対応と専門家の活用が重要

中古住宅の傾斜は、重大な問題です。 早期発見と適切な対応が、安全で快適な生活を送るために不可欠です。 今回のケースでは、不動産会社への報告と専門家への相談を強くお勧めします。 冷静に状況を説明し、証拠となる写真や動画を提出することで、よりスムーズな対応が期待できます。 そして、自分の直感を信じることも大切です。 少しでも不安を感じたら、購入を断念する勇気も必要です。 後悔しない住まい選びをしましょう。