1. 中古物件の間取り非公開の理由

中古物件の売却において、所有者が間取り図を公開せず、部屋数すら明かさないケースは、残念ながら稀ではありません。その背景にはいくつかの理由が考えられます。

1-1. プライバシー保護の意識

所有者にとって、自宅の間取り図は非常にプライベートな情報です。特に、長年住み慣れた家であれば、家族構成や生活スタイルが間取りに反映されているため、公開することに抵抗を感じる方もいます。 インターネット上に間取り図が公開されることで、住所特定や家族構成の推測につながる可能性も懸念されるでしょう。

1-2. 物件の価値維持

間取り図を公開することで、競合物件との比較が容易になり、価格交渉に不利になる可能性があります。特に、築年数が経過している物件や、リフォームがされていない物件の場合、間取り図から欠点が目立ってしまうことを懸念する所有者もいるでしょう。

1-3. 不動産会社との関係性

今回のケースのように、複数の不動産会社が仲介に関わっている場合、情報共有がスムーズに行われない可能性があります。不動産会社間での情報伝達に遅延が生じ、結果として、所有者から直接情報を得ることが難しくなるケースも考えられます。

1-4. その他の理由

* 急な売却を余儀なくされた場合：時間的な制約から、間取り図の作成や情報公開にまで手が回らないケースも考えられます。
* 心理的な抵抗：売却活動自体に抵抗感があり、物件に関する情報を最小限に留めたいと考えている可能性があります。
* 特殊な間取り：一般的な間取り図では表現しにくい、複雑な間取りの場合、図面作成に時間がかかったり、誤解が生じやすいため、直接説明することを選択するケースもあります。

2. 1回だけの内見で成功するためのポイント

30分という限られた時間の中で、物件の価値を判断し、購入の可否を決定する必要があります。そのため、効率的な内見が不可欠です。

2-1. 事前準備の徹底

* チェックリストの作成：事前に確認したいポイントをリスト化しておきましょう。例えば、壁の傷、水回り設備の状態、収納スペースの広さ、日当たり、通風、騒音レベルなどです。
* 写真や動画の撮影：許可を得た上で、内見中に積極的に写真や動画を撮影しましょう。後でじっくり確認することで、見逃した点を見つけることができます。
* 質問事項の整理：事前に質問事項を整理し、担当者へ効率的に質問できるようにしておきましょう。

2-2. 内見時のポイント

* 時間厳守：約束の時間に遅れないようにしましょう。限られた時間の中で最大限の情報を得るためには、時間厳守が重要です。
* 全体像の把握：まずは、家の全体像を把握するために、各部屋を素早く見て回りましょう。間取り図がない場合は、メモを取りながら部屋の広さや配置を把握することが重要です。
* 重要な箇所の重点チェック：水回り（キッチン、浴室、トイレ）、窓、床、壁など、劣化や損傷が確認しやすい箇所を重点的にチェックします。
* 日当たりと通風：窓を開けて、日当たりと通風を確認しましょう。時間帯によっては、日当たりや通風が確認できない場合があるので、事前に確認しておきましょう。
* 収納スペースの確認：収納スペースの広さや使い勝手を確認しましょう。収納が少ないと生活に支障をきたす可能性があります。
* 騒音レベルの確認：窓を開けて、周辺の騒音レベルを確認しましょう。交通量が多い道路に面している場合などは、騒音が気になる可能性があります。
* 専門家への相談：不安な点があれば、不動産会社や建築士などの専門家に相談しましょう。

2-3. 不信感への対処法

所有者の対応に不信感を抱くのは当然です。しかし、物件自体に魅力を感じるのであれば、冷静に判断することが重要です。

* 不動産会社への確認：不動産会社に、所有者の対応について相談し、客観的な意見を求めましょう。
* 契約前にしっかり調査：契約前に、建物の状況を改めて確認し、瑕疵担保責任などを確認しましょう。必要であれば、専門業者に調査を依頼することも検討しましょう。
* 契約条項の確認：契約書に記載されている内容を十分に理解し、不明な点は質問しましょう。

3. まとめ

中古住宅購入は、大きな買い物です。今回のケースのように、情報が不足している状況では、不安を感じるのも当然です。しかし、限られた時間の中で、効率的に物件を評価し、判断することが重要です。事前に準備をしっかり行い、内見時に重要なポイントを重点的にチェックすることで、後悔のない選択をすることができるでしょう。 専門家への相談も有効な手段です。 冷静に状況を判断し、納得のいく物件選びを目指しましょう。