築年数の経った平屋住宅で、床の傾きや湿気、シロアリ被害など、基礎に問題を抱えているケースは少なくありません。そのような場合、床を数センチ持ち上げて新基礎を設置する「床上げ」工事が有効な解決策となります。本記事では、一般平屋住宅（6部屋程度）の床上げ工事について、施工可能な業者や費用、注意点などを詳しく解説します。

床上げ工事とは？そのメリットとデメリット

床上げ工事とは、既存の床を数センチ持ち上げ、その下に新しい基礎を構築する改修工事です。既存の基礎をそのまま残す方法と、既存基礎を撤去する方法があります。既存基礎を残す場合は、比較的工期が短く費用を抑えられますが、既存基礎の状態によっては対応できない場合があります。既存基礎を撤去する場合は、費用と工期は増えますが、より確実な改修が可能です。

床上げ工事のメリット

• 床の傾きや沈下の修正： 基礎の不同沈下による床の傾きを解消できます。
• 湿気対策： 床下の換気を改善し、湿気による腐朽やカビを防ぎます。
• シロアリ対策： 新しい基礎と防蟻処理により、シロアリ被害のリスクを軽減できます。
• 断熱性能の向上： 床下空間の断熱材を増設することで、断熱性能を向上させられます。
• バリアフリー化： 床の高さを上げることで、段差を解消しバリアフリー化を促進できます。

床上げ工事のデメリット

• 費用： 比較的高額な工事となります。
• 工期： 既存基礎の状況によっては、工期が長くなる可能性があります。
• 生活への影響： 工事中は生活に支障をきたす可能性があります。
• 近隣への影響： 工事による騒音や振動に配慮が必要です。

床上げ工事を行う業者選び

床上げ工事は専門的な知識と技術が必要なため、信頼できる業者を選ぶことが非常に重要です。以下のような点を考慮して業者を選びましょう。

業者選びのポイント

• 経験と実績： 床上げ工事の実績が豊富で、類似の工事事例を提示できる業者を選びましょう。
• 資格と免許： 必要な資格や免許を保有しているか確認しましょう。例えば、建築士の資格や建設業許可などです。
• 見積もり： 複数の業者から見積もりを取り、内容を比較検討しましょう。費用だけでなく、工事内容や保証についても確認が必要です。
• 対応力： 疑問点や不安な点に対して、丁寧に説明し、対応してくれる業者を選びましょう。
• 口コミや評判： インターネット上の口コミや評判を確認し、業者の信頼性を確認しましょう。

床上げ工事の費用

床上げ工事の費用は、家の規模、工事内容、使用する材料などによって大きく変動します。6部屋程度の平屋住宅の場合、概算で300万円～500万円程度と予想されます。しかし、これはあくまで目安であり、実際にはもっと高額になる場合もあります。

費用内訳の例

• 既存基礎の撤去費用： 既存基礎の状態によって費用が大きく変動します。
• 新基礎の構築費用： 基礎の種類や規模によって費用が変わります。
• 床の解体費用： 床材の種類や面積によって費用が変わります。
• 床の再施工費用： 新しい床材の費用や施工費用が含まれます。
• その他費用： 工事期間中の仮住まい費用、諸経費など。

正確な費用を知るためには、複数の業者に見積もりを依頼することが重要です。見積もりには、工事内容の詳細、使用する材料、保証内容などが明確に記載されていることを確認しましょう。

床上げ工事における注意点

床上げ工事は、既存の建物を改修する大規模な工事です。工事中は生活に支障をきたす可能性があるため、事前に十分な計画を立てる必要があります。

注意点

• 近隣への配慮： 工事による騒音や振動、粉塵などに配慮し、近隣住民への説明と理解を得ることが重要です。
• ライフラインの確保： 工事中は水道、ガス、電気などのライフラインが一時的に停止する可能性があります。事前に業者と確認しましょう。
• 工事期間： 工事期間は数週間から数ヶ月かかる場合があります。事前にスケジュールを立て、生活に支障が出ないように計画しましょう。
• 保証： 工事後、一定期間の保証が付いているか確認しましょう。万が一、問題が発生した場合でも対応してもらえるように、保証内容をしっかり確認しましょう。

専門家のアドバイス

建築士や構造設計士などの専門家に相談することで、適切な工事方法や費用、注意点などを知ることができます。特に、古い住宅の場合は、専門家のアドバイスを受けることを強くお勧めします。

床上げ工事は、住まいの価値を高め、快適な生活空間を実現するための有効な手段です。しかし、高額な工事であり、専門的な知識と技術が必要なため、信頼できる業者を選び、十分な計画を立てて進めることが重要です。本記事が、皆様の床上げ工事の計画に役立つことを願っています。