ミドリガメ(クサガメ)は、ペットとして人気のあるカメですが、成長に伴い甲羅の色が変化することや、予想以上に大きくなることから、飼育を放棄するケースが多いという現実があります。 本記事では、ミドリガメの飼育放棄問題、その背景、そして捨てる以外の適切な対応策について、具体的な方法を交えながら解説します。
Contents
ミドリガメの成長と飼育放棄の現状
ミドリガメは、幼少期は緑色の美しい甲羅をしていますが、成長するにつれて茶褐色や黒褐色に変化していきます。この色の変化が、飼育放棄の一因と考えられています。 また、小型で可愛らしい幼体を購入したものの、成体になると甲長20cm以上にも成長し、飼育スペースや餌代などの負担が大きくなることも、飼育継続を困難にする要因です。 さらに、寿命が長く、30年以上生きる場合もあるため、長期的な飼育への覚悟が不足しているケースも少なくありません。
このような状況から、ミドリガメは、飼育放棄された結果、自然界に放出されるケースが多く、生態系への影響が懸念されています。 外来種であるミドリガメは、在来種との競合や遺伝子汚染を引き起こす可能性があり、環境問題にも繋がっています。
ミドリガメを捨てる以外の選択肢
ミドリガメの飼育を継続できなくなった場合、安易に捨てることは絶対に避けなければなりません。 では、どのような選択肢があるのでしょうか?
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1. 知人・友人への譲渡
まず検討すべきは、飼育を継続できる知人や友人への譲渡です。 ミドリガメの飼育経験があり、責任を持って飼育してくれる人に譲渡することで、カメの命を守ることができます。 譲渡する際には、飼育方法や注意点などを丁寧に説明する必要があります。
2. 爬虫類専門のブリーダーやペットショップへの相談
ペットショップによっては、引き取りを検討してくれる場合があります。ただし、全てのペットショップが引き受けてくれるとは限りません。事前に電話で問い合わせ、引き取り可能かどうかを確認しましょう。 また、爬虫類専門のブリーダーに相談することも有効です。ブリーダーは、ミドリガメの飼育に精通しており、適切なアドバイスや引き取り先を紹介してくれる可能性があります。
3. 動物保護団体への連絡
地域によっては、爬虫類を含む動物の保護活動を行っている団体があります。 これらの団体に連絡し、ミドリガメの引き取りを依頼してみましょう。 団体によっては、引き取りができない場合もありますが、適切なアドバイスをもらえる可能性もあります。インターネット検索で「動物保護団体 〇〇(地域名)」と検索すれば、地域の団体を見つけることができます。
4. 保健所への相談
保健所は、迷子になった動物や、飼育困難になった動物の相談窓口として機能しています。 ただし、保健所が全ての動物を引き取れるわけではありません。 保健所への連絡は、最終手段として検討しましょう。 保健所では、適切な対応策をアドバイスしてくれる可能性があります。
5. 動物園への相談(可能性は低い)
動物園がミドリガメを引き取る可能性は低いでしょう。動物園は、希少種や絶滅危惧種の保護を主な目的としており、一般的なミドリガメを引き取る余裕は少ないのが現状です。
ミドリガメ飼育における注意点と予防策
飼育放棄を防ぐためには、事前に十分な知識と準備が必要です。以下に、ミドリガメ飼育における注意点と予防策を示します。
- 飼育スペースの確保:ミドリガメは成長すると大きくなります。十分な広さの飼育ケースを用意しましょう。
- 適切な餌やり:偏った食事は健康に悪影響を与えます。カメの成長段階に合わせた適切な餌を与えましょう。
- 水質管理:清潔な水を常に供給し、定期的に水換えを行いましょう。水質が悪化すると病気の原因になります。
- 日光浴の確保:紫外線はカルシウムの吸収に重要です。日光浴をさせるか、紫外線ライトを使用しましょう。
- 病気への対応:病気の早期発見と適切な治療が必要です。獣医への相談も視野に入れましょう。
- 長期的な飼育計画:ミドリガメは長生きします。30年以上飼育する覚悟を持ってから購入しましょう。
専門家の意見
爬虫類専門の獣医師によると、「ミドリガメの飼育放棄は、安易な購入と、飼育の難しさに対する認識不足が原因です。 購入前に、飼育に必要な知識や費用、時間などを十分に理解し、責任を持って飼育できるかどうかを慎重に検討することが重要です。」とのことです。
まとめ
ミドリガメの飼育放棄は、動物の命と環境への影響を考慮すると、決して許される行為ではありません。 飼育を継続できなくなった場合は、安易に捨てるのではなく、適切な方法で新しい飼い主を探したり、保護団体に相談するなど、責任ある行動を取りましょう。 そして何より、購入前に十分な情報収集を行い、生涯にわたる飼育計画を立ててから、ミドリガメを迎え入れることが重要です。